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㈱東日本宇佐美に対する件

独禁法第19条(一般指定6項)

平成19年(措)第17号

排除措置命令

 

東京都江東区辰巳一丁目7番17号
株式会社東日本宇佐美
代表取締役 宇佐美 三郎

公正取引委員会は,上記の者に対し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第20条第2項の規定に基づき,次のとおり命令する。

主文
1 株式会社東日本宇佐美は,次の事項を,取締役会において決議しなければならない。
(1) 「新4号小山バイパス給油所」及び「4号線小山北給油所」とそれぞれ称する2つの給油所において平成19年6月28日から同年8月3日までの間,「新4号線小山南給油所」と称する給油所において平成19年6月28日から同年8月2日までの間行っていた,普通揮発油を,その仕入価格を下回る価格で販売する行為を取りやめている旨を確認すること
(2) 今後,(1)の行為と同様の行為を行わない旨
2 株式会社東日本宇佐美は,前項に基づいて採った措置を前項の3つの給油所の店頭に30日間掲示するなど,当該措置を栃木県小山市において石油製品の小売業を営む者及び同市の一般消費者に周知するために必要な措置を講じなければならない。これらの周知のために必要な措置の内容については,あらかじめ,当委員会の承認を受けなければならない。
3 株式会社東日本宇佐美は,今後,第1項(1)の行為と同様の行為をしてはならない。
4 株式会社東日本宇佐美は,第1項及び第2項に基づいて採った措置を速やかに当委員会に報告しなければならない。

理由
第1 事実
1(1)ア 株式会社東日本宇佐美(以下「東日本宇佐美」という。)は,肩書地に本店を置き,北海道地区,東北地区及び山梨県を除く関東甲信越地区の区域において石油製品の小売業を営む者(以下「石油製品小売業者」という。)であって,同区域に所在する199の給油所(平成19年8月31日現在)を運営している。
イ 東日本宇佐美は,栃木県小山市(以下「小山市」という。)において,「新4号小山バイパス給油所」,「新4号線小山南給油所」及び「4号線小山北給油所」とそれぞれ称する3つの給油所(以下「3給油所」という。)を運営し,一般消費者に対して普通揮発油を販売しており,3給油所はいずれも主要幹線道路に面している。
ウ 平成19年4月から同年6月までの間における東日本宇佐美の販売シェア(小山市における普通揮発油の総販売数量に対する各石油製品小売業者の普通揮発油の販売数量の割合をいう。以下同じ。)は約12パーセントであって,東日本宇佐美は,小山市における普通揮発油の販売数量において第3位の地位にある石油製品小売業者であった。
エ 東日本宇佐美は,3給油所におけるサービス内容を考慮して,3給油所のいずれかにおける普通揮発油の販売価格(現金で購入する一般消費者のうち事前に会員として登録していない者に対する1リットル当たりの販売価格をいう。以下同じ。)が小山市における普通揮発油の販売価格のうち最も低い価格よりも1円程度高い価格となるよう3給油所における販売価格を設定し,集客のため,それぞれの給油所における普通揮発油の販売価格をそれぞれの給油所の店頭に掲示して一般消費者に周知している。
(2)ア 株式会社シンエネコーポレーション(以下「シンエネコーポレーション」という。)は,小山市駅南町六丁目26番25号に本店を置く,栃木県及び茨城県の区域における石油製品小売業者であって,同区域に所在する14の給油所(平成19年8月31日現在)を運営している。
イ シンエネコーポレーションは,小山市において,「エクスプレス小山給油所」,「プラザ小山給油所」及び「エクスプレス小山南給油所」とそれぞれ称する3つの給油所を運営し,一般消費者に対して普通揮発油を販売しており,これらの給油所はいずれも主要幹線道路に面している。
ウ 平成19年4月から同年6月までの間におけるシンエネコーポレーションの販売シェアは約29パーセントであって,シンエネコーポレーションは,小山市における普通揮発油の販売数量において第1位の地位にある石油製品小売業者であった。
エ シンエネコーポレーションは,前記イ記載の3つの給油所のいずれかにおける普通揮発油の販売価格が小山市に所在する給油所の販売価格の中で最も低い価格となるようこれらの給油所における販売価格を設定し,集客のため,それぞれの給油所における普通揮発油の販売価格をそれぞれの給油所の店頭に掲示して一般消費者に周知している。
(3) 東日本宇佐美及びシンエネコーポレーション以外の小山市における石油製品小売業者(以下「競争業者」という。)の過半は,小規模小売業者(1給油所のみを運営して普通揮発油を販売している競争業者をいう。以下同じ。)である。
(4) 小山市に所在する給油所においては,普通揮発油の販売数量が石油製品の販売数量に占める割合は高い。また,小山市における普通揮発油の販売数量は,一般に,年間を通じて夏季に多い傾向にある。
2 東日本宇佐美及びシンエネコーポレーションは,普通揮発油について,東日本宇佐美が,平成19年6月18日,4号線小山北給油所における販売価格を,その前日のシンエネコーポレーションの3給油所における販売価格と同額に引き下げたことを契機として,それ以降,互いに販売価格の引下げを繰り返していたところ,東日本宇佐美は,新4号小山バイパス給油所及び4号線小山北給油所においていずれも同年6月28日から同年8月3日までの37日間,新4号線小山南給油所において同年6月28日から同年8月2日までの36日間,それぞれその仕入価格を最大で10円以上下回る価格で販売した。
3(1) 前記2の行為により,平成19年7月における東日本宇佐美の販売シェアは,同年4月から同年6月までの間における販売シェアに比して増加し,東日本宇佐美は,小山市における普通揮発油の販売数量において第2位の地位を占めるに至った。
(2) 競争業者は,小規模小売業者以外を中心に普通揮発油の販売価格の引下げを行ったものの,効率的な事業者であっても,通常の企業努力によっては東日本宇佐美の前記2の行為に対抗することができず,平成19年7月におけるほとんどの競争業者の販売シェアは,同年4月から同年6月までの間における販売シェアに比して減少した。
第2 法令の適用
前記事実によれば,東日本宇佐美は,正当な理由がないのに普通揮発油をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し,競争業者の事業活動を困難にさせるおそれがある行為をしていたものであって,これは,不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)の第6項に該当し,独占禁止法第19条の規定に違反するものである。また,東日本宇佐美が前記第1の1(1)エ記載の方法により普通揮発油の販売価格を設定していること等の事情を総合的に勘案すれば,特に排除措置を命ずる必要があると認められる。
よって,東日本宇佐美に対し,独占禁止法第20条第2項の規定に基づき,主文のとおり命令する。

平成19年11月27日

委員長 竹島一彦
委員 山田昭雄
委員 濱崎恭生
委員 後藤晃
委員 神垣清水

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