公正取引委員会審決等データベース

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独立行政法人地域医療機能推進機構が発注する医薬品の入札参加業者に対する件

独禁法第7条の2

令和4年(納)第29号

課徴金納付命令

納付命令番号 納付義務者 納付すべき課徴金の額
(万円)
備考
(関係審決)
令和4年(納)第29号 アルフレッサ株式会社  東京都千代田区内神田一丁目12番1号 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ 1億7562万円
令和4年(納)第30号 東邦薬品株式会社 東京都世田谷区代沢五丁目2番1号 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ 1億6189万円
令和4年(納)第31号 株式会社スズケン 名古屋市東区東片端町8番地 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ 8634万円

東京都千代田区内神田一丁目12番1号
アルフレッサ株式会社
同代表者 代表取締役 《 氏  名 》

公正取引委員会は,上記の者に対し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第7条の2第1項の規定に基づき,次のとおり命令する。
なお,理由,別紙2,別紙3,別表1及び別表2中の用語のうち,別紙1「用語」欄に掲げるものの定義は,別紙1「定義」欄に記載のとおりである。

主    文
アルフレッサ株式会社(以下「アルフレッサ」という。)は,課徴金として金1億7562万円を令和4年10月31日までに国庫に納付しなければならない。

理    由
1  課徴金に係る違反行為
アルフレッサは,別添令和4年(措)第3号排除措置命令書(写し)記載のとおり,他の事業者と共同して,
(1)  独立行政法人地域医療機能推進機構(以下「JCHO」という。)が平成28年に別表1のとおり実施した一般競争入札の調達内容である医薬品(以下「平成28年入札医薬品」という。)のうち「藤本製薬」の医薬品を除く医薬品について,受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,平成28年入札医薬品の取引分野における競争を実質的に制限していた
(2)  JCHOが平成30年に別表2のとおり実施した一般競争入札の調達内容である医薬品(以下「平成30年入札医薬品」という。)について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,平成30年入札医薬品の取引分野における競争を実質的に制限していた
ものであって,これらの行為は,それぞれ,独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当し,独占禁止法第3条の規定に違反するものであり,かつ,独占禁止法第7条の2第1項に規定する商品の対価に係るものである。
2  課徴金の計算の基礎
(1) ア アルフレッサは,平成28年入札医薬品及び平成30年入札医薬品の卸売業を営んでいた。
イ(ア) アルフレッサが前記1⑴の違反行為の実行としての事業活動を行った日は,平成28年入札医薬品に係る納入期間の最初の日である平成28年7月1日であると認められる。また,アルフレッサは,平成30年7月1日以降,当該違反行為を行っておらず,同年6月30日にその実行としての事業活動はなくなっているものと認められる。
したがって,アルフレッサについては,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第45号。以下「改正法」という。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる改正法による改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「改正前の独占禁止法」という。)第7条の2第1項の規定により,前記1⑴の違反行為の実行期間は,平成28年7月1日から平成30年6月30日までとなる。
(イ) アルフレッサが前記1⑵の違反行為の実行としての事業活動を行った日は,平成30年入札医薬品に係る納入期間の最初の日である平成30年7月1日であると認められる。また,アルフレッサは,令和元年11月27日以降,当該違反行為を行っておらず,同月26日にその実行としての事業活動はなくなっているものと認められる。
したがって,アルフレッサについては,改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる改正前の独占禁止法第7条の2第1項の規定により,前記1⑵の違反行為の実行期間は,平成30年7月1日から令和元年11月26日までとなる。
ウ 前記実行期間における平成28年入札医薬品及び平成30年入札医薬品に係るアルフレッサの売上額は,改正法附則第6条第1項のなお従前の例によることとする規定により,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和2年政令第260号)による改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令第5条第1項の規定に基づき算定すべきところ,当該規定に基づき算定すると,
(ア) 平成28年入札医薬品については別紙2記載の医薬品群に含まれる医薬品に係る113億2025万7780円
(イ) 平成30年入札医薬品については別紙3記載の医薬品群に含まれる医薬品に係る101億5267万8558円
である。
(2) ア アルフレッサは,前記1⑴の違反行為について,改正前の独占禁止法第7条の2第11項第3号の規定により,公正取引委員会による当該違反行為に係る事件についての調査開始日である令和2年10月13日前に,課徴金の減免に係る事実の報告及び資料の提出に関する規則(令和2年公正取引委員会規則第3号)による改正前の課徴金の減免に係る報告及び資料の提出に関する規則(平成17年公正取引委員会規則第7号。以下「改正前の課徴金減免規則」という。)第1条に定めるところにより,単独で,当該違反行為をした事業者のうち4番目に公正取引委員会に当該違反行為に係る事実の報告及び資料の提出を行った者であり,改正前の課徴金減免規則第2条に規定する提出期限までに,改正前の課徴金減免規則第3条及び第6条に定めるところにより,単独で,公正取引委員会に当該違反行為に係る事実の報告及び資料の提出を行った者である。また,アルフレッサは,公正取引委員会による当該違反行為に係る事件についての調査開始日である令和2年10月13日以後において,当該違反行為をしていた者でない。
したがって,アルフレッサは,改正法附則第6条第5項の規定によりなお従前の例によることとされる改正前の独占禁止法第7条の2第11項第3号及び第4号に該当する者であり,同項の規定の適用を受ける事業者である。
イ アルフレッサは,前記1⑵の違反行為について,改正前の独占禁止法第7条の2第12項第1号の規定により,公正取引委員会による当該違反行為に係る事件についての調査開始日である令和元年11月27日以後,改正前の課徴金減免規則第5条に規定する期日までに,改正前の課徴金減免規則第4条及び第6条に定めるところにより,単独で,公正取引委員会に当該違反行為に係る事実の報告及び資料の提出(既に公正取引委員会によって把握されている事実に係るものを除く。)を行った者であり,当該報告及び資料の提出を行った日以後において当該違反行為をしていた者でない。また,当該違反行為について,改正前の独占禁止法第7条の2第10項第1号又は第11項第1号から第3号までの規定による報告及び資料の提出を行った者の数は5に満たないところ,これらの規定による報告及び資料の提出を行った者の数と,同条第12項第1号の規定による報告及び資料の提出を行った者(以下「調査開始日以後の申請事業者」という。)であってアルフレッサより先に改正前の課徴金減免規則第4条第1項に規定する報告書の提出を行った者の数を合計した数は5に満たず,かつ,調査開始日以後の申請事業者であってアルフレッサより先に同項に規定する報告書の提出を行った者の数を合計した数は3に満たない。
したがって,アルフレッサは,改正法附則第6条第5項の規定によりなお従前の例によることとされる改正前の独占禁止法第7条の2第12項の規定の適用を受ける事業者である。
(3) アルフレッサは,前記1の違反行為に係る事件と同一の事件について,令和3年6月30日に東京地方裁判所で不当な取引制限の罪により罰金2億5000万円に処せられ,同裁判は同年7月15日に確定している。
したがって,アルフレッサは,独占禁止法第7条の7第1項の規定の適用を受ける事業者である。
(4) アルフレッサが国庫に納付しなければならない課徴金の額は,改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる改正前の独占禁止法第7条の2第1項の規定により,
ア 前記平成28年入札医薬品の売上額の113億2025万7780円に100分の2を乗じて得た額から,改正法附則第6条第5項の規定によりなお従前の例によることとされる改正前の独占禁止法第7条の2第11項の規定により当該額に100分の30を乗じて得た額を減額して算出した額
イ 前記平成30年入札医薬品の売上額の101億5267万8558円に100分の2を乗じて得た額から,改正法附則第6条第5項の規定によりなお従前の例によることとされる改正前の独占禁止法第7条の2第12項の規定により当該額に100分の30を乗じて得た額を減額して算出した額
を合計した額に代えて,独占禁止法第7条の7第1項の規定によりその額から前記罰金額の2分の1に相当する1億2500万円を控除し,独占禁止法第7条の8第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算出された1億7562万円である。

よって,アルフレッサに対し,独占禁止法第7条の2第1項の規定に基づき,主文のとおり命令する。

令和4年3月30日

委員長  古  谷  一  之
委 員  山  本  和  史
委 員  青  木  玲  子
委 員  小  島  吉  晴

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