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岡山県北生コンクリート協同組合に対する件

独禁法19条(一般指定14項)

平成27年(措)第4号

排除措置命令

平成27年(措)第4号
排 除 措 置 命 令 書

岡山県津山市高野山西2042番地の1
 岡山県北生コンクリート協同組合
  同代表者 代表理事 佐々木 良 治

 公正取引委員会は,上記の者に対し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第20条第1項の規定に基づき,次のとおり命令する。

主    文
1 岡山県北生コンクリート協同組合(以下「岡山県北生コン協組」という。)は,次の事項を理事会において決議しなければならない。
(1) 取引先が生コンクリート(以下「生コン」という。)を非組合員(岡山県北生コン協組が生コンの共同販売事業を行う地域に生コン製造工場を有する非組合員をいう。以下同じ。)から購入した場合には当該取引先との以後の取引条件を現金による定価販売(生コンの共同販売事業に用いる価格表の掲載価格により販売すること。以下同じ。)とする旨の決定を破棄するとともに,取引先に対するその旨の告知を撤回すること。
(2) 今後,取引先が生コンを非組合員から購入した場合には当該取引先との以後の取引条件を現金による定価販売とすることにより取引先に非組合員から生コンを購入しないようにさせている行為と同様の行為を行わないこと。
2 岡山県北生コン協組は,前項に基づいて採った措置を組合員及び取引先に通知しなければならない。この通知の方法については,あらかじめ,公正取引委員会の承認を受けなければならない。
3 岡山県北生コン協組は,今後,取引先が生コンを非組合員から購入した場合には当該取引先との以後の取引条件を現金による定価販売とすることにより取引先に非組合員から生コンを購入しないようにさせている行為と同様の行為を行ってはならない。
4 岡山県北生コン協組は,第1項及び第2項に基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告しなければならない。

理    由
第1 事実
1(1)ア 岡山県北生コン協組は,肩書地に事務所を置き,岡山県津山市,美作市,赤磐市(平成17年3月7日前の旧赤磐郡吉井町に限る。),苫田郡,久米郡,勝田郡及び英田郡の区域を組合の地区とし,同地区に生コン製造工場を有する事業者を組合員として,昭和53年8月26日,中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)に基づき,組合員の取り扱う生コンの共同販売事業を行うこと等を目的として設立された事業協同組合であって,前記地区から赤磐市及び平成17年3月22日前の久米郡旧旭町を除いた地域において,組合員が製造する生コンの共同販売事業を行っている。平成24年4月以降,岡山県北生コン協組の組合員の生コン製造工場は10施設ある。
イ 岡山県北生コン協組は,業務の執行に関する決議を行う理事会を置くほか,各組合員の生コン製造工場から1名ずつ組合職員として参事を選出し,生コンの共同販売事業に関する販売価格の見積り及び交渉その他の営業活動に当たらせ,生コンの共同販売事業の計画を参事により構成する参事会において検討している。
ウ 岡山県北生コン協組が生コンの共同販売事業を行う地域においては,偏りなく所在する組合員の生コン製造工場10施設から生コンが出荷される一方,同地域に所在する非組合員の生コン製造工場は後記2(1)アの1施設のみであり,岡山県北生コン協組が供給する生コンが同地域における生コンの総供給数量の大部分を占めている。
(2)ア 生コンは,製造工場で練り混ぜられた後,時間の経過とともに固化する特性を有し,ミキサー車による納入場所までの運搬時間が日本工業規格により定められている。そのため,需要者である建設業者が供給を受けられる生コン製造業者は,納入場所までの運搬時間に見合う距離内に生コン製造工場を有する者に限られる。
イ 岡山県北生コン協組が生コンの共同販売事業を行う地域における工事では,前記アの事情により工事場所や生コン使用量等の施工条件に応じて生コンの供給を受ける必要があるところ,同地域に生コン製造工場を1施設しか有しない非組合員からの生コンの供給には限界があり,建設業者が同地域で継続的に工事を行っていくためには,その必要に応じて岡山県北生コン協組から生コンの供給を受ける必要がある。
(3)ア 岡山県北生コン協組は,取引先である建設業者からの注文に応じて販売した生コンの代金を,通常,請求の締切日の翌月以降に現金又は約束手形により収受している。
イ 岡山県北生コン協組は,平成24年4月1日付けで,生コンの規格ごとに1立方メートル当たりの販売価格を掲載した価格表を改定し,その後は,取引先に対しては,価格表の各掲載価格から2,000円を差し引いた額で販売することを通常としている。
ウ 岡山県北生コン協組が生コンの共同販売事業を行う地域における公共工事で用いられる生コンの設計単価は,前記イの価格表の掲載価格を下回っている。そのため,当該工事を施工する取引先は,岡山県北生コン協組から値引きを受けずに生コンを購入する場合,当該生コンの設計単価と前記イの価格表の掲載価格との差額を自ら負担することになる。
2(1)ア 岡山県北生コン協組は,平成24年6月頃,生コンの共同販売事業を行う地域において新たに非組合員が生コン製造工場を稼働させ岡山県北生コン協組より低い価格で生コンの出荷を開始しようとしているとの情報に接した。そのため,同月から同年8月にかけて開催した参事会において,価格競争を回避しつつ取引先に非組合員との取引を思いとどまらせるための方策として,取引先が生コンを非組合員から購入した場合には当該取引先との以後の取引条件を現金による定価販売とする旨を定めるとともに,取引先に伝える「お知らせ」文書を作成した上で理事会に上程することとした。
イ 岡山県北生コン協組は,平成24年8月22日に開催した理事会において,取引先が生コンを非組合員から購入した場合には当該取引先との以後の取引条件を現金による定価販売とする旨を決定するとともに,取引先に「お知らせ」文書を配布することを決定した。
(2)ア 岡山県北生コン協組は,平成24年9月頃,前月又は当月に取引のあった取引先に対し,生コンを非組合員から購入した場合には当該取引先との以後の取引条件を現金による定価販売とする旨を示唆する「お知らせ」文書を生コン代金の請求書に同封し,その旨を告知した。その後,岡山県北生コン協組は,平成24年10月頃及び平成25年8月頃,それぞれ,前月又は当月に取引のあった取引先に対し,前記「お知らせ」文書と同趣旨の文書を生コン代金の請求書に同封し,その旨を告知した。
イ 岡山県北生コン協組は,取引先が生コンを非組合員から購入し,又は購入しようとしているとの情報に接した際に,当該取引先に対し,生コンを非組合員から購入した場合には以後の取引条件を現金による定価販売とする旨を直接告知するとともに,岡山県北生コン協組から生コンを購入するよう申し入れるなどしていた。
3 岡山県北生コン協組の前記2(2)ア又はイの行為により,少なくとも取引先28名は,工事場所や生コン使用量等の施工条件に応じて岡山県北生コン協組から生コンの供給を受ける必要があるところ,生コンを非組合員から購入すると岡山県北生コン協組との以後の取引条件が現金による定価販売とされ,購入価格が公共工事で用いられる生コンの設計単価を上回ること又は支払条件が不利になることから,生コンを非組合員から購入しないようにしている。その事例は,次のとおりである。
(1) 津山市に本店を置く取引先は,平成25年10月頃,津山市内において岡山県発注の道路工事を受注し,岡山県北生コン協組より低い価格で非組合員から生コンを購入したいとの希望はあったものの,岡山県北生コン協組から前記2(2)アの文書を受け取っていたことから,当該工事の施工において非組合員から生コンを購入していない。
(2) 岡山市に本店を置く取引先が津山市内において廃棄物処理施設の建設工事を施工するに当たり,岡山県北生コン協組は,平成25年1月頃,当該取引先に対し,生コンを非組合員から購入した場合には以後の取引条件を現金による定価販売とする旨を直接告知するとともに,岡山県北生コン協組から生コンを購入するよう申し入れた。これを受け,当該取引先は,その後の工事の施工において非組合員から生コンを購入していない。
(3) 岡山県外に本店を置く取引先が津山市内において健康食品メーカーの工場施設の建設工事を施工するに当たり,岡山県北生コン協組は,平成25年10月頃,当該取引先に対し,生コンを非組合員から購入した場合には以後の取引条件を現金による定価販売とする旨を直接告知するとともに,岡山県北生コン協組から生コンを購入するよう申し入れた。これを受け,当該取引先は,当該工事及びその後の工事の施工において非組合員から生コンを購入していない。
第2 法令の適用
 前記事実によれば,岡山県北生コン協組は,自己と生コンの取引において競争関係にある非組合員とその取引の相手方との取引を不当に妨害しているものであって,この行為は,不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)の第14項に該当し,独占禁止法第19条の規定に違反するものである。
 よって,岡山県北生コン協組に対し,独占禁止法第20条第1項の規定に基づき,主文のとおり命令する。
平成27年2月27日

公 正 取 引 委 員 会

委員長 杉  本  和  行

委 員 小 田 切  宏  之

委 員 幕  田  英  雄

委 員 山  﨑     恒

委 員 山  本  和  史

平成27年2月27日

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