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農業協同組合等が発注する穀物の乾燥・調製・貯蔵施設及び精米施設の製造請負工事等の施工業者に対する件

独禁法3条後段

平成27年(措)第5号

排除措置命令

平成27年(措)第5号
排 除 措 置 命 令 書
  
 東京都千代田区外神田四丁目7番2号
  株式会社サタケ
   同代表者 代表取締役 佐 竹 利 子

 松山市馬木町700番地
  井関農機株式会社
   同代表者 代表取締役 木 村 典 之

 大阪市北区鶴野町1番9号
  ヤンマーグリーンシステム株式会社
   同代表者 代表取締役 森 山 弘 寿

 兵庫県尼崎市浜一丁目1番1号
  クボタアグリサービス株式会社
   同代表者 代表取締役 石 橋 善 光

 山形県天童市本町一丁目5番32号
  株式会社山本製作所
   同代表者 代表取締役 山 本 丈 実

 静岡県袋井市山名町4番地の1
  静岡製機株式会社
   同代表者 代表取締役 鈴 木 直二郎

 公正取引委員会は,上記の者らに対し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第7条第2項の規定に基づき,次のとおり命令する。
 なお,主文,理由及び別紙1中の用語のうち,別紙2「用語」欄に掲げるものの定義は,別紙2「定義」欄に記載のとおりである。

主    文
1 株式会社サタケ(以下「サタケ」という。),井関農機株式会社,ヤンマーグリーンシステム株式会社,クボタアグリサービス株式会社(以下「クボタアグリサービス」という。),株式会社山本製作所及び静岡製機株式会社の6社(以下「6社」という。)は,それぞれ,次の事項を,取締役会において決議しなければならない。
(1) 別紙1記載の工事(福井県経済農業協同組合連合会が施主代行業務を提供する工事を除く。以下「特定農業施設工事」という。)について,6社,日本車輌製造株式会社(以下「日本車輌製造」という。)及び株式会社クボタ(以下「クボタ」という。)の8社(以下「8社」という。)が,遅くとも平成22年6月30日以降(クボタアグリサービスにあっては平成24年8月1日以降)共同して行っていた,受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認すること。
(2) 今後,相互の間において,又は他の事業者と共同して,別紙1記載の工事について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行うこと。
2 6社は,それぞれ,前項に基づいて採った措置を,自社を除く5社に通知するとともに,別紙1記載の工事の施主である農協等に周知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。これらの通知,周知及び周知徹底の方法については,あらかじめ,公正取引委員会の承認を受けなければならない。
3 6社は,今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,別紙1記載の工事について,受注予定者を決定してはならない。
4 6社は,それぞれ,次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。この措置の内容については,前項で命じた措置が遵守されるために十分なものでなければならず,かつ,あらかじめ,公正取引委員会の承認を受けなければならない。
(1) 自社の工事の受注に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成又は改定及び自社の従業員に対する周知徹底(サタケ及びクボタアグリサービスにあっては当該行動指針の自社の従業員に対する周知徹底)
(2) 別紙1記載の工事の受注に関する独占禁止法の遵守についての,当該工事の営業担当者に対する定期的な研修及び法務担当者による定期的な監査
5 6社は,それぞれ,第1項,第2項及び前項に基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告しなければならない。

理    由
第1 事実
1(1)ア 6社は,それぞれ,肩書地に本店を置き,建設業法(昭和24年法律第100号)の規定に基づき国土交通大臣又は山形県知事若しくは静岡県知事から建設業の許可を受け,別紙1記載の工事を請け負う者である。
イ 名宛人以外の日本車輌製造は,名古屋市熱田区三本松町1番1号に本店を置き,建設業法の規定に基づき国土交通大臣から建設業の許可を受け,別紙1記載の工事を請け負う者である。
ウ 名宛人以外のクボタは,大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号に本店を置き,建設業法の規定に基づき国土交通大臣から建設業の許可を受け,別紙1記載の工事を請け負っていた者であるが,平成24年9月1日付けで,クボタアグリサービスに対し,当該工事の施工を含む農業用施設に関する事業を譲渡し,同日以降,同事業を営んでいない。
(2)ア 農協等は,平成22年6月30日から平成25年11月19日までの間,特定農業施設工事について,次の方法により発注していた。
(ア) 一般競争入札,一般競争見積,指名競争入札又は指名競争見積の方法にあっては,原則として,工事ごとに,予定価格又は見積設計目標価格(以下「予定価格等」という。)を設定して,複数の者から当該工事について入札価格又は見積価格(以下「入札価格等」という。)を提示させ,予定価格等の制限の範囲内の入札価格等を提示した者の中で最も低い価格を提示した者を受注者とし,当該価格で発注していた。
(イ) 見積り合わせの方法にあっては,原則として,複数の者から当該工事について見積価格を提示させ,最も低い価格を提示した者との間で当該価格を基に価格交渉を行った上で,その者を受注者とし,合意した価格で発注していた。
イ 農協等は,平成22年6月30日から平成25年11月19日までの間に実施した特定農業施設工事の一般競争入札,一般競争見積,指名競争入札,指名競争見積又は見積り合わせにおいて,通常,施工能力,施工実績等を勘案して,8社のうち複数社を含む者を参加者に選定していた。
2 8社は,遅くとも平成22年6月30日以降(クボタアグリサービスにあっては平成24年8月1日以降),特定農業施設工事について,受注価格の低落防止等を図るため
(1)ア 受注予定者を決定する
イ 受注予定者以外の者は,受注予定者が受注できるように協力する
旨の合意の下に
(2)ア 受注を希望する者(以下「受注希望者」という。)が1社のときは,その者を受注予定者とする
イ 受注希望者が複数社のときは,当該工事それぞれについて,対象となる穀物の乾燥・調製・貯蔵施設及び精米施設の建設等又は保守点検等の実績,施主である農協等への営業活動の実績等を勘案して,受注希望者間の話合いにより受注予定者を決定する
ウ 受注予定者が提示する入札価格等は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者が連絡した入札価格等以上の入札価格等を提示する
などにより,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた。
3 8社は,前記2により,特定農業施設工事の大部分を受注していた。
4(1) クボタは,前記1(1)ウのとおり,平成24年9月1日以降,別紙1記載の工事の施工を含む農業用施設に関する事業を営んでおらず,同日以降,前記2の合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為を行っていない。
(2) 平成25年11月19日,本件について,公正取引委員会が独占禁止法第47条第1項第4号の規定に基づく立入検査を行ったところ,翌日以降,前記2の合意に基づき受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにする行為は取りやめられている。
第2 法令の適用
 前記事実によれば,8社は,共同して,特定農業施設工事について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,特定農業施設工事の取引分野における競争を実質的に制限していたものであって,この行為は,独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当し,独占禁止法第3条の規定に違反するものである。このため,8社は,いずれも,独占禁止法第7条第2項第1号に該当する者である。また,6社については,違反行為が長期間にわたって行われていたこと,違反行為の取りやめが公正取引委員会の立入検査を契機としたものであること等の諸事情を総合的に勘案すれば,特に排除措置を命ずる必要があると認められる。
 よって,6社に対し,独占禁止法第7条第2項の規定に基づき,主文のとおり命令する。
平成27年3月26日

公 正 取 引 委 員 会

委員長 杉  本  和  行

委 員 小田切  宏  之

委 員 幕  田  英  雄

委 員 山  﨑     恒

委 員 山  本  和  史

別紙1

 農協等が,北海道の区域を除く全国において,一般競争入札,一般競争見積,指名競争入札,指名競争見積又は見積り合わせの方法により発注する穀物の乾燥・調製・貯蔵施設及び精米施設の製造請負工事等

別紙2

番号 用語 定義
1 農協等 農業協同組合,地方公共団体,農事組合法人,営利法人,任意組合及び全国農業協同組合連合会
2 穀物の乾燥・調製・貯蔵施設 穀物を乾燥,調製若しくは貯蔵する設備のいずれか又は複数を有する施設
3 精米施設 玄米の糠層を除去して白米に加工する施設
4 製造請負工事等 施工業者が,一定の性能等を有する機械,設備,装備等の工場製作,現場での組立て,据付け,調整等を一括して請け負って完成させる製造請負工事並びに当該工事及び建設工事が併せて発注される工事
5 施主代行業務 施主が,施行管理能力を有する者に委託する,基本設計の作成,実施設計書の作成又は検討,工事の施行(当該工事の施工業者決定のための入札等参加者の選定についての助言,入札等の執行の補助等の業務を含む。),施工管理等の業務

平成27年3月26日

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