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マツダ㈱が発注するヘッドランプ及びリアコンビネーションランプの見積り合わせの参加業者に対する件

独禁法3条後段

平成25年(措)第5号

排除措置命令

平成25年(措)第5号

排 除 措 置 命 令 書

東京都港区高輪四丁目8番3号
株式会社小糸製作所
同代表者 代表取締役 大 嶽 昌 宏

公正取引委員会は,上記の者に対し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第7条第2項の規定に基づき,次のとおり命令する。
なお,主文及び理由中の用語のうち,別紙「用語」欄に掲げるものの定義は,別紙「定義」欄に記載のとおりである。

主 文
1 株式会社小糸製作所(以下「小糸製作所」という。)は,次の事項を,取締役会において決議しなければならない。
(1) マツダ株式会社(以下「マツダ」という。)が発注するヘッドランプ及びリアコンビネーションランプであって,マツダが見積り合わせ(以下「コンペ」という。)を実施して受注者を選定するもの(以下「マツダ発注の特定自動車用ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプ」という。)について,小糸製作所及びスタンレー電気株式会社(以下「スタンレー電気」という。)の2社(以下「2社」という。)が,遅くとも平成16年6月頃以降共同して行っていた,受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている旨を確認すること
(2) 今後,他の事業者と共同して,マツダ発注の特定自動車用ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプについて,受注予定者を決定せず,自主的に受注活動を行う旨
2 小糸製作所は,前項に基づいて採った措置を,スタンレー電気及びマツダに通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。これらの通知及び周知徹底の方法については,あらかじめ,公正取引委員会の承認を受けなければならない。
3 小糸製作所は,今後,他の事業者と共同して,マツダ発注の特定自動車用ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプについて,受注予定者を決定してはならない。
4 小糸製作所は,今後,次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。この措置の内容については,前項の行為をすることのないようにするために十分なものでなければならず,かつ,あらかじめ,公正取引委員会の承認を受けなければならない。
(1) 自社の従業員に対する,自社の商品の受注に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の周知徹底
(2) マツダ発注の特定自動車用ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプの受注に関する独占禁止法の遵守についての,マツダ発注の特定自動車用ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプの営業担当者に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査
5 小糸製作所は,第1項,第2項及び前項に基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告しなければならない。

理 由
第1 事実
1 (1) ア 小糸製作所は,肩書地に本店を置き,ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプを,自動車メーカーに対して販売していた。
イ 名宛人以外のスタンレー電気は,東京都目黒区中目黒二丁目9番13号に本店を置き,ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプを,自動車メーカーに対して販売していた。
(2)ア マツダは,自社が製造する自動車に搭載されるヘッドランプ及びリアコンビネーションランプを調達するに当たり,新規の車種(以下「新規車種」という。)を開発する場合及び既存の車種(以下「現行車種」という。)のフルモデルチェンジを行う場合に,新規車種又はフルモデルチェンジ後の車種に搭載されるヘッドランプ及びリアコンビネーションランプを対象とするコンペを実施しており,コンペにおいては,ヘッドランプ又はリアコンビネーションランプのそれぞれについて,車種ごとに受注者を選定していた。
イ マツダは,技術力,供給能力等を考慮してコンペの参加者(以下「サプライヤー候補」という。)を選定していたところ,平成16年6月から平成23年8月までの間に実施したマツダ発注の特定自動車用ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプのコンペの全てにおいて,2社又は2社を含む3社をサプライヤー候補に選定していた。
ウ マツダは,コンペを実施するに当たり,サプライヤー候補に対して,要求仕様等を記載した見積依頼書等を交付するなどして,当該要求仕様に基づいて算出した製品単価及び型費(以下「要求仕様値」という。)並びに原価低減のための技術提案の提出を求め,マツダが要求する見積仕様,品質,供給能力等を満たすサプライヤー候補のうち,これら全てを考慮した見積価格が最も低くなる者をヘッドランプ及びリアコンビネーションランプの受注者としていた。
エ マツダは,受注者を選定した後,量産用図面を確定し,受注者選定時の受注者の見積価格に,受注者選定時の受注者の見積仕様と量産用図面の仕様差を反映させた価格を基準として,受注者に対する発注価格(以下「量産価格」という。)を決定していた。
オ マツダは,現行車種のマイナーチェンジを行う場合又は現行車種を基に派生車種を開発する場合には,通常,当該現行車種に搭載されたヘッドランプ及びリアコンビネーションランプを対象とするコンペにおいて受注者に選定された者に対して発注していたところ,2社は,コンペにおいて受注者に選定されれば,その後に行われるマイナーチェンジ又は派生車種の開発に際しても引き続き受注できるものと認識していた。
2 2社は,遅くとも平成16年6月頃以降,マツダ発注の特定自動車用ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプについて,量産価格の低落防止等を図るため
(1)ア 受注予定者を決定する
イ 受注予定者が受注できるように2社の要求仕様値を調整する
旨の合意の下に
(2)ア 受注希望,現行車種における受注実績等を勘案して,話合い等により受注予定者を決定する
イ 受注予定者が受注できるように話合い等により2社の要求仕様値を決定する
こと等により,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた。
3 2社は,前記2により,マツダ発注の特定自動車用ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプの過半を受注していた。
4 スタンレー電気は,平成23年8月22日までに,課徴金の減免に係る報告及び資料の提出に関する規則(平成17年公正取引委員会規則第7号)第1条第1項の規定に基づき,公正取引委員会に対して様式第1号による報告書を提出するとともに,マツダ発注の特定自動車用ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプに係る自社の営業担当者に対して前記2の行為を行わない旨の指示を行ったところ,同日以降,前記2の合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為は取りやめられている。
第2 法令の適用
前記事実によれば,2社は,共同して,マツダ発注の特定自動車用ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプについて,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,マツダ発注の特定自動車用ヘッドランプ及びリアコンビネーションランプの取引分野における競争を実質的に制限していたものであって,この行為は,独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当し,独占禁止法第3条の規定に違反するものである。このため,2社は,いずれも,独占禁止法第7条第2項第1号に該当する者である。また,違反行為が長期間にわたって行われていたこと,違反行為の取りやめが自発的なものではないこと等の諸事情を総合的に勘案すれば,小糸製作所については,特に排除措置を命ずる必要があると認められる。
よって,小糸製作所に対し,独占禁止法第7条第2項の規定に基づき,主文のとおり命令する。
平成25年3月22日

公 正 取 引 委 員 会

委員長 杉 本 和 行
委 員 濵 田 道 代
委 員 小田切 宏 之
委 員 幕 田 英 雄

別紙
番号 用語 定義
1 ヘッドランプ 自動車用ランプのうち,自動車の前面に搭載される前照灯,車幅灯,方向指示器等が組み合わされたもの
2 リアコンビネーションランプ 自動車用ランプのうち,自動車の後面に搭載される後退灯,尾灯,制動灯,方向指示器等が組み合わされたもの

平成25年3月22日

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