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三条印刷株式会社による執行停止申立事件

独禁法7条2
東京地方裁判所

令和4年(行ク)第71号

決定

札幌市東区北十条東十三丁目14番地
申立人 三条印刷株式会社
同代表者代表取締役 《X1》
同代理人弁護士 藤井大悟
同 新村豪紀
同 安藤庸博
東京都千代田区霞が関一丁目1番1号
相手方 公正取引委員会
同代表者委員長 古谷一之
同指定代理人 横手哲二
同 近藤智士
同 垣内晋治
同 河﨑渉
同 井登貴伸
同 並木悠
同 仲西寬一郎
同 櫻井裕介
同 馬渕弘亘
同 井上雅人
同 牧内佑樹
同 福井雅人
同 久野慎介
同 小倉皓介

主文
1 本件申立てを却下する。
2 申立費用は申立人の負担とする。
理由
第1 申立て
相手方が令和4年3月3日付けでした排除措置命令(令和4年(措)第2号)のうち、申立人に対して排除措置を命ずる部分は、本案判決の確定に至るまでその効力を停止する。
第2 事案の概要
1 事案
(1) 相手方は、令和4年3月3日、発注者から発注者の顧客のデータを預かり、データの編集・加工、印刷・印字、封入・封かん、発送準備等を行う業務(以下「データプリントサービス」という。)を請け負う事業者であった26社(申立人を含む。)が、日本年金機構の発注に係るデータプリントサービスの入札等に際し、共同して、受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定し、受注予定者が受注できるようにするなど私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独禁法」という。)2条6項に規定する不当な取引制限に該当し、同法3条の規定に違反する行為を行ったとして、申立人を含む25社に対し、同法7条2項に基づき、上記行為を取りやめていることを確認するなどの取締役会決議等を行い、当該決議を行ったことを自社を除く24社及び日本年金機構に通知することなどを命ずる排除措置命令(令和4年(措)第2号。以下「本件命令」という。)を行った。
(2) 本件は、申立人が、相手方に対し、本件命令のうち申立人に係る部分の取消しを求める訴訟(本案事件)を提起し、これを本案として、本件命令により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があると主張して、行政事件訴訟法25条2項本文に基づき、本案判決の確定まで本件命令の効力の停止を求める事案である。
2 前提事実
一件記録によれば、以下の事実が認められる。なお、認定に用いた疎明資料は、その番号(特記しない限り枝番を含む。)を各事実の末尾に括弧を付して掲げる。
(1) 申立人
申立人は、主に印刷業を営む株式会社である。
(2) 本件命令
相手方は、令和4年3月3日、申立人を含む別紙2の1項(1)~(25)記載の25社(以下「本件25社」という。)及び別紙2の2項記載の1社を合わせた26社(以下「本件26社」という。)が、共同して、別紙3記載のデータプリントサービス(以下「特定データプリントサービス」という。)について、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにする行為を行っており、当該行為が独禁法2条6項に規定する不当な取引制限に該当し、同法3条の規定に違反するものであるところ、当該行為は既になくなっているが、特に排除措置を命ずる必要があるとして、同法7条2項に基づき、申立人を含む本件25社に対し、別紙4記載の主文内容の排除措置命令(本件命令)をした(疎甲1)。
(3) 訴えの提起及び本件申立て
申立人は、令和4年3月4日、相手方に対し、本件命令には、事実認定の誤りがあるとして、本件命令のうち申立人に係る部分の取消しを求める訴訟(本案事件)を提起し、同月8日、本件命令の効力の停止を求める本件申立てを行った(疎甲7)。
(4) 指名停止の基準等
ア 中央省庁18機関及び特殊法人等72機関を会員とする中央公共工事契約制度運用連絡協議会は、工事請負契約等に係る入札参加有資格を有する者(以下「有資格業者」という。)のうち、一定の要件に該当するため契約を受注させるのにふさわしくない者について、一定の期間、入札参加資格を停止する措置(以下「指名停止」という。)に係る基準等を定める「工事請負契約に係る指名停止等の措置要領中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデル」(以下「本件モデル」という。)を策定し、その第1第1項及び別表第2第5号において、当該部局が所管する区域内において、業務に関し独禁法3条に違反し、工事の請負契約の相手方として不適当であると認められる有資格業者につき、部局長が、情状に応じて、当該認定をした日から2か月以上9か月以内の期間を定めて指名停止を行うものとする旨を定めている。本件モデルは、官公庁や日本年金機構が指名停止に係る措置要領を作成する際に参照されている(疎甲10、11、疎乙2、4)。
イ 厚生労働省は、「工事請負契約指名停止等措置要領」第1第1項、第11及び別表第2第5号において、物品の製造等の入札について、本件モデル第1第1項及び別表第2第5号(前記ア)と同旨を定めている(疎甲12)。
ウ 日本年金機構は、「競争参加資格停止措置要領」(以下「日本年金機構要領」という。)3条1項及び別表第2第4項において、日本年金機構が締結した契約に関し、独禁法3条に違反し、契約の相手方として不適当であると認められる有資格業者につき、情状に応じて当該認定をした日から3か月以上12か月以内の期間を定めて指名停止を行うものとする旨を定めている(疎乙2)。
エ 北海道は、「競争入札参加資格者指名停止事務処理要領」(以下「北海道要領」という。)第2第1項及び別表第2第14号において、北海道外において業務に関し独禁法3条の規定に違反し、契約の相手方として不適当であると認められる有資格業者につき、知事が、情状に応じて当該認定をした日から3か月以上12か月以内の期間を定めて、指名停止を行うものとする旨を定めている(疎乙5)。
オ 札幌市は、①「札幌市競争入札参加停止等措置要領」(以下「札幌市要領」という。)1条1項及び別表第2第2号において、札幌市との契約以外の業務に当たって独禁法3条に違反したと認められる有資格業者につき、市長が、情状に応じて、4か月以上18か月以内の期間を定めて、指名停止を行うものとする旨を定め、②「札幌市競争入札参加停止等措置要領運用指針」第16第1項において、排除措置命令があったときをもって独禁法3条に違反したと判断する旨を定めている(疎甲17、18)。
カ 国税庁の入札においては、各省各庁から指名停止等を受けていない者であることが参加資格とされている場合がある(疎甲20)。
(5) 業務実績に関する入札参加資格
日本年金機構の入札においては、過去3年以内に当該業務又は類似の業務を相当量完了した実績を有している者であることが参加資格とされている場合がある(疎甲21)。
(6) 申立人が受けた指名停止等の状況
ア 申立人は、令和4年3月8日、北海道知事から、本件命令を受けたことが北海道要領別表第2第14項に該当するとして、同月9日から同年6月8日までの間、北海道が行う物品の購入等に係る指名競争入札に関する指名を停止する旨の通知を受けた。申立人が上記指名停止を受けたことは、遅くとも同年3月9日以降、北海道のホームページにおいて公開されている(疎甲15、16)。
イ 申立人は、日本年金機構が令和3年12月13日を開札日として行った帳票の作成業務に係る入札において、上記業務を落札していたところ、令和4年3月11日、日本年金機構から、上記落札に係る契約を取り下げる旨の連絡を受けた(疎甲19)。
3 争点及び争点に関する当事者の主張
本件の争点は、(1)「重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき」(行政事件訴訟法25条2項)に当たるか否か(争点1)、(2)「公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき」(同条4項)に該当するか否か(争点2)、(3)「本案について理由がないとみえるとき」(同項)に当たるか否か(争点3)である。これらの争点に関する申立人の主張は別紙5(令和4年3月8日付け執行停止申立書)及び別紙6(令和4年3月15日付け訂正申立書)の第1記載のとおりであり、相手方の主張は別紙7(令和4年3月22日付け意見書)記載のとおりである。
第3 当裁判所の判断
1 争点1(「重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき」に当たるか否か)について
(1) 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(行政事件訴訟法13条3項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下「処分」という。)については、その取消訴訟が提起されても、処分の効力、処分の執行又は手続の続行(以下「処分の執行等」という。)は妨げられないものとされており(同法25条1項。いわゆる執行不停止の原則)、裁判所は、処分の執行等により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるとして当該取消訴訟の原告から申立てがあった場合に限り、その処分の執行等の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)をすることができる(同条2項本文)。そして、重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとされ(同条3項)、他方、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、執行停止をすることができない(同条4項)。
(2) これらの執行停止の要件に関する規定の趣旨に照らすと、行政事件訴訟法25条2項本文にいう「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」か否かについては、処分の執行等により維持される行政目的の達成の必要性を踏まえた処分の内容及び性質と、これによって申立人が被ることとなる損害の性質及び程度とを、損害の回復の困難の程度を考慮した上で比較衡量し、処分の執行等による行政目的の達成の必要性を一時的に犠牲にしてもなおこれを停止して申立人を救済しなければならない緊急の必要性があるか否かという観点から検討すべきである。
そして、処分の執行等によって申立人が被ることとなる損害が経済的損失である場合には、経済的損失は、基本的には事後の金銭賠償によるてん補が可能であることに鑑みれば、経済的損失が発生するおそれを理由として、上記緊急の必要性があるといえるためには、当該経済的損失の発生につき事後の金銭賠償によってはその回復が困難又は不相当であると認められるような事情が存することが必要であるというべきである。
(3) そこで、前記(2)の観点から、申立人の主張について、以下検討する。
ア 申立人は、独禁法に基づく排除措置命令がされた場合、これを知った官公庁及び地方公共団体(以下「官公庁等」という。)が同命令の名宛人に対して速やかに指名停止を行うことになるから、本件命令の執行等により、当該官公庁等の業務を受注することができなくなる上、他の官公庁から指名停止を受けていないことを入札参加時の誓約事項とする官公庁の入札に参加できなくなるため、申立人の経営そのものに直結する重大な損害が生ずると主張する。
この点、前提事実によれば、一般に、官公庁等は、独禁法3条に違反して不当な取引制限を行い、契約の相手方として不適当であると認められる有資格業者について、一定期間を定めて指名停止を行うものとする要領を定めており、また、他の官公庁等から指名停止を受けていないことを入札の参加資格と定めている場合もある(前提事実(4))。また、申立人は、令和4年3月3日、不当な取引制限を行って同条に違反したとして相手方から本件命令を受けたのであり(前提事実(2))、同月8日、北海道知事から、本件命令を受けたことを理由に指名停止を受け(前提事実(6)ア)、その後、経済産業省からも指名停止を受けたと主張するのであるから、今後も、官公庁等から本件命令を理由に指名停止を受ける可能性がある。
しかしながら、申立人の主張及び申立人代表者の陳述書(疎甲9)を前提としても、①申立人の直近年度における売上高合計は、≪金額≫であるところ、このうち官公庁等の入札に係る売上高は、約≪金額≫(上記売上高合計の約23%)であり、これは多数の官公庁等との取引に係るものであって、その契約日又は受注日も(個々の取引の売上高の多寡は措くとしても)年間を通じて分散していて必ずしも特定の月に集中していたものではないというのである。しかも、前提事実によれば、②有資格業者が独禁法3条に違反したことを理由とする指名停止の期間について、官公庁等の指名停止に係る措置要領の作成時に参照された本件モデルにおいては2か月以上9か月以内、日本年金機構要領及び北海道要領においては3か月以上12か月以内、札幌市要領においては4か月以上18か月以内と定めており(前提事実(4)ア、ウ、エ、オ)、③申立人が北海道知事から受けた指名停止の期間は、令和4年3月9日から同年6月8日までの3か月間であった(前提事実(6)ア)。
以上の事実に照らすと、④本件命令後、日本年金機構が本件命令前の入札で申立人が落札した契約を取り下げたこと(前提事実(6)イ)を加味しても、申立人は、官公庁等が指名停止を行う時期によるものの、本件命令から1年程度の間は官公庁の入札に参加できない可能性があり、最大で申立人の年間売上高合計の約23%相当の経済的損失を被るおそれがあるにとどまるものというべきである。
また、申立人の売上高以外の経営状況に関する具体的事実については、疎明がされていない。
イ 申立人は、官公庁等(特に日本年金機構)の入札においては、事前審査において直近3年間での同種落札案件の記載が必要となるなど、受注実績が落札者を決定する一つの要素となっているため、指名停止の期間中に受注実績を得られないことにより、将来の入札において不利になる可能性が高いとも主張する。
しかしながら、前提事実によれば、日本年金機構の入札においては、過去3年以内に当該業務又は類似の業務を相当量完了した実績を有している者であることが参加資格とされている場合がある(前提事実(5))が、ここでいう「当該業務又は類似の業務」の範囲及び「相当量」に係る具体的な基準は判然としない上、申立人代表者の陳述書(疎甲9)によれば、申立人は直近年度において日本年金機構の入札に係る業務を63件受注したというのであり、前記ア②③の事実によれば、申立人が本件命令を理由として指名停止を受ける期間は限定的であることに照らすと、申立人が当該指名停止の期間中に官公庁等の入札に係る業務を受注できなかったことにより、当該指名停止期間経過後の日本年金機構の入札における参加資格を満たすために必要な受注実績を欠くことになるとの疎明がされているとはいえない。
そして、日本年金機構以外の官公庁等の入札については、受注実績が参加資格とされているとの疎明はないから、申立人が本件命令を理由とする指名停止の期間中に上記官公庁等の入札に係る業務を受注できなかったことにより、当該指名停止期間経過後の上記官公庁等の入札において受注に不利益が生ずるとの疎明がされているとはいえない。
ウ 申立人は、本件命令の内容を履行した場合、取引先や世間から違反行為を自認したものと受け取られ、一方、仮に本件命令の内容を履行しない場合、法令を遵守しないとして、いずれにしても、申立人の社会上・業務上の信用が失墜すると主張する。
しかしながら、本件命令は、申立人に対し、その取締役会で所定の事項を決議し、自社以外の本件25社及び日本年金機構に対する通知等をすること等を命ずるにとどまり、取引先や一般人に対する何らかの公表を命ずるものではない上(前提事実(2))、申立人は、取引先等に対し、本件命令に記載された申立人の違反行為が存在しないことや申立人が本件命令の取消訴訟を提起してその適法性を争っていることを説明することはできるのである。そうすると、申立人が本件命令の内容を履行すること又は履行しないことが、直ちに上記違反行為を自認したもの又は法令違反行為を行ったものと取引先等に受け取られるとはいえない。また、仮に、本件命令の執行等によって申立人の社会上・業務上の信用が一定程度低下することがあったとしても、以上に説示したところに照らすと、このような信用低下による経済的損失は、事後の損害賠償等の方法によって優に回復し得る程度のものにとどまるものというべきである。
したがって、本件命令の執行等によって申立人が主張するような社会上・業務上の信用の低下が生じるとの疎明がされているとはいえない。
エ 以上によれば、申立人が本件命令の執行等により最大で年間売上高合計の約23%相当の売上高の減少という経済的損失を被るおそれがあるとしても(前記ア)、その売上減少の程度及び期間に加え、申立人の売上高以外の経営状況に関する具体的事実についての疎明はされていないこと(前記ア)、本件命令を理由とする指名停止の期間経過後の上記官公庁等の入札において受注に不利益が生ずるとの疎明がされているとはいえないこと(前記イ)、本件命令の執行等によって申立人が主張するような社会上・業務上の信用の低下が生じるとの疎明がされているとはいえないこと(前記ウ)に照らすと、申立人指摘の事情(申立人が令和3年度に落札した国税庁等の業務と同種の業務に関する令和4年度の入札の開札日が令和4年3月30日から同年4月14日までの間に複数予定されていること)を十分考慮しても、上記経済的損失を被るおそれは、これによって直ちに申立人の事業の遂行に著しい支障を来すとはいい難く、事後の損害賠償等の方法によって優に回復し得る程度のものにとどまるものというべきである。
そうすると、本件命令の執行等によって申立人が受ける損害は、事後の金銭賠償によってはその回復が困難又は不相当であると認められるような事情が存するものとは認められない。その他、本件命令の執行等による行政目的(不当な取引制限を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、もって、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進すること。独禁法1条参照)の達成の必要性を一時的に犠牲にしてもなおこれを停止して申立人を救済しなければならない緊急の必要性の存在をうかがわせる事情を認めるに足りる疎明はない。
したがって、本件は、「重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき」に当たるものとはいえない。申立人の上記主張は、採用することができない。
2 結論
以上によれば、本件申立ては、その余の点について判断するまでもなく理由がないからこれを却下することとし、主文のとおり決定する。

令和4年3月29日

東京地方裁判所民事第8部
裁判長裁判官 林 史高
裁判官 渡部みどり
裁判官 川村久美子

(別紙1)
当事者目録
札幌市東区北十条東十三丁目14番地
申立人 三条印刷株式会社
同代表者代表取締役 《X1》
同代理人弁護士 藤井大悟
同 新村豪紀
同 安藤庸博
東京都千代田区霞が関一丁目1番1号
相手方 公正取引委員会
同代表者委員長 古谷一之
同指定代理人 横手哲二
同 近藤智士
同 垣内晋治
同 河﨑渉
同 井登貴伸
同 並木悠
同 仲西寬一郎
同 櫻井裕介
同 馬渕弘亘
同 井上雅人
同 牧内佑樹
同 福井雅人
同 久野慎介
同 小倉皓介

(別紙2)
1 本件命令の名宛人
(1) 東洋紙業株式会社
(2) ナカバヤシ株式会社
(3) 共同印刷株式会社
(4) 株式会社ビー・プロ
(5) 株式会社谷口製作所
(6) トッパン・フォームズ株式会社
(7) 株式会社ディーエムエス
(8) 小林クリエイト株式会社
(9) 光ビジネスフォーム株式会社
(10) 東洋印刷株式会社
(11) 株式会社イセトー
(12) 株式会社TLP
(13) カワセコンピュータサプライ株式会社
(14) 株式会社恵和ビジネス
(15) 株式会社タナカ
(16) 株式会社ディーソル
(17) 株式会社アイネット
(18) 株式会社アテナ
(19) 日本電算機用品株式会社
(20) エースビジネスフォーム株式会社
(21) 株式会社高速
(22) 塚田印刷株式会社
(23) 株式会社エム・エフ・テック
(24) 株式会社田中印刷
(25) 三条印刷株式会社(申立人)

2 本件命令の名宛人以外の違反行為者
北越パッケージ株式会社
以上

(別紙3)
日本年金機構が一般競争入札又は見積り合わせの方法により発注する下表記載の業務に係るデータプリントサービス
番号 名称
1 ねんきん定期便の作成及び発送準備業務(直近1年間通知者用)
2 ねんきん定期便の作成及び発送準備業務(全期間通知者用)
3 複数年金受給者の年金額改定通知書等の作成及び発送準備業務
4 統合通知書等の作成及び発送準備業務
5 国民年金過年度保険料催告状兼納付書の作成及び発送準備業務
6 国民年金保険料納付書(7月定時分)の作成及び発送準備業務
7 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書の作成及び発送準備業務
8 年金振込通知書の作成及び発送準備業務(8月定期支払分)
9 年金振込通知書の作成及び発送準備業務(10月定期支払分)
10 年金振込通知書の作成及び発送準備業務(年間分)
11 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の作成及び発送準備業務
12 国民年金保険料納付書(4月定時分)の作成及び発送準備業務
13 国民年金保険料の年末・年度末収納対策用納付書の作成及び発送準備業務
14 国民年金保険料納付書(随時分)の作成及び発送準備業務
15 公的年金等の源泉徴収票の作成及び発送準備業務
16 年金振込通知書の作成及び発送準備業務(6月定期支払 端数非改定者分)
17 5年後納制度のお知らせの作成及び発送準備業務
18 算定基礎届等及び賞与支払届等の作成及び発送準備業務
19 保険料納入告知額・領収済額通知書の作成及び発送準備業務
20 年金生活者支援給付金請求書(ハガキ形式のターンアラウンド請求書)の作成及び発送準備業務
21 年金生活者支援給付金 支給決定通知書・不該当通知書の作成及び発送準備業務
22 年金生活者支援給付金 振込通知書(定時・随時)の作成及び発送準備業務
以上

(別紙4)
1 本件25社は、それぞれ、次の事項を、取締役会(取締役会設置会社でない場合にあっては、株主総会)において決議しなければならない。
(1) 特定データプリントサービスについて、本件26社が、遅くとも平成28年5月6日以降(申立人にあっては、平成29年4月7日以降)共同して行っていた、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認すること
(2) 今後、相互の間において、又は他の事業者と共同して、特定データプリントサービスについて、受注予定者を決定せず、自主的に受注活動を行うこと
(3) 今後、相互に、又は他の事業者と、特定データプリントサービスの受注に関する情報交換を行わないこと
2 本件25社は、それぞれ、前項に基づいて採った措置を、自社を除く24社及び日本年金機構に通知し、かつ、自社の従業員に周知徹底しなければならない。これらの通知及び周知徹底の方法については、あらかじめ、相手方の承認を受けなければならない。
3 本件25社は、今後、それぞれ、相互の間において、又は他の事業者と共同して、特定データプリントサービスについて、受注予定者を決定してはならない。
4 東洋紙業株式会社、ナカバヤシ株式会社、共同印刷株式会社、株式会社ピー・プロ及び株式会社谷口製作所(以下「東洋紙業ほか4社」という。)は、それぞれ、次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。この措置の内容については、前項で命じた措置が遵守されるために十分なものでなければならず、かつ、あらかじめ、相手方の承認を受けなければならない。
(1) 官公需の受注に関する独禁法の遵守についての行動指針の作成又は改定及び自社の従業員に対する周知徹底
(2) 官公需の受注に関する独禁法の遵守についての、データプリントサービスの入札に関与する者に対する定期的な研修及び法務担当者等による定期的な監査
5 東洋紙業ほか4社は、第1項、第2項及び前項に基づいて取った措置を、本件25社のうち東洋紙業ほか4社を除く20社は、第1項及び第2項に基づいて採った措置を、それぞれ、速やかに相手方に報告しなければならない。
以上


(別紙5~7 省略)
注釈 《 》部分は,公正取引委員会事務総局において原文に匿名化等の処理をしたものである。

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