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日本トイザらス㈱に対する件

独禁法19条(2条9項5号)

平成23年(措)第13号

排除措置命令

平成23年(措)第13号
排 除 措 置 命 令 書

川崎市幸区大宮町1310番地
日本トイザらス株式会社
同代表者 代表取締役 モニカ・メルツ
  
公正取引委員会は,上記の者に対し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第20条第2項の規定に基づき,次のとおり命令する。

主    文
1 日本トイザらス株式会社(以下「日本トイザらス」という。)は,次の事項を,取締役会において決議しなければならない。
(1) 遅くとも平成21年1月6日以降,納入業者(日本トイザらスが自ら販売する商品を,日本トイザらスに直接販売して納入する事業者をいう。以下同じ。)のうち別表記載の者(以下「特定納入業者」という。)に対して行っていた次の行為を取りやめている旨を確認すること
ア 売行きが悪く在庫となった商品,販売期間中に売れ残ったことにより在庫となった季節品等(以下「売上不振商品等」という。)を納入した特定納入業者に対し,当該売上不振商品等について当該特定納入業者の責めに帰すべき事由がなく,当該売上不振商品等の購入に当たって当該特定納入業者との合意により返品の条件を定めておらず,当該売上不振商品等の返品に
よって当該特定納入業者に通常生ずべき損失を自社が負担せず,かつ,当該特定納入業者から当該売上不振商品等の返品を受けたい旨の申出がなく,あるいは当該申出があったとしても当該特定納入業者が当該売上不振商品等を処分することが当該特定納入業者の直接の利益とならないにもかかわらず,当該売上不振商品等を返品していた行為
イ 自社が割引販売を行うこととした売上不振商品等を納入した特定納入業者に対し,当該売上不振商品等について当該特定納入業者の責めに帰すべき事由がないにもかかわらず,当該割引販売における自社の割引予定額に相当する額の一部又は全部を,当該特定納入業者に支払うべき代金の額から減じていた行為
(2) 今後,前記(1)の行為と同様の行為を行わない旨
2 日本トイザらスは,前項に基づいて採った措置を,納入業者に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。これらの通知及び周知徹底の方法については,あらかじめ,公正取引委員会の承認を受けなければならない。
3 日本トイザらスは,今後,第1項(1)の行為と同様の行為を行ってはならない。
4 日本トイザらスは,今後,次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。この措置の内容については,第1項(1)の行為と同様の行為をすることのないようにするために十分なものでなければならず,かつ,あらかじめ,公正取引委員会の承認を受けなければならない。
(1) 納入業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成
(2) 納入業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての,役員及び従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査
5 (1) 日本トイザらスは,第1項,第2項及び前項に基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告しなければならない。
(2) 日本トイザらスは,前項(2)に基づいて講じた措置の実施内容を,今後3年間,毎年,公正取引委員会に報告しなければならない。

理    由
第1 事実
1 (1) 日本トイザらスは,肩書地に本店を置き,「トイザらス」又は「ベビーザらス」の名称で,玩具,育児用品,子供衣料,文具,学用品,家庭用ゲーム機,ゲームソフトウェア,書籍,スポーツ用品等の子供・ベビー用品全般を専門的に取り扱う小売業を営む者である。日本トイザらスは,平成23年1月
31日時点で,島根県及び徳島県を除く全国の区域に合計167店舗を展開するほか,インターネットを利用した通信販売を行っていた。
(2) 納入業者は日本トイザらスが販売する商品の製造業者又は卸売業者であるところ,日本トイザらスは,自社が販売する商品のほとんど全てを納入業者から買取りの方法により仕入れており,納入業者との間で商談を行い,事前に当該商品の仕入価格等の取引条件を決定していた。
(3) ア 日本トイザらスの平成23年1月期の年間売上高は約1624億円であるところ,日本トイザらスは,我が国に本店を置く,子供・ベビー用品全般を専門的に取り扱う小売業者の中で最大手の事業者であり,納入業者の中には,日本トイザらスとの取引額の維持又は増加を期待する者が存在する。
イ  納入業者の中には,当該納入業者の売上高に占める日本トイザらスに対する売上高の割合が高いなど,日本トイザらスを主な取引先とする者が存在する。
ウ  納入業者の中には,他の事業者との取引を開始すること又は拡大することにより日本トイザらスに対する売上高と同程度の売上高を確保することが困難な者が存在する。
エ  前記アからウまでの事情等により,特定納入業者は,日本トイザらスとの取引の継続が困難になれば事業経営上大きな支障を来すことになり,このため,日本トイザらスとの取引を継続する上で,納入する商品の納入価格等の取引条件とは別に,日本トイザらスからの種々の要請を受け入れざるを得ない立場にあり,その取引上の地位は日本トイザらスに対して劣っていた。
2 日本トイザらスは,遅くとも平成21年1月6日以降,特定納入業者に対して,次の行為を行っていた。
(1) 売上不振商品等を納入した特定納入業者63社に対し,当該売上不振商品等について当該特定納入業者の責めに帰すべき事由がなく,当該売上不振商品等の購入に当たって当該特定納入業者との合意により返品の条件を定めておらず,かつ,当該特定納入業者から当該売上不振商品等の返品を受けたい旨の申出がなく,あるいは当該申出があったとしても当該特定納入業者が当該売上不振商品等を処分することが当該特定納入業者の直接の利益とならないにもかかわらず,当該売上不振商品等を返品していた。
この返品を受けた特定納入業者63社は,日本トイザらスとの取引を継続して行う立場上,その返品を受け入れることを余儀なくされていた。また,日本トイザらスは,この返品によって当該特定納入業者に通常生ずべき損失を負担していなかった。
この行為により,日本トイザらスは,平成21年1月6日から平成23年1月31日までの間に,特定納入業者63社に対し,総額約2億3320万円に相当する売上不振商品等の返品を行っていた。
(2) 自社が割引販売を行うこととした売上不振商品等を納入した特定納入業者80社に対し,当該売上不振商品等について当該特定納入業者の責めに帰すべき事由がないにもかかわらず,当該割引販売における自社の割引予定額に相当する額の一部又は全部を,当該特定納入業者に支払うべき代金の額から減じていた。
この減額を受けた特定納入業者80社は,日本トイザらスとの取引を継続して行う立場上,その減額を受け入れることを余儀なくされていた。
この行為により,日本トイザらスは,平成21年1月6日から平成23年1月31日までの間に,自社の売上不振商品等の割引販売に際し,特定納入業者80社に対し,総額約4億746万円を当該特定納入業者に支払うべき代金の額から減じていた。
3 本件について公正取引委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ,日本トイザらスは,平成23年2月1日以降,前記2の行為を取りやめている。
第2 法令の適用
前記事実によれば,日本トイザらスは,自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して,正常な商慣習に照らして不当に,取引の相手方から取引に係る商品を受領した後当該商品を当該取引の相手方に引き取らせ,又は取引の相手方に対して取引の対価の額を減じていたものであって,この行為は,独占禁止法第2条第9項第5号(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(平成21年法律第51号)の施行日である平成
22年1月1日前においては平成21年公正取引委員会告示第18号による改正前の不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)の第14項)に該当し,独占禁止法第19条の規定に違反するものである。このため,日本トイザらスは,独占禁止法第20条第2項において準用する独占禁止法第7条第2項第1号に該当する者である。また,違反行為が長期間にわたり組織的に行われていたこと,違反行為の取りやめが公正取引委員会の審査開始を契機としたものであること等の諸事情を総合的に勘案すれば,特に排除措置を命ずる必要があると認められる。
よって,日本トイザらスに対し,独占禁止法第20条第2項の規定に基づき,主文のとおり命令する。
平成23年12月13日

公 正 取 引 委 員 会

委員長  竹  島  一  彦

委 員  後  藤     晃

委 員  神  垣  清  水

委 員  濵  田  道  代

委 員  細  川     清

【別表については添付省略】

平成23年12月13日

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