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日本道路興運(株)による審決取消請求事件

独禁法3条後段,独禁法7条の2 

平成23年(行ケ)第2号

判決

東京都新宿区西新宿六丁目6番3号
原告 日本道路興運株式会社
代表者代表取締役 山口哲也
訴訟代理人弁護士 矢田次男
同 吉田桂公
訴訟復代理人弁護士 番匠史人
東京都千代田区霞が関一丁目1番1号
被告 公正取引委員会
代表者委員長 竹島一彦
指定代理人 田中久美子
同 島崎伸夫
同 秋沢陽子
同 藤原昌子
同 小髙真侑
同 田辺治

主文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
被告が原告に対し公正取引委員会平成21年(判)第27号及び第29号並びに第28号及び第30号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律に基づく排除措置命令審判事件及び課徴金納付命令審判事件について平成22年12月14日付けでした各審決をいずれも取り消す。
第2 事案の概要
1 本件は,被告が,①国土交通省が関東地方整備局の事務所等において発注する車両管理業務について,原告が他社と共同して,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)3条に違反する不当な取引制限をしたとして,原告ほか5社に対し,同法7条2項に基づき,違反行為が排除されたことを確保するために必要な措置を命じる(平成21年(措)第10号。以下「関東排除措置命令」という。)とともに,原告に対し,同条の2第1項に基づき,課徴金の納付を命じ(平成21年(納)第24号。以下「関東課徴金納付命令」という。),②国土交通省が四国地方整備局の事務所等において発注する車両管理業務について,原告及び日本総合サービス株式会社(以下「日本総合サービス」という。)が共同して,同法3条に違反する不当な取引制限をしたとして,原告及び日本総合サービスに対し,同法7条2項に基づき,違反行為が排除されたことを確保するために必要な措置を命じる(平成21年(措)第15号,以下「四国排除措置命令」という。)とともに,原告に対し,同条の2第1項に基づき,課徴金の納付を命じた(平成21年(納)第44号。以下「四国課徴金納付命令」という。)ところ,原告は,上記各排除措置命令及び各課徴金納付命令を不服として,被告に対して審判を請求した(関東排除措置命令につき平成21年(判)第27号,四国排除措置命令につき同第28号,関東課徴金納付命令につき同第29号,四国課徴金納付命令につき同第30号)が,被告は,審判手続を経た上,原告の審判請求には理由がないとして,これをいずれも棄却するとの各審決をした(以下,平成21年(判)第27号及び第29号の審決を「本件関東審決」と,同年(判)第28号及び第30号の審決を「本件四国審決」といい,以上の各審決を総称して「本件各審決」という。)ので,原告が,これを不服として,本件各審決の取消しを求めた事案である。
2 前提事実(当事者間に争いのない事実,当事者が争うことを明らかにしないから自白したものとみなされる事実,被告が本件各審決において認定し,容易に実質的な証拠があると判断される事実及び弁論の全趣旨により認められる事実)
(1) 当事者等
ア 原告は,委託者からの委託による車両管理業務等を目的とする株式会社である。
イ ムサシ興発株式会社(以下「ムサシ興発」という。),大新東株式会社(以下「大新東」という。),日本総合サービス,株式会社安全エンタープライズ(以下「安全エンタープライズ」という。)及び株式会社ニシノ建設管理(以下「ニシノ建設管理」といい,以上の5社を総称して「5社」という。)は,いずれも,車両管理業務を営む会社である。
株式会社関東ロードメンテナンス(以下「関東ロードメンテナンス」といい,5社と併せて「6社」という。)は,栃木県小山市内に本店を置き車両管理業務を営んでいた会社であり,平成20年4月30日付けで解散の決議を行い,同年7月29日付けで清算を結了した。
(2) 基本合意,違反行為の存在,原告の受注等
ア 国土交通省は,関東地方整備局の事務所等(総務部契約課,営繕部及び別表1記載の各事務所をいう。以下同じ。)において,毎年度,車両管理業務(契約で定めた一定期間,顧客が保有する車両の運転,点検整備等を行う業務(他の業務が併せて発注される場合には当該他の業務を含む。)をいう。以下同じ。)のほとんどすべてにつき,一般競争入札又は指名競争入札の方法により,おおむね契約期間を1年として発注していた。
また,国土交通省は,四国地方整備局の事務所等(総務部契約課及び別表2記載の各事務所をいう。以下同じ。)において,毎年度,一般競争入札又は指名競争入札の方法により,おおむね契約期間を1年として車両管理業務を発注していた。
このうち,一般競争入札においては,有資格者(物品の製造・販売等に係る競争契約の参加のための全省庁統一資格を有する者をいう。以下同じ。)を対象として,公告により,所定の資格要件を付して入札の参加希望者を公募し,その要件を満たす参加希望者はすべて当該入札の参加者とされていた。
また,指名競争入札においては,有資格者の中から当該入札の参加者が指名されていた。
イ 原告及び6社は,従前から,国土交通省が関東地方整備局の事務所等において発注する車両管理業務を受注し,その委託を受けていた。
また,原告及び日本総合サービスは,従前から,国土交通省が四国地方整備局の事務所等において発注する車両管理業務を受注し,その委託を受けていた。
ウ 原告及び6社は,遅くとも平成17年1月1日以降(関東ロードメンテナンスは,平成20年4月30日までの間),国土交通省が関東地方整備局の事務所等において一般競争入札又は指名競争入札の方法により発注する車両管理業務(以下「関東地方整備局発注の特定車両管理業務」という。)について,受注価格の低落防止等を図るため,
(ア)a 入札に付される車両管理業務ごとに受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定する
b 受注すべき価格は,受注予定者が定め,それ以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する
旨の合意(以下「本件関東基本合意」という。)の下に,
(イ)a 原則として,入札が行われる時点で,関東地方整備局の事務所等における当該車両管理業務の受託者(以下「既存業者」という。)を受注予定者とすること
b 既存業者と特定の他の入札参加者との間で,当該他の入札参加者が受注予定者となることを合意した場合には,その者を受注予定者とすること
c 関東地方整備局の事務所等において車両管理業務が新規に発注される場合には,入札参加者間の話し合いにより定めた者を受注予定者とすること
などにより,受注予定者を決定して,その者が受注できるようにしていた。(以上の行為を,以下「本件関東違反行為」という。本件関東違反行為の対象に,下記の各事務所の各年度の車両管理業務(以下「本件関東業務」という。)が含まれるか否かについては,後記のとおり,当事者間に争いがあり,本件の争点である。
               記
利根川上流河川事務所 平成17年度ないし平成20年度分 4件
利根川下流河川事務所 平成19年度及び平成20年度分  2件
京浜河川事務所    平成18年度ないし平成20年度分 3件
富士川砂防事務所   平成18年度ないし平成20年度分 3件)
エ 原告及び日本総合サービスは,遅くとも平成17年1月1日以降,国土交通省が四国地方整備局の事務所等において一般競争入札又は指名競争入札の方法により発注する車両管理業務(以下「四国地方整備局発注の特定車両管理業務」という。)について,受注価格の低落防止等を図るため,
(ア) 入札に付される車両管理業務ごとに受注予定者を決定する
(イ) 受注すべき価格は,受注予定者が定め,それ以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する
旨の合意(以下「本件四国基本合意」という。)の下に,既存業者を受注予定者とすることにより,受注予定者を決定して,その者が受注できるようにしていた。
(この行為を,以下「本件四国違反行為」という。本件四国違反行為の対象に,四国地方整備局総務部契約課の平成20年度の車両管理業務(以下「本件四国業務」という。)が含まれるか否かについては,後記のとおり,当事者間に争いがあり,本件の争点である。)
オ 原告及び6社は,本件関東違反行為により,関東地方整備局発注の特定車両管理業務のほとんどすべてを受注していた。
(ただし,本件関東業務の受注が本件関東違反行為によるものであるか否かについては,当事者間に争いがあり,本件の争点である。)
原告及び日本総合サービスが自社の従業員として継続して受け入れていた旧建設省関東地方建設局又は国土交通省関東地方整備局若しくは同省国土技術政策総合研究所の退職者等は,本件関東違反行為を実施するための入札価格等に関する情報の交換を行っており,原告及び日本総合サービスにおいて,関東地方整備局発注の特定車両管理業務の過半を受注していた。平成17年7月15日から平成20年7月14日までの間における関東地方整備局発注の特定車両管理業務に係る原告の売上額は,別表3発注部署欄及び契約期間欄記載の業務につき,売上額欄記載のとおりであり,平成18年1月4日(平成17年法律第35号の施行日)までの分の合計が6億4961万7440円,同日以後の分の合計が35億2344万6524円である。
力 原告及び日本総合サービスは,本件四国違反行為により,四国地方整備局発注の特定車両管理業務のすべてを受注していた。
(ただし,本件四国業務の受注が本件四国違反行為によるものであるか否かについては,当事者間に争いがあり,本件の争点である。)
平成17年7月15日から平成20年7月14日までの間における四国地方整備局発注の特定車両管理業務に係る原告の売上額は,別表4発注部署欄及び契約期間欄記載の業務につき,売上額欄記載のとおりであり,平成18年1月4日までの分の合計が3億1937万4073円,同日以後の分の合計が16億3629万7908円である。
キ 以上のとおり,原告は,6社と共同して,本件関東違反行為により,公共の利益に反して,関東地方整備局発注の特定車両管理業務の取引分野における競争を実質的に制限していた。
また,原告は,日本総合サービスと共同して,本件四国違反行為により,公共の利益に反して,四国地方整備局発注の特定車両管理業務の取引分野における競争を実質的に制限していた。
(3) 原処分等
ア 被告は,平成20年7月15日,本件関東違反行為及び本件四国違反行為につき,独占禁止法47条1項4号に基づく立入検査を行った。
原告及び5社は,同日以降,本件関東基本合意に基づき受注予定者を決定し,その者が受注できるようにする行為を取りやめている。
また,原告及び日本総合サービスは,同日以降,本件四国基本合意に基づき受注予定者を決定し,その者が受注できるようにする行為を取りやめている。
イ 被告は,本件関東違反行為につき,平成21年6月23日付けで,原告及び5社に対し,関東排除措置命令をした。
関東排除措置命令の主文のうち,原告の審判請求に関する部分は,「原告は,関東地方整備局発注の特定車両管理業務について,原告及び6社が,遅くとも平成17年1月1日以降(関東ロードメンテナンスは,平成20年4月30日までの間)共同して行っていた,受注予定者を決定し,その者が受注できるようにする行為を取りやめている旨を確認することを,取締役会において決議しなければならない。」との趣旨のものである(主文第1項(1))。
ウ また,被告は,本件関東違反行為につき,平成21年6月23日付けで,原告に対し,課徴金2億7392万円の納付を命ずるとの関東課徴金納付命令をした。
被告は,関東課徴金納付命令に係る課徴金の算定において,本件関東業務を課徴金算定の対象となる役務に含めた。
エ また,被告は,本件四国違反行為につき,平成21年6月23日付けで,原告及び日本総合サービスに対し,四国排除措置命令をした。
四国排除措置命令の主文のうち,原告の審判請求に関する部分は,「原告は,四国地方整備局発注の特定車両管理業務について,原告及び日本総合サービスが,遅くとも平成17年1月1日以降共同して行っていた,受注予定者を決定し,その者が受注できるようにする行為を取りやめている旨を確認することを,取締役会において決議しなければならない。」との趣旨のものである(主文第1項(1))。
オ また,被告は,本件四国違反行為につき,平成21年6月23日付けで,原告に対し,課徴金1億2795万円の納付を命ずるとの四国課徴金納付命令をした。
被告は,四国課徴金納付命令に係る課徴金の算定において,本件四国業務を課徴金算定の対象となる役務に含めた。
(4) 原告の審判請求,本件各審決等
ア 原告は,平成21年8月21日,被告に対し,関東排除措置命令,関東課徴金納付命令,四国排除措置命令及び四国課徴金納付命令に不服があるとして,審判を請求した。
(ア) 関東排除措置命令に対する審判請求の趣旨は,「関東排除措置命令の主文第1項(1)について,受注調整を行わなかった本件関東業務を除いて受注調整を行っていたと変更することを求める。」というものである。
(イ) 関東課徴金納付命令に対する審判請求の趣旨は,「関東課徴金納付命令のうち,2億1082万円を超えて納付を命じた部分の取消しを求める。」というものである。
(ウ) 四国排除措置命令に対する審判請求の趣旨は,「四国排除措置命令の主文第1項(1)について,受注調整を行わなかった本件四国業務を除いて受注調整を行っていたと変更することを求める。」というものである。
(エ) 四国課徴金納付命令に対する審判請求の趣旨は,「四国課徴金納付命令のうち,1億2735万円を超えて納付を命じた部分の取消しを求める。」というものである。
イ 被告は,審判手続を経た上,平成22年12月14日付けで,審判請求に理由がないとして,独占禁止法66条2項及び公正取引委員会の審判に関する規則78条1項により,原告の各審判請求をいずれも棄却するとの本件各審決をした。
ウ 被告は,本件関東審決の理由中において,概要,以下の認定判断をした。
(ア) 証拠により,次の事実が認められる。
a 関東地方整備局の事務所等が発注する車両管理業務は,各事務所等が毎年度継続して発注するものであり,この車両管理業務については,平成17年度分から一部の物件で一般競争入札の方法が導入され,平成18年度以降,一般競争入札の方法により発注される物件が増加した。
b 指名競争入札の方法により発注された物件については,既存業者であることにより受注予定者とされた違反行為者は,かねてから,発注者から指名を受けた他の違反行為者に対して入札価格を連絡していたところ,一部の物件について一般競争入札の方法が導入された後も,指名競争入札の方法により発注された物件については,同様に入札価格を連絡していた。
c 本件関東業務については,一般競争入札の方法が導入されるまでは,指名競争入札の方法により発注されていたが,その間一貫して原告が落札して受注しており,原告は,既存業者であった。ただし,利根川下流河川事務所が平成19年度に発注した物件については,当初は指名競争入札の方法により発注され,本件関東違反行為の当事者である大新東が落札したものの,契約を辞退したため,平成19年4月分の業務のみ原告が特命随意契約の方法により契約し,その後,同年5月から翌年3月までの期間の業務を対象として一般競争入札が行われ,原告が落札し,契約を締結した。
また,本件関東業務について,原告は,他の違反行為者に対する入札価格の連絡をしていないが,平成19年度に京浜河川事務所が発注した物件については,本件関東違反行為の当事者ではない株式会社セノン(以下「セノン」という。)が入札に参加した以外は,原告だけが入札に参加し,他の違反行為者がこれに参加することはなかった。
d 一般競争入札の方法により発注された物件のうち本件関東業務を除く物件については,指名競争入札当時の受注者以外に,大新東又はセノンが入札に参加した例が若干あるほか,大部分の物件について,指名競争入札当時の受注者だけが入札に参加し,その当時の相指名業者であった他の違反行為者がこれに参加することはなかった。
e 原告及び日本総合サービスを含む違反行為者の役員ないし従業員の中には,関東地方整備局発注の特定車両管理業務のうち,一般競争入札の方法により発注されるようになった物件についても,既存業者が受注予定者となるという本件関東基本合意の受注予定者決定に係る原則が適用されるとの認識を有しており,違反行為者の間では,自社が継続して受注している物件について,他社は入札に参加せず自社の受注に協力し,他社が継続して受注している物件については,自社が入札に参加せず他社の受注に協力していると認識していた者が存在する。
(イ) 原告は,本件関東業務について本件関東違反行為から離脱したと主張するが,関東排除措置命令は,本件関東違反行為そのものを違反行為として認定するものであって,当該違反行為に係る個別の入札物件ごとに違反行為を認定するものでないことは明らかである。したがって,特定の個別物件について本件関東違反行為から離脱したとする原告の主張は,関東排除措置命令が認定する本件関東違反行為を正しく理解しないものであり,それ自体失当である。
また,認定事実によると,原告は,関東地方整備局発注の特定車両管理業務のうち,指名競争入札の方法によって発注され,原告が受注した物件については,相指名業者に入札価格を連絡していたところ,一般競争入札の方法によって発注された本件関東業務については,確かに入札価格の連絡を行わなくなったと認められるものの,原告を含む本件関東違反行為の当事者は,一般競争入札の方法によって発注されるようになった物件についてもすべて本件関東違反行為の対象として,本件関東基本合意に基づき原則として既存業者を受注予定者とし,既存業者以外の違反行為者は入札に参加しないことにより,受注予定者が受注できるようにしていたと認められる。
(ウ) 本件のような入札談合事件においては,基本合意の下に受注予定者を決定し,その者が受注できるようにしていたことが違反行為に当たり,本件においても,違反行為を同様に捉えている。このような場合には,被告は,基本合意の下に受注予定者を決定し,その者が受注できるようにしていたことを主張立証すれば足り,そのために個別の物件の受注調整についても主張立証することがあるものの,すべての物件について個別具体的に受注調整があったことを主張立証するまでの必要はない。
そして,被告が本件関東業務についても排除措置を命ずるためには,本件関東業務を含む一般競争入札の方法によって発注されるようになった車両管理業務についても本件関東違反行為の対象であったことが認められればよく,そのことは優に認定できる。
(エ) 独占禁止法7条の2第1項にいう「当該商品又は役務」は,本件のような入札談合事件の場合にあっては,基本合意の対象となった商品又は役務全体のうち,個別の入札において基本合意の成立により発生した競争制限効果が及んでいると認められるものをいい,不当な取引制限の対象とされた商品又は役務の範ちゅうに属するものであれば,基本合意の成立によって発生した競争制限効果が個別の入札に及ばなかったと認めるべき特段の事情がない限り,この入札の対象物件には,自由な競争を行わないという基本合意の成立によって発生した競争制限効果が及んでいるものと推認することができるから,この個別の入札に係る物件は,「当該商品又は役務」に当たるものと認められる。
そして,本件関東業務は,本件関東違反行為の対象役務の範ちゅうに属するものであると認められ,「当該商品又は役務」に当たり,その売上額は課徴金の計算の基礎となる売上額に含まれる。
エ また,被告は,本件四国審決の理由中において,概要,以下の認定判断をした。
(ア) 証拠により,次の事実が認められる。
a 四国地方整備局の事務所等が発注する車両管理業務は,各事務所等が毎年度継続して発注するものであり,この車両管理業務のうち本件四国業務に一般競争入札の方法が導入された。
b 指名競争入札の方法により発注された物件について,既存業者であることにより受注予定者とされた違反行為者は,かねてから,発注者から指名を受けた他の違反行為者に対して入札価格を連絡していたところ,このような入札価格の連絡は,本件四国業務が一般競争入札の方法により発注された平成20年度においても同様に行われていた。
c 本件四国業務については,平成20年度に一般競争入札の方法が導入されるまでは,指名競争入札の方法により発注されていたが,その間一貫して原告が落札し受注しており,原告は,既存業者であった。
また,本件四国業務について,原告は,他の違反行為者である日本総合サービスに対して入札価格を連絡していないが,同社は入札に参加せず,原告だけが入札に参加した。
d 原告及び日本総合サービスの従業員は,本件四国業務についても,既存業者が受注予定者となるという本件四国基本合意の実施方法が適用されるとの認識を有し,両社の間では,自社が継続して受注している物件について他社は入札に参加せず自社の受注に協力しており,他社が継続して受注している物件については自社が入札に参加せず他社の受注に協力していたと認識していた。
(イ) 原告は,本件四国業務について本件四国違反行為から離脱したと主張するが,四国排除措置命令は,本件四国違反行為を違反行為として認定するものであって,当該違反行為に係る個別の入札物件ごとに違反行為を認定するものでないことは明らかである。したがって,特定の個別物件について本件四国違反行為から離脱したという原告の主張は,四国排除措置命令が認定する本件四国違反行為を正しく理解しないものであり,それ自体失当である。
また,認定事実によると,原告は,四国地方整備局発注の特定車両管理業務のうち,指名競争入札の方法によって発注され,原告が受注した物件については,相指名業者に入札価格を連絡していたところ,一般競争入札の方法によって発注された本件四国業務については,確かに入札価格の連絡を行わなくなったと認められるものの,原告及び日本総合サービスは,一般競争入札の方法によって発注されるようになった物件についても本件四国違反行為の対象として,本件四国基本合意に基づき既存業者を受注予定者とし,既存業者以外の他社は入札に参加しないことにより,受注予定者が受注できるようにしていたと認められる。
(ウ) 本件のような入札談合事件においては,基本合意の下に受注予定者を決定し,その者が受注できるようにしていたことが違反行為に当たり,本件においても,違反行為を同様に捉えている。このような場合には,被告は,基本合意の下に受注予定者を決定し,その者が受注できるようにしていたことを主張立証すれば足り,そのために個別の物件の受注調整についても主張立証することがあるものの,すべての物件について個別具体的に受注調整があったことを主張立証するまでの必要はない。
そして,被告が本件四国業務についても排除措置を命ずるためには,本件四国業務が本件四国違反行為の対象であったことが認められればよく,そのことは優に認定できる。
(エ) 独占禁止法7条の2第1項にいう「当該商品又は役務」は,本件のような入札談合事件の場合にあっては,基本合意の対象となった商品又は役務全体のうち,個別の入札において基本合意の成立により発生した競争制限効果が及んでいると認められるものをいい,不当な取引制限の対象とされた商品又は役務の範ちゅうに属するものであれば,基本合意の成立によって発生した競争制限効果が個別の入札に及ばなかったと認めるべき特段の事情がない限り,この入札の対象物件には,自由な競争を行わないという基本合意の成立によって発生した競争制限効果が及んでいるものと推認することができるから,この個別の入札に係る物件は,「当該商品又は役務」に当たるものと認められる。
そして,本件四国業務は,本件四国違反行為の対象役務の範ちゅうに属するものであると認められ,「当該商品又は役務」に当たり,その売上額は課徴金の計算の基礎となる売上額に含まれる。
3 争点
本件の争点は,本件各審決の基礎となった事実を立証する実質的な証拠の有無である。
(1) 本件関東審決に関する争点は,具体的には,原告の主張に対応して,本件関東業務につき,受注調整行為の立証の要否,要するとした場合の実質的な証拠の有無,本件関東違反行為からの原告の離脱の有無,本件関東業務の売上額を課徴金の算定の基礎とすることの可否の諸点である。
(2) 本件四国審決に関する争点も,本件四国業務ないし本件四国違反行為につき,上記(1)と同様である。
4 原告の主張
(1) 本件関東審決について
本件関東審決の判断には,その基礎となる事実を立証する実質的な証拠がない。
ア 本件関東業務は,受注調整の対象ではなかったのであり,この業務が受注調整の対象であったことを立証する実質的な証拠は存在しない。
(ア) 本件関東業務が受注調整の対象であったとするためには,これに含まれる個々の業務について,それぞれ実質的な証拠に基づく事実認定を要する。
そして,排除措置命令及び課徴金納付命令が企業に与える影響の大きさを考慮すると,違反行為を概括的に認定することは許されず,その認定は,慎重かつ厳格に行われる必要があり,個々の物件ごとに個別具体的に認定されなければならない。
このことは,課徴金納付命令が違反行為に係る個々の商品又は役務の売上額を基準とすることからも明らかであり,受注調整という違反行為は,結局,個別の物件につきそれぞれ行われるのであり,個別の物件ごとにペナルティを設定することも可能であり,したがって,違反行為の認定も,当然に個々の物件ごとに行われる必要がある。
これまでの談合事件の審決取消請求事件の判決(例えば,東京高等裁判所平成16年2月20日判決)においても,個々の物件ごとに,違反行為の有無や関連事情が個別具体的かつ詳細に認定されている。
しかし,本件関東審決は,一般競争入札についても受注調整が行われていると認識していた者がいるという推度の事実を認定しているにすぎないのであり,個々の業務について実質的な証拠に基づく事実認定をしていない。
(イ) しかも,本件関東審決がこの点につき挙げる証拠は,原告及び他の違反行為者の役員,従業員の供述(査1ないし6)であるが,これらにはいずれも信用性がない。
a 原告の従業員である齋藤栄一郎(以下「齋藤」という。),仲澤長一(以下「仲澤」という。)及び広瀬俊郎(以下「広瀬」といい,齋藤及び仲澤と併せて「従業員3名」という。)の各供述調書(査1ないし3。以下「本件各供述調書」という。)には,一般競争入札の方法が導入された業務についても前年度分を受注した業者が翌年度分も継続して受注するという協力関係ができていると認識していた旨を従業員3名がそれぞれ供述したかのように記載してある。
しかし,従業員3名は,いずれも,そのような認識を一切有していなかった。そして,従業員3名は,陳述書(審6ないし8)及び被告の審判手続において,一般競争入札の方法が導入された業務については,もはや受注調整をしても意味がないと考えるに至ったこと,他の違反行為者に対する価格の連絡を取りやめたこと,結果的に本件関東業務を落札することができたが,その原因は入札条件の厳しさにあることなど,関連する事情につき具体的かつ迫真性のある供述をしている。
本作各供述調書は,原告が入札しないことにより他社に協力したかのような内容となっているが,一般競争入札の方法は,他社が入札するかどうかも分からず,未知の第三者が入札する可能性もあるから,入札しないことが協力になるとの確信を抱くことはあり得ず,極めて不自然な内容である。
b 従業員3名が本件各供述調書に署名押印をしたのは,以下の理由によるものである。
原告は,本件の談合について課徴金減免申請を行い,事件の全容解明に全面的に協力する方針であったため,原告の総務部長は,従業員3名に対し,被告の事情聴取には全面的に協力するよう指示した。そのため,従業員3名は,供述調書の記載の誤りについて訂正を求めることが被告に迷惑をかけることになるのを危惧して,その訂正を求めなかったのである。
また,従業員3名は,被告に対し,価格を連絡しなかった入札については,誰が入札してくるか分からず,価格を連絡しようという考えにならなかったこと等を詳細・正確に説明しており,被告が正確に供述調書を作成したものと信じて疑わなかった。
さらに,従業員3名は,被告の取調官から,課徴金減免申請をした以上,被告の調査に全面的に協力するように迫られており,供述調書の趣旨を十分に認識しないまま署名押印してしまったのである。
c 他の違反行為者の役員及び従業員の供述調書(査4ないし6)の記載についても,関係者の認識がこのように一致すること自体が極めて不自然であって,信用できない。そして,従業員3名に関する前記事情に照らすと,査4ないし6に係る署名押印も,同様の事情があったものと推認される。
イ 原告は,少なくとも本件関東業務については談合行為から離脱していた。
(ア) 個別に談合行為から離脱することをそもそも観念できないとする本件関東審決の論理は誤りである。
具体的な違反行為は,個々の入札ごとに行われるのであり,その一部につき離脱を観念することができることは明らかである。
そして,違反行為からの離脱が認められるためには,離脱しようとする者が相手方の拘束から自由に行動しようと決意(意思決定)することで足りる。その根拠としては,①課徴金の減免に係る報告及び資料の提出に関する規則(以下「課徴金減免規則」という。)が,報告・資料提出についての秘匿義務を課している趣旨,②被告自身も,課徴金減免制度の適用に当たっては,適用を受けようとする違反行為者が他の違反行為者に離脱の意思を表すことを求めていないことの2点が挙げられる。
すなわち,平成17年法律第35号による改正後の独占禁止法(平成21年法律第51号による改正前のもの)7条の2第7項2号,同条8項3号及び同条9項2号は,所定の日以後において「当該違反行為をしていた者」でないことを課徴金減免の要件としている。この点について他の参加者が離脱者の離脱の事実をうかがい知るに十分な事情まで求める見解に立つことは,課徴金減免申請未了の違反者が感づき,証拠隠滅等の行動に出る可能性が生じるから,課徴金減免規則8条が減免申請をしたことについて秘匿義務を課している趣旨に反する。
また,被告自身も,平成17年10月6日に発表した「公正取引委員会規則の原案に対して寄せられた意見と公正取引委員会の考え方」という資料において,「課徴金減免制度の適用に当たって取締役会等で違反行為を行わない旨の意思決定を行った上で,公正取引委員会に申請を行う場合には,改正法が定める「当該違反行為をしていた者でないこと」との要件を充足するものとすることを考えている」との見解を示しているのであり,他の参加者が離脱者の離脱の事実をうかがい知るに十分な事情を要するとまではしていない。
(イ) 本件関東業務は,発注方法が指名競争入札から一般競争入札に変更され,原告は,他の違反行為者以外の業者による入札があることも想定されることから,もはや受注調整には意味がないと考えて,他の違反行為者との協力を取りやめる意思に基づき,現に他の違反行為者への連絡を取りやめたのであり,これにより,原告は,他の違反行為者との相互拘束から自由に行動するとの意思決定を表明して,本件関東違反行為から離脱した。
(ウ) 仮に,離脱の成立につき,他の参加者が離脱者の離脱の事実をうかがい知るに十分な事情があることを要するとの見解に立ったとしても,①他の違反行為者は,原告から本件関東業務についての入札金額の連絡がないことを認識しつつ,原告に対し,何の疑問も述べなかった上,②他の違反行為者が入札に参加しない形で原告に協力することはあり得ないことから,他の造反行為者が原告の離脱の事実を認識していたことは明らかである。
すなわち,原告は,他の入札では金額を連絡しているのに,本件関東業務については,他の入札とは異なりあえて連絡をしなかったのに対し,他の違反行為者は,原告の対応を認識しつつ,本件関東業務についての受注調整を継続するか否かを照会せず,また,一切疑問も述べなかった。
また,仮に一般競争入札の方法に変更されても協力関係を継続するというのであれば,原告が連絡を取りやめる理由がない。原告からの連絡がなければ,他の違反行為者は,原告が入札するかどうか分からず,入札しないことが原告への協力になると判断することもできない。仮に,何も連絡をせずに入札をしないこと自体が協力になるというならば,適法な通常の競争入札の場合との境界が不明確となり,行為者を不当に萎縮させることになる。
ウ 本件関東業務が受注調整の対象ではなく,又は,少なくとも原告は本件関東業務につき受注調整から離脱したにもかかわらず,原告が本件関東業務を落札できたのは,発注者の指定する入札条件が厳格であり,他の違反行為者や新規業者が入札して受注することを困難とする事情があったからである。すなわち,本件関東業務については,緊急事態への対応が想定されていたことから,迅速な対応のための様々な条件を付されることが予定されており,現に多くの条件が付されていたし,その内容も厳しく,全体として非常に厳格なものとなっていた。
例えば,本件関東業務のうち平成20年度の利根川上流河川事務所に係る入札条件は,別紙1「入札条件一覧」記載のとおりであり,多くの条件が付されていた。
そして,業務実施時間内には常に24台の運行体制を確保するという条件などは,入札までのわずかな準備期間で24名もの人員を確保することが原告以外には到底困難なものであった。しかも,この人員は,事務所が管轄する複数の出張所をもカバーする必要があり(特に,河川事務所については,上流から下流までの非常に広い範囲をカバーする必要があった。),その確保は極めて困難なものである上,落札できなかった場合には,大量の余剰人員を抱えることになるというリスクもあった。また,業務実施時間外であっても,災害時には1時間以内に事務所に2台以上,各出張所ごとに1台以上,かつ,2時間以内に24台の運行ができる体制の確保も条件とされていたが,これは,車両管理員の居住地を極めて限定するものであり,非常に厳しい内容であった。さらに,条件の中には,大型自動車免許,大型特殊免許,牽引免許といった特殊な免許を持つ運転手の確保も含まれていた。
そして,条件がこのように厳格なものであるにもかかわらず,公示日から入札書受領期限まで約1か月間しかなかったことから,原告以外の者が入札条件を満たすのはほぼ不可能な状況であった。
エ 本件関東審決は,本件関東業務の売上額についても課徴金の計算の基礎とすべきである旨判断したが,以上のとおり,本件関東業務が受注調整の対象であったことを立証する実質的な証拠は何ら提出されておらず,本件関東業務の売上額を課徴金の計算の基礎とすることは許されない。
(2) 本件四国審決について
本件四国審決の判断にも,その基礎となる事実を立証する実質的な証拠がない。
ア 本件四国審決に関する原告の主張は,本件関東審決に関する主張と同旨である。すなわち,本件四国業務は,本件四国基本合意の対象には含まれず,また,原告は,少なくとも本件四国違反行為から離脱している。
イ 本件四国業務に係る入札条件は,別紙2「入札条件一覧」記載のとおり多くの条件が付されており,全体として非常に厳格な内容となっていた。
5 被告の主張
本件各審決は,実質的な証拠を欠くものではなく,取消事由はない。
(1) 本件関東審決について
ア(ア) 本件関東審決が認定した事実(前記2前提事実(4)ウ(ア)記載の各事実)は,査1ないし8,従業員3名の審判手続における供述により認められるところ,これによれば,本件関東審決が示すとおり,原告を含む本件関東違反行為の当事者は,一般競争入札の方法によって発注されるようになった業務についても,すべてその対象としており,関東基本合意に基づき,原則として既存業者を受注予定者とし,既存業者以外の違反行為者は入札に参加しないことにより,受注予定者が受注できるようにしていたものと認められる。
すなわち,本件関東違反行為とは,入札に付される車両管理業務ごとに受注予定者を決定し,受注すべき価格は受注予定者が定め,それ以外の者は受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する旨の合意の下に,原則として既存業者を受注予定者とするなどにより,受注予定者を決定し,その者が受注できるようにしていたことである。そして,一部の業務について一般競争入札の方法が導入されて以降も,本件関東違反行為は継続し,本件関東業務は既存業者であった原告が受注するとともに,他の違反行為者は入札に参加せず,一般競争入札の方法により発注された業務のうち本件関東業務以外の大部分についても,違反行為者の中では既存業者だけが入札に参加し,既存業者以外の違反行為者は入札に参加しておらず(査7),一般競争入札においては,入札に参加しないことにより既存業者が受注できるように協力していたと認識していた者が存在する(査1ないし6)のであるから,原告を含む違反行為者は,一般競争入札の方法によって発注されるようになった業務を含むすべての業務を本件関東違反行為の対象としていたものと認められる。
(イ) 本件各供述調書は,従業員3名が,それぞれ審査官から読み聞かされ,かつ,閲読もした上で,誤りがないことを確認して署名押印したものであるし,内容においても相互に矛盾する部分はなく,他の違反行為者の役員及び従業員の供述調書(査4ないし6)の内容とも整合的である。また,従業員3名は,事前に,原告の顧問弁護士から,真実と異なる内容の供述調書であれば署名する必要はないなどと助言を受けた上で,被告による事情聴取に臨んでいる。
これらの事情を考慮すると,本件各供述調書はいずれも信用性が高いものであり,これに反する従業員3名の陳述書及び審判手続における供述は容易に信用することができない。
イ 違反行為の捉え方及び離脱に関する原告の主張は,本件関東審決が示すとおり,失当である。
入札談合の事案においては,基本合意の下に受注予定者を決定し,その者が受注できるようにしていたこと自体が違反行為に当たるのであり,当該違反行為に係る入札物件ごとに個別具体的に違反行為を認定するまでの必要はないというべきである。独占禁止法2条6項所定の「不当な取引制限」があるというためには,事業者が相互に意思の連絡を取り合い,互いの事業活動を拘束することを要するものの,意思の連絡を外部に明らかになるような形で形成することは避けようとするのが通常であるから,外部的にも明らかな形による合意が認められる必要があると解すると,法の規制を容易に潜脱することが可能となり不当な結果を招くことになる。したがって,事業者間で拘束し合うことを明示して合意することまでは要せず,合意した競争制限行為をすることを互いに認識,認容し,これに歩調を合わせて協力するという意思が形成されることで足り,また,この意思は黙示的なものであっても足りると解されるのであり,入札談合において,基本合意があり,これに基づいて,その後に入札に付される個々の物件について受注予定者が決定され,その者が受注できるように基本合意の関係者が協力するとされている場合には,当該基本合意そのものが「不当な取引制限」に当たる行為というべきである。個々の物件が発注されるごとに受注予定者等を決定するという個別の受注調整行為は,基本合意が存在することの間接事実にすぎないのであって,違反行為を認定するに当たり,個々の物件について個別具体的な受注調整があったことを主張立証することまでは不要と考えるのが相当である。そして,このような捉え方は,独占禁止法3条によって不当な取引制限を規制した趣旨にも適うものであり,過去の裁判例によっても是認されているところである。
ウ 本件関東業務は,本件関東違反行為の対象役務の範ちゅうに属するものであるところ,本件関東基本合意の成立によって発生した競争制限効果が個別の入札に及ばなかったと認めるべき特段の事情もないのであるから,本件関東審決のとおり,独占禁止法7条の2第1項所定の「当該商品又は役務」に含まれる。
(2) 本件四国審決について
本件四国審決が認定した事実(前記2前提事実(4)エ(ア)記載の各事実)は,査9ないし11,審9,原告従業員であった上原亮一(以下「上原」という。)の審判手続における供述により認められるものであり,本件四国審決に関する被告の主張は,本件関東審決に関する主張と同旨である。
第3 当裁判所の判断
1 本件関東審決について
(1) 本件各供述調書の信用性
ア 原告は,本件関東審決の認定する事実のうち,「原告及び日本総合サービスを含む違反行為者の役員ないし従業員の中には,関東地方整備局発注の特定車両管理業務のうち,一般競争入札の方法により発注されるようになった物件についても,既存業者が受注予定者となるという本件関東基本合意の受注予定者決定に係る原則が適用されるとの認識を有しており,違反行為者の間では,自社が継続して受注している物件について,他社は入札に参加せず自社の受注に協力し,他社が継続して受注している物件については,自社が入札に参加せず他社の受注に協力していると認識していた者が存在する。」との事実(前記前提事実(4)ウ(ア)e)を争うので,検討する。
イ 本件各供述調書(査1ないし3)には,以下の記載がある。
(ア) 原告の関東地区担当技術部長であった齋藤の平成20年10月31日付け供述調書(査1)には,一般競争入札の方法が導入された物件(本件関東業務)につき,「これらの物件について,これまで協力関係にあった会社に入札に関しての連絡はしておりません。むしろ,連絡することはナンセンスだと感じておりました。なぜなら,発注方法が一般競争入札になっても受注調整に関する基本的な考え方,つまり,前年度分を受注した業者が,翌年度分も継続して受注するという考え方についてはそれまでと変わっていないからです。すなわち,これまで協力関係にあった会社が,発注方法が変わったからといって裏切るとは思えなかったからなのです。事実,一般競争入札が導入された物件について,これまで協力関係にあった会社は,入札に参加しておらず,これまでどおり当社が継続して受注しております。」との記載がある。
(イ) 原告の道路交通情報担当部長であった仲澤の平成20年10月27日付け供述調書(査2)には,一般競争入札の方法が導入された物件につき,「前年度に受注した会社が翌年度も受注するという認識が入札参加者の間にあり,これにより棲み分けを行ってきましたので,協力関係にあった他社が棲み分けてきた物件を,入札方法が変わったからといって落札しようとは考えなかったからです。また,これと同じ理由により,当社が継続して受注してきた物件の内,平成17年度分から一般競争入札が導入された物件について,これまで協力関係にあった各社は,入札に参加しないことで,これまでと同様の協力関係を維持してくれると思っておりました。」,「当社は,一般競争入札が導入された物件について,前年度の入札価格に比べて特に低い金額で入札することはしませんでした。なぜなら,落札金額の低下は当社のドライバーの給与にも影響しますし,協力関係にある会社以外の会社が入札に参加して受注を目指すという具体的な動きはなく,入札価格を下げる必要性を感じなかったからです。」との記載がある。
(ウ) 原告の管理部部長であった広瀬の平成21年1月14日付け供述調書(査3)には,一般競争入札の方法が導入された物件につき,「指名競争入札であろうと,一般競争入札であろうと,従前どおりに受注調整ルールが適用される,つまり,これまで受注していた者が引き続き受注するという認識を,それぞれが有していると理解していました。」,「一般競争入札になった平成18年度分の入札からは,入札に参加しないという方法により,当社が受注できるよう協力してくれたと理解しております。逆に,他社が継続して受注している一般競争入札の物件については,当社が入札に参加しないことにより,当該他社が受注できるように協力していたわけです。」,「つまり,これまで受注していた会社が引き続き受注するように協力するということは,指名競争入札の物件であっても,一般競争入札の物件であっても同じだということです。」との記載がある。
ウ 本件各供述調書は,従業員3名が,それぞれ複数回の事情聴取に応じて説明した内容に基づき,審査官が作成した供述調書案につき,審査官が内容を読み聞かせ,従業員3名がその書面を閲読した上で,内容に誤りがないことを確認して,署名押印したものである。上記事情聴取の際には,従業員3名は,いずれも身柄を拘束されておらず,また,畏怖していたとか,審査官から暴行・脅迫等を受けた可能性もない上,供述調書が作成される前に,原告の顧問弁護士又は総務部長等から,真実と異なる内容の供述調書には署名する必要がないことなどの助言を受けていた(査1ないし3,第4回審判における各供述)。
また,本件各供述調書,とりわけ,一般競争入札に付された本件関東業務に関する記載の内容は,難解なものではなく,むしろ平易な表現というべきものであり,その体裁も大きな活字によるものであって,従業員3名の経歴に照らしても,読み聞かせ及び閲読によりこれを理解することは極めて容易なものであったというべきである。
エ また,本件関東基本合意に係る他社の担当者の供述調書(査4ないし6)にも,本件各供述調書と整合する以下のような内容が記載されており,その信用性を疑うべき特段の事情も見当たらない。
(ア) 日本総合サービスの東京支店関東地区担当部長であったAの供述調書(査4)には,一般競争入札の方法が導入された物件につき,原告及び5社の間では「指名競争入札であろうと,一般競争入札であろうと,従前通りに受注調整のルールが適用される,すなわち,これまで受注していた会社が引き続き受注するという認識を有していると理解していました。したがって,他社が継続して受注している一般競争入札の物件については,当社が入札に参加しないことにより,当該他社が受注できるように協力していたわけです。」との記載がある。
(イ) ニシノ建設管理の専務取締役であったBの供述調書(査5)には,一般競争入札の方法が導入された物件につき,「指名競争入札の方法により発注されたものであろうと一般競争入札の方法により発注されたものであろうと,当社が受注しないように他社に協力する姿勢は変わりありません。」との記載がある。
(ウ) 関東ロードメンテナンスの取締役業務部長であったCの供述調書(査6)には,一般競争入札の方法が導入された物件につき,「関東ロードメンテナンスは,受注する意欲のない物件のうち,指名競争入札の物件は,当該物件を落札できる者から連絡された金額以上の価格で入札に参加する一般競争入札の物件は,当該物件を落札できる者による受注を妨げないよう入札に参加しないという対応をしていました。」との記載がある。
オ(ア) 関東地方整備局発注の特定車両管理業務について,平成16年以降の客観的な入札参加や落札の状況等(査7)をみると,大多数の入札について,前年に落札した者が引き続き落札しているところ,そのうち指名競争入札に係るものにおいては,原告及び6社を中心として数社が入札に参加していた(これは,本件関東基本合意に基づき,原則として既存業者が受注できるようにされていたものである。)。
そして,本件関東業務に係る状況をみるに,まず,利根川上流河川事務所の車両管理業務は,平成16年度には指名競争入札が行われて,原告及び4社が入札に参加し,原告が落札して受注していたところ,平成17年度に一般競争入札の方法に変更されると,原告だけが入札し,他の業者はこれに参加せず,原告が落札して受注し,これ以降,平成20年度の一般競争入札まで,いずれも原告だけが入札して落札し,受注してきたものである.
次に,京浜河川事務所及び富士川砂防事務所の各車両管理業務は,平成16年度及び平成17年度には指名競争入札が行われて,いずれも,原告及び数社(京浜河川事務所については,日本総合サービス,大新東,関東ロードメンテナンス及びムサシ興発の4社,富士川砂防河川事務所については,日本総合サービス,大新束,ムサシ興発,ニシノ建設管理及び安全エンタープライズの5社)が入札に参加し,原告が落札して受注していたところ,平成18年度に一般競争入札の方法に変更されると,原告だけが入札し,他の業者はこれに参加せず,原告が落札して受注し,これ以降,平成20年度の一般競争入札まで,いずれも原告だけが入札して(ただし,京浜河川事務所に係る平成19年度の一般競争入札においては,セノンが入札に参加した。)落札し,受注してきたものである。
また,利根川下流河川事務所の車両管理業務は,平成16年度から平成19年度まで指名競争入札が行われて,平成18年度までについては,原告及び数社が入札に参加し,原告が落札して受注していたところ,平成19年度の指名競争入札では,大新東が落札したものの,契約を辞退したため,同年4月分だけを原告が特命随意契約の方法により契約した。
その後,同年5月から平成20年3月分につき,平成19年4月に一般競争入札が行われると,原告だけが入札し,他の業者はこれに参加せず,原告が落札して受注し,平成20年度の一般競争入札も,同様に,原告だけが入札し,落札して受注したものである。
(イ) また,本件関東業務につき,落札率(受注価格を予定価格で除した百分率をいう。以下同じ。)の推移をみると,例えば,利根川上流河川事務所の車両管理業務に係る落札率は,次のとおりである(ただし,平成20年度下期及び平成21年度の落札率は,それぞれ,対応する合計4件の受注価格合計額を予定価格合計額で除したものである。査8,13)。
年度(平成)        発注方法   落札率
16            指名競争入札 99.5%
17            一般競争入札 98.8%
18            一般競争入札 98.7%
19            一般競争入札 98.2%
20(平成20年7月まで) 一般競争入札 97.0%
20(下期)        一般競争入札 84.2%
21            一般競争入札 57.1%
また,利根川下流河川事務所,京浜河川事務所及び富士川砂防事務所の各車両管理業務に係る落札率も,同様の傾向を示している(査8,13)。
(ウ) 以上の入札の状況や落札率の推移は,本件各供述調書に記載された供述の内容と極めて整合しており,その信用性を強く支えているものというべきである。
カ 以上の諸検討に加え,本件関東基本合意が成立した当初は,関東地方整備局の事務所等が一般競争入札ではなく指名競争入札の方法により車両管理業務を発注していたのであるから,競争を制限する対象を特に指名競争入 札の方法によるものに限る趣旨又は一般競争入札の方法によるものを除外する趣旨の合意がされたとは考えられないこと,本件関東業務等につき順次一般競争入札の方法に変更された段階において,原告及び6社の間で特に一般競争入札を受注調整の対象から除外することにつき意思の疎通が図られたとの事情が見当たらないこと,関東地方整備局の事務所等が発注する車両管理業務のうち指名競争入札の方法によるものについては,本件関東基本合意により協力し合う関係にあったのであるから,同時期に併行して行われる一般競争入札の方法によるものについても相互に協力する方針が採られていたとみることが自然であることの諸点を考慮すると,本件各供述調書の記載内容の信用性は極めて高いというべきである。
キ これに対し,従業員3名は,第4回審判期日の審尋において,一般競争入札が受注調整の対象ではなかった旨,本件各供述調書には供述内容ないし真実と異なる記載がされている旨を述べ,原告の主張に沿う供述をする。
しかし,前記のとおり,本件各供述調書の信用性は高く,特に,従業員3名が供述調書案を閲読して署名押印するに至った経緯にも特段の不審な点が見受けられない一方,真実と異なる内容であったにもかかわらず署名押印した理由についての従業員3名の説明はいずれも説得力に欠けるというべきである。そして,従業員3名の地位ないし経歴に照らすと,従業員3名には,供述調書に係る供述内容を変更して,原告の有利になるような内容の供述をするに足りる動機もあるといわざるを得ないところ,本件各供述調書においても,本件関東業務について具体的に受注調整のための連絡を取り合ったというような事実が記載されているわけではなく,その内容に客観的事実と明らかに齟齬矛盾する部分は見当たらないのであり,従業員3名も,事実関係ではなく,本件関東業務も課徴金算定の基礎となるとの法的評価を受けたことにつき真の不服があるのではないか,そのために本件各供述調書に係る供述内容を否定しているのではないかとの疑念も否定できず,上記審尋における供述のうち本件各供述調書に反する部分は採用することができない。
ク 以上によれば,本件各供述調書に基づき前記前提事実(4)ウ(ア)e記載の事実を認定するということには合理性があるというべきである。
(2) 関東排除措置命令に係る判断について
ア 関東排除措置命令は,本件関東違反行為の事実を認定した上で,それが,公共の利益に反して,関東地方整備局発注の特定車両管理業務の取引分野における競争を実質的に制限していたものであって,独占禁止法2条6項所定の不当な取引制限に該当し,同法3条に違反するものと判断して,同法7条2項に基づきされたものである。
すなわち,被告は,前記前提事実(2)ウ記載の原告及び6社の本件関東基本合意の下に,原則として既存業者を受注予定者とすること,既存業者と特定の他の入札参加者との間で,当該他の入札参加者が受注予定者となることを合意した場合には,その者を受注予定者とすること,関東地方整備局の事務所等において車両管理業務が新規に発注される場合には,入札参加者間の話し合いにより定めた者を受注予定者とすることなどにより,受注予定者を決定して,その者が受注できるようにしていたことを,不当な取引制限であると認定判断したのであり,本件関東審決も,この認定判断を維持したものである。
そして,前記前提事実及び本件各供述調書について判示した(前記(1))ところに照らすと,本件関東基本合意の対象は,関東地方整備局の事務所等において発注される車両管理業務であり,指名競争入札の方法により発注されるもののみならず,一般競争入札の方法により発注されるものも含まれていたとの判断は合理的なものというべきである。
イ 原告は,本件関東業務が本件関東基本合意の対象には含まれていなかったと主張する。しかしながら,前記のとおり,本件関東基本合意の対象に係る取引分野は,国土交通省が関東地方整備局の事務所等において指名競争入札又は一般競争入札の方法により発注する車両管理業務であり,このような取引分野につき更に限定する合意や本件関東業務を除外する合意がされたという事情も見当たらないから,本件関東業務もこれに含まれると判断するのが相当である。
また,原告は,本件関東業務については談合行為から離脱していたと主張し,内部的には,他の違反行為者との協力を取りやめることを決定をした旨主張する。しかし,その当時既に,原告が被告に対して,本件関東違反行為に係る事実の報告及び資料の提出をしたというような事情があるわけでもないから,原告が主張するような内部的な意思決定をしたとしても,それによって不当な取引制限のある状態が解消されるといい得るかについても疑問があるといわざるを得ないところ,その点は措くとしても,本件においては,原告が何らかの内部的な意思決定をしたと認めるに足りる証拠自体がないというべきである。すなわち,原告は,本件関東業務に係る一般競争入札につき,他の違反行為者に対して価格を連絡しなかったというのであるが,他の違反行為者は入札の参加自体を控えるという態様により協力関係を維持していたとみられるのであり,そのような態様で協力している場合には価格の連絡自体は不要なことであるし(本件四国業務に係るものであるが,原告の高松支店長であった上原の供述調書(査9)及び日本総合サービスの高松支店長であったDの供述調書(査10)には,そのような趣旨の供述の記載がある。),仮に何らの連絡行為がなかったとしても,それが現状の協力関係を維持するという理解によるものであることは十分に考えられるから,価格を連絡しなかったという事情をもって内部的な意思決定の存在を推認することはできず,他にこれを認めるに足りる証拠もない。
ウ 原告は,本件関東業務に係る受注調整行為の立証がないものと主張するところ,関東排除措置命令及びこれを維持する本件関東審決は,本件関東業務の入札に関する具体的な受注調整行為を認定しているのではなく,本件関東違反行為自体を不当な取引制限として認定したのであり,また,その事実認定や法的な評価判断について不当な点も見当たらないというべきであるから,本件関東業務に係る具体的な受注調整行為の立証がないことをもって関東排除措置命令の当否についての結論が左右されることにはならない。
エ 以上によれば,本件関東審決のうち関東排除措置命令に対する審判請求を棄却した部分は,その基礎となった事実を立証する実質的な証拠があることになるから,その判断には何らの違法がないというべきである。
(3) 関東課徴金納付命令に係る判断について
ア 関東課徴金納付命令は,原告において関東排除措置命令の認定するとおりの不当な取引制限があり,これが独占禁止法7条の2第1項1号所定の役務の対価に係るものであるとした上で,本件関東業務を課徴金算定の対象となる役務に含めて課徴金を算定したものであり,本件関東審決は,前記前提事実(4)ウ(エ)記載のとおり,本件関東業務にも本件関東基本合意によって発生した競争制限効果が及んでいるものとして,関東課徴金納付命令の認定判断を維持したものである。
イ 原告は,前記のとおり,違反行為は個々の物件ごとに認定されるべきであるにもかかわらず,本件関東業務の受注調整行為が認定されていないと主張する。しかしながら,いわゆる入札談合の事案における課徴金の算定に当たっては,基本合意の対象となった商品又は役務のうち個別の入札において基本合意の成立により発生した具体的な競争制限効果が及んでいると認められるものは,独占禁止法7条の2第1項所定の「当該商品又は役務」に含まれると解するのが相当であるから,個別の入札に関する具体的な意思の連絡行為等の立証ないし認定がされること自体は必ずしも必要ではないというべきである。
本件関東業務についてみると,前記のとおり,本件関東基本合意の対象に係る取引分野には本件関東業務も含まれるものであるところ,一般競争入札の方法に変更された後における原告及び6社の入札参加の状況,落札率の推移(とりわけ,被告が立入検査を行った平成20年7月15日以降に原告及び5社が本件関東基本合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめた後,落札率が大きく低下している一方,それより前には落札率がほとんど変化していないこと),本件各供述調書の内容についての信用性が極めて高いこと,本件関東業務の発注が一般競争入札の方法に変更された際に原告が何らかの内部的な意思決定をしたと認めるに足りる証拠はないこと等の諸事情を考慮すると,本件関東業務に係る入札にも本件関東基本合意により発生した具体的な競争制限効果が及んでいたことは明らかであるというべきである。
原告は,本件関東業務に係る入札条件が厳しいものであった旨をるる主張するが,上記判断を左右するに足りるものはない。
ウ 以上によれば,本件関東審決のうち関東課徴金納付命令に対する審判請求を棄却した部分は,その基礎となった事実を立証する実質的な証拠が出るというべきであり,その判断には何らの違法がないというべきである。
2 本件四国審決について
本件四国審決についても,その基礎となった事実を立証する実質的な証拠力あるというべきであり,その判断には何らの違法がないというべきである。その理由は,本件関東審決について述べたところと同様であり,原告の高松支店長であった上原の供述調書(査9)には,本件四国審決が認定する事実に沿う供述内容の記載があるところ,この供述調書が作成されるに至った経緯,供述調書の内容及び体裁に加え,Dの供述調書(査10)にもその信用性を疑うべき具体的な事情が見当たらないこと,四国地方整備局発注の特定車両管理業務に関する客観的な入札参加や落札の状況等(査11),本件四国業務の落札率の推移(査12,16)その他の諸事情を考慮すると,上原の供述調書の内容についての信用性は極めて高いというべきであり,本件四国審決は,その基礎となった事実を立証する実質的な証拠があるというべきであるから,その判断には何らの違法がないというべきである。
第4 結論
よって,原告の請求にはいずれも理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。

平成24年3月9日

裁判長裁判官 奥田隆文
裁判官    大野和明
裁判官    中村さとみ
裁判官    清藤健一
裁判官木下秀樹は,転補のため,署名押印することができない。
裁判長裁判官 奥田隆文

別表及び別紙〈略〉

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