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ユニバーサルミュージック合同会社に対する保証金没取申立事件

独禁法63条

平成23年(行タ)第52号

決定

東京都千代田区霞が関1丁目1番1号
申立人 公正取引委員会
同代表者委員長 竹島一彦
同指定代理人 田中久美子
同 島崎伸夫
同 秋沢陽子
同 藤原昌子
同 小髙真侑
同 松原大樹
東京都港区赤坂8丁目5番30号
相手方 ユニバーサルミュージック合同会社
同代表者代表社員 シーエムエイチエル・ビーヴィ
同職務執行者 小池一彦

主文
申立人が,平成20年7月24日にした審決(平成17年(判)第11号)につき,ユニバーサルミュージック株式会社がその執行を免れるために供託した保証金200万円の全部を没取する。
理由
1 本件申立ての趣旨及び理由
別紙「保証金没取の申立書」写しに記載のとおりである。
これに対し,相手方は,別紙「平成23年(行タ)第52号保証金没取申立て事件について(意見陳述)」写しに記載のとおり,保証金全額ではなく,一部の没取が相当である旨意見している。
2 一件記録によれば,以下の事実を認めることができる。
(1) 申立人は,平成20年7月24日,平成17年(判)第11号事件について,ユニバーサルミュージック株式会社(平成21年1月1日,相手方に吸収合併された。以下「相手方被合併会社」という。)ほか3社に対し,同社らの行為は,公正取引委員会告示第15号第1項第1号の不公正な取引方法に該当し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第35号)附則第2条の規定により,なお,従前の例によることとされる同法による改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)19条に違反するものであると認定し,同法54条1項に基づき排除措置を命ずる審決(以下「本件審決」という。)をした。
(2) 相手方被合併会社は,本件審決を不服として,平成20年8月22日,東京高等裁判所に対し,審決取消しの訴え(同裁判所平成20年(行ケ)第36号)を提起するとともに,同年10月2日,本件審決の執行を免れるために,審決執行免除の申立て(平成20年(行夕)第61号)を行ったところ,同裁判所は,同年11月4日置独占禁止法62条に基づき,相手方被合併会社が,本件審決の執行免除の保証金として供託する金額を200万円と決定したため,相手方被合併会社は,同月21日,東京法務局において,200万円を供託(平成20年度金第42727号)した。
(3) その後,東京高等裁判所は,平成22年1月29日,審決取消請求を棄却する判決を言い渡し,相手方被合併会社を訴訟承継した相手方が,同年2月10日,上告及び上告受理の各申立て(平成22年(行ツ)第179号,同年(行ヒ)第190号)を行ったが,最高裁判所第二小法廷は,平成23年2月18日,同上告を棄却するとともに,同上告受理の申立てを上告審として受理しない旨の決定をし,本件審判は確定した。
3 以上の経緯,本件訴訟における相手方の主張内容,本件審判後その確定までに経過した期間及び木件保証金の額など諸般の事情,並びに違反行為の速やかな排除という公益上の要請と,審判の執行による回復困難な損害の回避という執行を受ける者の利益保護の要請との調和を図り,安易な執行免除の申立てを抑制しようという保証金没取制度の趣旨に鑑みると,本件においては,保証金の全部を没取するのが相当である。
相手方は,縷々主張し,保証金全額ではなく,一部の没取が相当である旨意見しているが,相手方の主張は,全て本件訴訟で行っていた主張と同一であり,本件審判の取消事由とはならなかった主張であるから,上記の趣旨に鑑みると,保証金の一部を没取しない理由になるということはできない。したがって,相手方の意見は理由がない。
4 よって,中立人の申立てを相当と認め,本件保証金200万円の全額を没取することとし,主文のとおり決定する。

平成23年7月21日

東京高等裁判所第3特別部
裁判長裁判官 芝田俊文
裁判官 都築民枝
裁判官 杉原則彦
裁判官 浅見宣義
裁判官 櫻井佐英

別紙≪略≫

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