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㈲濱口石油に対する件

独禁法19条一般指定6項

平成18年(措)第3号

排除措置命令

 

和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字宇久井1897番地の12
有限会社濱口石油
代表取締役 濱口 一之

公正取引委員会は,上記の者に対し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第20条第1項の規定に基づき,次のとおり命令する。

主文
1 有限会社濱口石油は,「セルフ南紀田辺サービスステーション」及び「セルフ南紀白浜空港線サービスステーション」と称する給油所において,普通揮発油を,その仕入価格(運送費を含む。以下主文において同じ。)に販売経費(普通揮発油の販売に係る経費をいう。以下主文において同じ。)を加えた価格を下回る価格で継続して販売している行為を取りやめなければならない。
2 有限会社濱口石油は,次の(1)及び(2)の事項を旧和歌山県田辺市(平成17年5月1日に他の町村と合併する前の和歌山県田辺市をいう。)及び和歌山県西牟婁郡上富田町の石油製品小売業者(石油製品の小売業を営む者をいう。)及び一般消費者に周知するため,「セルフ南紀田辺サービスステーション」及び「セルフ南紀白浜空港線サービスステーション」と称する給油所において,それぞれ,当該事項を表示した店頭看板を30日間掲示するとともに,その他必要な措置を採らなければならない。これらの措置の内容については,あらかじめ,当委員会の承認を受けなければならない。
(1) 「セルフ南紀田辺サービスステーション」及び「セルフ南紀白浜空港線サービスステーション」と称する給油所において,普通揮発油を,その仕入価格に販売経費を加えた価格を下回る価格で継続して販売する行為を取りやめた旨
(2) 今後,第1項の行為を行わない旨
3 有限会社濱口石油は,今後,普通揮発油を,その仕入価格を下回る価格で継続して販売し,又は他の石油製品小売業者を排除する意図をもってその仕入価格に販売経費を加えた価格を下回る価格で販売することにより,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある行為をしてはならない。
4 有限会社濱口石油は,第1項及び第2項に基づいて採った措置を速やかに当委員会に報告しなければならない。

理由
事実
1(1) 有限会社濱口石油(以下「濱口石油」という。)は,肩書地に本店を置き,石油製品の小売業を営む者(以下「石油製品小売業者」という。)であって,平成18年3月1日現在,和歌山県の区域に10給油所及び三重県の区域に4給油所を設置し,主として監視員が常駐する有人給油方式のセルフ給油により,一般消費者に対し,普通揮発油等を販売している。
(2) 濱口石油は,旧和歌山県田辺市(平成17年5月1日に他の町村と合併する前の和歌山県田辺市をいう。)及び和歌山県西牟婁郡上富田町(以下,旧和歌山県田辺市と併せて「田辺地区」という。)における有力な石油製品小売業者である。
(3) 濱口石油は,田辺地区に,平成17年8月25日に「セルフ南紀田辺サービスステーション」と称する給油所(以下「南紀田辺店」という。)を,同年11月29日に「セルフ南紀白浜空港線サービスステーション」と称する給油所(以下「白浜空港線店」という。)を新規開店し,集客のため,普通揮発油等の販売価格を表示した看板を店頭に掲示して一般消費者に周知している。
(4) 田辺地区に所在する給油所を経営する石油製品小売業者のほとんどは,田辺地区に本店を置き,かつ,濱口石油に比較して規模が小さい事業者であり,田辺地区以外に給油所を設置していない。また,田辺地区に所在する給油所における普通揮発油の販売量が石油製品の販売量に占める割合は高い。
2(1) 濱口石油は,普通揮発油について,南紀田辺店及び白浜空港線店の販売価格が田辺地区に所在する給油所の中で最安値となるように現金販売価格を設定し,その価格を表示した看板を店頭に掲示して一般消費者に周知している。
(2) 濱口石油は
ア 南紀田辺店において,普通揮発油を,平成17年8月25日から平成18年1月31日までの期間内に,仕入価格(運送費を含む。以下同じ。)に南紀田辺店の人件費等の販売経費(普通揮発油の販売に係る経費をいう。以下同じ。)を加えた価格を下回る価格で106日間,また,そのうち仕入価格を下回る価格で80日間
イ 白浜空港線店において,普通揮発油を,平成17年11月29日から平成18年1月31日までの期間内に,仕入価格に白浜空港線店の人件費等の販売経費を加えた価格を下回る価格で43日間,また,そのうち仕入価格を下回る価格で30日間
それぞれ販売するなど,南紀田辺店及び白浜空港線店において,仕入価格又は仕入価格に当該給油所の人件費等の販売経費を加えた価格を下回る価格で普通揮発油を継続して販売している。
(3) 濱口石油は,田辺地区における販売量が多い他の有力な石油製品小売業者を排除する意図をもって,前記(1)及び(2)を行っている。
3(1) 濱口石油は,前記2の行為により,田辺地区において,平成18年1月の普通揮発油の販売量が第1位の地位を占めるに至っている。
(2) 濱口石油は,前記2の販売価格によって生じる損失を,濱口石油が田辺地区以外に設置する給油所における普通揮発油等の販売から得られる利益をもって補てんしているところ,田辺地区に給油所を設置する他の石油製品小売業者は,効率的な事業者であっても,通常の企業努力によっては濱口石油の前記2の行為に到底対抗することができず,普通揮発油の販売価格の引下げを余儀なくされた上,平成17年8月25日から平成18年1月31日までの期間内における当該石油製品小売業者の普通揮発油の各販売量は,おおむね,前年同期間と比較して減少している。

法令の適用
前記事実によれば,濱口石油は,正当な理由がないのに普通揮発油をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し,その他不当に普通揮発油を低い対価で供給し,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるものであって,これは,不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)の第6項に該当し,独占禁止法第19条の規定に違反するものである。
よって,濱口石油に対し,独占禁止法第20条第1項の規定に基づき,主文のとおり命令する。
平成18年5月16日

平成18年05月16日

委員長 竹島一彦
委員 柴田愛子
委員 三谷紘
委員 山田昭雄
委員 濱崎恭生

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