公正取引委員会審決等データベース

独禁法7条の2

平成30年（納）第33号

課徴金納付命令

平成30年（納）第33号
課　徴　金　納　付　命　令　書

大阪市中央区難波五丁目1番5号
株式会社髙島屋
同代表者　代表取締役　《　氏　　名　》

公正取引委員会は，上記の者に対し，私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律（以下「独占禁止法」という。）第7条の2第1項の規定に基づき，次のとおり命令する。
なお，理由中の用語のうち，別紙「用語」欄に掲げるものの定義は，別紙「定義」欄に記載のとおりである。

主　　　　文
株式会社髙島屋（以下「髙島屋」という。）は，課徴金として金1780万円を平成31年2月13日までに国庫に納付しなければならない。

理　　　　由
1　課徴金に係る違反行為
髙島屋は，別添平成30年（措）第13号排除措置命令書（写し）記載のとおり，他の事業者と共同して，全日本空輸株式会社が平成25年11月1日に説明会を開催して新規に調達を開始した別表記載の全日空向け制服（以下「本件全日空向け制服」という。）について，受注すべき者（以下「受注予定者」という。）を決定し，受注予定者が受注できるようにする旨を合意することにより，公共の利益に反して，本件全日空向け制服の取引分野における競争を実質的に制限していたものであって，この行為は，独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当し，独占禁止法第3条の規定に違反するものであり，かつ，独占禁止法第7条の2第1項第1号に規定する商品の対価に係るものである。
2　課徴金の計算の基礎
(1)ア　髙島屋は，本件全日空向け制服の卸売業を営んでいた。
イ　髙島屋が前記1の違反行為の実行としての事業活動を行った日は，本件全日空向け制服に係る納入期間の最初の日である平成26年12月1日であると認められる。また，髙島屋は，平成29年5月23日以降，当該違反行為を行っておらず，同月22日にその実行としての事業活動はなくなっているものと認められる。したがって，髙島屋については，独占禁止法第7条の2第1項の規定により，実行期間は，平成26年12月1日から平成29年5月22日までとなる。
ウ　前記実行期間における本件全日空向け制服に係る髙島屋の売上額は，私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令第5条第1項の規定に基づき算定すべきところ，当該規定に基づき算定すると，別表記載のカテゴリー1の品目に係る12億7143万5792円である。
(2)　髙島屋は，独占禁止法第7条の2第11項第2号の規定により，公正取引委員会による事前通知を受けた日である平成30年6月13日前に，課徴金の減免に係る報告及び資料の提出に関する規則（平成17年公正取引委員会規則第7号。以下「課徴金減免規則」という。）第1条に定めるところにより，単独で，前記1の違反行為をした事業者のうち3番目に公正取引委員会に当該違反行為に係る事実の報告及び資料の提出を行った者であり，課徴金減免規則第2条に規定する提出期限までに，課徴金減免規則第3条及び第6条に定めるところにより，単独で，公正取引委員会に当該違反行為に係る事実の報告及び資料の提出を行った者である。また，髙島屋は，公正取引委員会による事前通知を受けた日である平成30年6月13日より以前である平成29年5月23日以後において，当該違反行為をしていた者でない。したがって，髙島屋は，独占禁止法第7条の2第11項第2号及び第4号に該当する者であり，同項の規定の適用を受ける事業者である。
(3)　髙島屋が国庫に納付しなければならない課徴金の額は，独占禁止法第7条の2第1項の規定により，前記12億7143万5792円に100分の2を乗じて得た額から，同条第11項の規定により当該額に100分の30を乗じて得た額を減額し，同条第23項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算出された1780万円である。

よって，髙島屋に対し，独占禁止法第7条の2第1項の規定に基づき，主文のとおり命令する。

平成30年7月12日

委員長　杉　　本　　和　　行
委　員　山　　本　　和　　史
委　員　三　　村　　晶　　子
委　員　青　　木　　玲　　子
委　員　小　　島　　吉　　晴