公正取引委員会審決等データベース

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八木通商株式会社及び株式会社ベイクルーズ

景表法4条1項3号(4条3号)

平成16年(排)第21号

排除命令

大阪市中央区今橋三丁目2番1号
八木通商株式会社
同代表者 代表取締役 八 木 雄 三

東京都渋谷区神南一丁目5番6号
株式会社ベイクルーズ
同代表者 代表取締役 窪 田  祐

公正取引委員会は,上記の者らに対し,不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)第6条第1項の規定に基づき,次のとおり命令する。

主    文
1 八木通商株式会社及び株式会社ベイクルーズは,株式会社ベイクルーズの小売店舗を通じて一般消費者に販売したジー・ティー・アー モーダ社が製造したズボンの取引に関し,一般消費者の誤認を排除するために,平成12年2月ころから平成16年7月ころまでの間に行った,当該ズボンの原産国がルーマニアであるにもかかわらず,あたかも,イタリア共和国であるかのような表示は,事実と異なるものであり,かかる表示は,当該商品の原産国について一般消費者に誤認される表示である旨を速やかに公示しなければならない。この公示の方法については,あらかじめ,当委員会の承認を受けなければならない。
2 八木通商株式会社及び株式会社ベイクルーズは,今後,外国で製造されたズボンの取引に関し,前項の表示と同様の表示が行われることを防止するために必要な措置を講じ,これを自社の役員及び従業員に周知徹底させなければならない。
3 八木通商株式会社及び株式会社ベイクルーズは,今後,外国で製造されたズボンの取引に関し,第1項の表示と同様の表示を行うことにより,当該商品の原産国について一般消費者に誤認される表示をしてはならない。
4 八木通商株式会社及び株式会社ベイクルーズは,第1項に基づいて行った公示及び第2項に基づいて採った措置について,速やかに文書をもって当委員会に報告しなければならない。

事    実
1 八木通商株式会社(以下「八木通商」という。)は,肩書地に本店を置き,衣料品の輸入卸売業等を営む事業者であり,株式会社ベイクルーズ(以下「ベイクルーズ」という。)は,肩書地に本店を置き,衣料品の小売業等を営む事業者である。
2(1) 八木通商は,遅くとも平成12年2月ころ以降,イタリア共和国(以下「イタリア」という。)に所在するジー・ティー・アー モーダ社(以下「ジー・ティー・アー社」という。)が製造したズボン(以下「ジー・ティー・アー社製ズボン」という。)を同国に所在するピー・エム・ジー社を通じて輸入し,ベイクルーズに販売している。
(2) 八木通商は,ジー・ティー・アー社製ズボンの取引に際し,ベイクルーズに対し,当該商品の原産国がイタリアである旨説明していた。
(3) ベイクルーズは,八木通商に対して,ジー・ティー・アー社製ズボンを発注するに当たり,輸入者としての八木通商の商号等が記載された家庭用品品質表示法に基づく品質表示タッグ及びベイクルーズの商号等が記載された下げ札の作成並びに商品への取付けを委託しており,八木通商は,同品質表示タッグをジー・ティー・アー社製ズボンのウエスト部分の裏側に,同下げ札を同ウエスト部分にそれぞれ取り付けて,ジー・ティー・アー社製ズボンをベイクルーズに納入している。
(4) ベイクルーズは,前記(3)の品質表示タッグ及び下げ札が取り付けられたジー・ティー・アー社製ズボンを同社の小売店舗において一般消費者に販売している。
3 ズボンについては縫製された国がその商品の原産国であると認められるところ,八木通商及びベイクルーズは,平成12年2月ころから平成16年7月ころまでの間,ジー・ティー・アー社製ズボンをベイクルーズの小売店舗を通じて一般消費者に販売するに当たり,前記2(3)の品質表示タッグ及び下げ札に「イタリア製」と,それぞれ記載することにより,あたかも,当該商品の原産国がイタリアであるかのように表示していたが,実際には,ルーマニアにおいて縫製されたものであり,原産国がイタリアであると認められるものではなかった。

法 令 の 適 用
上記事実によれば,八木通商及びベイクルーズは,ジー・ティー・アー社製ズボンの原産国について,商品の原産国に関する不当な表示(昭和48年公正取引委員会告示第34号)第2項に該当する表示をしていたものであって,かかる行為は,不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律(平成15年法律第45号)附則第2条の規定により,同法附則第1条ただし書に規定する施行の日前に係る表示についてなお従前の例によることとされる改正前の景品表示法第4条第3号の規定に,また,同施行の日以後に係る表示について適用することとされる景品表示法第4条第1項第3号の規定に,それぞれ違反するものである。
よって,主文のとおり命令する。

平成16年11月24日

委員長  竹  島  一  彦
委 員  小  林     惇
委 員  柴  田  愛  子
委 員  三  谷     絋
委 員  山  田  昭  雄

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