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網走管内コンクリート製品協同組合に対する件

独禁法8条1号

平成27年(措)第1号

排除措置命令

平成27年(措)第1号
排 除 措 置 命 令 書

北海道北見市小泉426番地
 網走管内コンクリート製品協同組合
  同代表者 代表理事 渡 辺 博 行

 公正取引委員会は,上記の者に対し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第8条の2第2項の規定に基づき,次のとおり命令する。
 なお,主文,理由及び別紙1中の用語のうち,別紙2「用語」欄に掲げるものの定義は,別紙2「定義」欄に記載のとおりである。

主    文
1 網走管内コンクリート製品協同組合(以下「網走協組」という。)は,次の事項を,理事会において決議しなければならない。
(1) 別紙1記載のコンクリート二次製品(以下「特定コンクリート二次製品」という。)について,需要者ごとに見積価格を提示し契約すべき者(以下「契約予定者」という。)として組合員及び賛助会員(以下「組合員等」という。)のうち1社を割り当て,その販売価格に係る設計価格からの値引き率を10パーセント以内とする決定が消滅していることを確認すること。
(2) 今後,組合員等に対し,特定コンクリート二次製品について,需要者ごとに契約予定者として組合員等のうち1社を割り当て,その販売価格に係る設計価格からの値引き率を制限する行為を行わないこと。
2 網走協組は,前項に基づいて採った措置を組合員等(平成24年7月1日以降に脱退した組合員を含む。)に通知するとともに,特定コンクリート二次製品の需要者に通知しなければならない。これらの通知方法については,あらかじめ,公正取引委員会の承認を受けなければならない。
3 網走協組は,今後,コンクリート二次製品について,組合員等に対し,需要者ごとに契約予定者として組合員等のうち1社を割り当て,その販売価格に係る設計価格からの値引き率を制限する行為を行ってはならない。
4 網走協組は,第1項及び第2項に基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告しなければならない。

理    由
第1 事実
1(1)ア 網走協組は,肩書地に事務所を置き,オホーツク地区を組合の地区とし,同地区においてコンクリート二次製品の製造販売を行う事業者を組合員として,昭和58年3月31日,中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)に基づいて設立された事業協同組合であり,平成26年5月1日現在の組合員数は7名,賛助会員数は3名である。
イ 網走協組は,意思決定機関として総会及び理事会を置き,また,組合の事業の執行に関し,理事会の諮問機関として運営委員長を置き,運営委員長は運営委員会を組織している。
なお,理事及び運営委員会の委員は,それぞれ,全ての組合員により構成されている。
(2) コンクリート二次製品の需要者は建設業者等であり,組合員等は,需要者から見積依頼を受けるなどして,自社の見積価格を提示して価格交渉し,自ら製造又は他社から購入して,直接又は商社を通じ,当該需要者に販売していた。
(3) 組合員等の特定コンクリート二次製品の販売金額の合計は,特定コンクリート二次製品の総販売金額のほとんど全てを占めていた。
2(1) オホーツク地区におけるコンクリート二次製品の設計価格は北海道内の他地区におけるものと比べ低い金額であったところ,網走協組は,平成24年6月5日に開催した臨時総会において,オホーツク地区におけるコンクリート二次製品の市況回復を図るため,共同受注事業と称して,あらかじめ,需要者ごとに契約予定者として組合員のうち1社を割り当て,その販売価格に係る設計価格からの値引き率を10パーセント以内とすることを決定し,その実施に当たっては,対象とする品目及び需要者ごとに契約予定者として割り当てる組合員を事前に運営委員会において決定することとした。
(2) 網走協組は,前記(1)を踏まえ,平成24年6月8日に開催した運営委員会において,前記(1)の品目について,コンクリート二次製品から一部の組合員のみが製造販売しているものなどを除いて,特定コンクリート二次製品とすることを決定した。また,網走協組は,同月27日に開催した運営委員会において,需要者ごとに契約予定者として割り当てる組合員を記載した一覧表(以下「顧客リスト」という。)を定め,同年7月1日から前記(1)の決定を実施することを決定した。
(3) 網走協組は,オホーツク地区においてコンクリート二次製品の製造販売を行っている非組合員3社(以下「3社」という。)に対し,前記(1)及び(2)の決定を組合員とともに実施するよう協力を求め,これに3社が応じたことから,平成24年10月5日に開催した理事会において,3社を組合員に準じる者として賛助会員とすることを決定した。
3(1) 組合員等は,前記2の決定に基づき,特定コンクリート二次製品について,網走協組を介することなく,顧客リストに従って,割り当てられた需要者に対し,おおむね設計価格からの値引き率を10パーセント以内とする価格により販売していた。
(2) 特定コンクリート二次製品のうち主要な品目については,平成24年10月から適用されたオホーツク地区における設計価格が,同月前と比べ,おおむね上昇していた。
4 本件について,公正取引委員会が独占禁止法第47条第1項第4号の規定に基づく立入検査を行ったところ,網走協組は,平成26年5月26日に開催した臨時理事会において,前記2(1)及び(2)の決定を実施しないことを決議し,組合員の事業活動は各組合員の独自の判断により自由に行われるべきことを確認した。
第2 法令の適用
1 前記事実によれば,網走協組は,中小企業等協同組合法に基づいて設立された事業協同組合であるものの,前記第1の2の決定は,網走協組の実施する販売について定めたものではなく,組合員等の需要者に対する特定コンクリート二次製品の販売について取引の相手方及び対価を制限することを定めたものであって,網走協組の当該行為は,独占禁止法第22条に規定する組合の行為に該当しない。したがって,網走協組の前記行為は独占禁止法の適用を受けるものである。
2 前記事実によれば,網走協組は,組合員等を構成事業者とする事業者団体であり,独占禁止法第2条第2項に規定する事業者団体に該当するところ,特定コンクリート二次製品について,需要者ごとに契約予定者として組合員等のうち1社を割り当て,その販売価格に係る設計価格からの値引き率を制限する決定をすることにより,特定コンクリート二次製品の販売分野における競争を実質的に制限していたものであって,この行為は,独占禁止法第8条第1号に該当し,独占禁止法第8条の規定に違反するものである。このため,網走協組は,独占禁止法第8条の2第2項において準用する独占禁止法第7条第2項第1号に該当する者である。また,違反行為の取りやめが公正取引委員会の立入検査を契機としたものであること等の諸事情を総合的に勘案すれば,特に排除措置を命ずる必要があると認められる。
 よって,網走協組に対し,独占禁止法第8条の2第2項の規定に基づき,主文のとおり命令する。
平成27年1月14日

公 正 取 引 委 員 会

委員長 杉  本  和  行

委 員 小 田 切  宏  之

委 員 幕  田  英  雄

委 員 山  﨑     恒

委 員 山  本  和  史

別紙1

 オホーツク地区において販売されるコンクリート二次製品のうち,バンカーサイロ,橋桁,ボックスカルバート(道路土工-カルバート工指針,月刊建設物価及び月刊積算資料に記載されていない規格のものに限る。),護岸用コンクリート及び組合員又は賛助会員の各社独自の製品を除くもの

別紙2

番号 用語 定義
1 オホーツク地区 北海道オホーツク総合振興局の所管区域である北海道北見市,同網走市,同紋別市,同網走郡大空町,同郡美幌町及び同郡津別町,同斜里郡斜里町,同郡清里町及び同郡小清水町,同常呂郡訓子府町,同郡置戸町及び同郡佐呂間町並びに同紋別郡遠軽町,同郡湧別町,同郡滝上町,同郡興部町,同郡雄武町及び同郡西興部村
2 コンクリート二次製品 工場又は工事現場内の製造設備において,生コンクリートを型枠に流し込み,あらかじめ,成型,硬化させて製品化したものであって,道路,農業用排水路等向けのもの
3 設計価格 国土交通省北海道開発局,北海道等が予定価格の積算に用いるものとして公表しているコンクリート二次製品の単価

平成27年1月14日

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