公正取引委員会審決等データベース

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旧一般電気事業者らに対する件

独禁法第7条の2

令和05年(納)第6号

課徴金納付命令

納付命令番号 納付義務者 納付すべき課徴金の額
(万円)
備考
(関係審決)
令和5年(納)第6号 中部電力株式会社 名古屋市東区東新町1番地 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ 201億8338万円
令和5年(納)第7号 中部電力ミライズ株式会社 名古屋市東区東新町1番地 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ 73億7252万円

名古屋市東区東新町1番地
中部電力株式会社
同代表者 代表取締役 《 氏   名 》

公正取引委員会は、上記の者に対し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第7条の2第1項の規定に基づき、次のとおり命令する。
なお、理由、別紙1及び別紙2中の用語のうち、別紙2「用語」欄に掲げるものの定義は、別紙2「定義」欄に記載のとおりである。

主    文
中部電力株式会社(以下「中部電力」という。)は、課徴金として金201億8338万円を令和5年10月31日までに国庫に納付しなければならない。

理    由
1  課徴金に係る違反行為
中部電力は、別紙1記載のとおり、他の事業者と共同して、中部電力管内又は関西電力管内(以下「2地区」という。)に所在する大口顧客に対して小売供給を行う電気について、互いに、相手方の供給区域において相手方が小売供給を行う大口顧客の獲得のための営業活動を制限することを合意することにより、公共の利益に反して、2地区に所在する大口顧客に対して小売供給を行う電気の取引分野における競争を実質的に制限していたものであって、この行為は、独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当し、独占禁止法第3条の規定に違反するものであり、かつ、独占禁止法第7条の2第1項に規定する商品の対価に係るものであり、商品の取引の相手方を実質的に制限することによりその対価に影響することとなるものである。
2  課徴金の計算の基礎
(1) ア 中部電力は、2地区に所在する大口顧客に対して小売供給を行う電気(中部電力及び関西電力株式会社(以下「関西電力」という。)の2社(以下「2社」という。)がそれぞれ自社の供給区域において小売供給を行うものに限る。以下同じ。)の卸売業を営んでいた者であるが、令和2年4月1日付けで、中部電力ミライズ株式会社(以下「中部電力ミライズ」という。)に対し、吸収分割により同事業を承継させ、同日以降、同事業を営んでいない。
イ 中部電力が前記1の違反行為の実行としての事業活動を行った日は、中部電力が、前記1の合意に基づき関西電力管内に所在する関西電力が小売供給を行う大口顧客の獲得のための営業活動を制限し、中部電力管内に所在する大口顧客に対し電気料金の水準を維持して小売供給を行った平成30年11月2日であると認められる。また、中部電力は、令和2年4月1日以降、当該違反行為を行っておらず、同年3月31日にその実行としての事業活動はなくなっているものと認められる。したがって、中部電力については、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第45号。以下「改正法」という。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる改正法による改正前の独占禁止法(以下「改正前の独占禁止法」という。)第7条の2第1項の規定により、実行期間は、平成30年11月2日から令和2年3月31日までとなる。
ウ 前記実行期間における2地区に所在する大口顧客に対して小売供給を行う電気に係る中部電力の売上額は、改正法附則第6条第1項のなお従前の例によることとする規定により、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和2年政令第260号)による改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令第5条第1項の規定に基づき算定すべきところ、当該規定に基づき算定すると、1兆2614億6134万4000円である。
(2)  中部電力は、公正取引委員会による調査開始日である令和3年4月13日の1月前の日までに前記1の違反行為をやめており、当該違反行為に係る実行期間が2年未満であるので、改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる改正前の独占禁止法第7条の2第6項の規定の適用を受ける事業者である。
(3)  中部電力が国庫に納付しなければならない課徴金の額は、改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる改正前の独占禁止法第7条の2第1項及び第6項の規定により、前記1兆2614億6134万4000円に100分の1.6を乗じて得た額から、独占禁止法第7条の8第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算出された201億8338万円である。

よって、中部電力に対し、独占禁止法第7条の2第1項の規定に基づき、主文のとおり命令する。

令和5年3月30日

委員長  古  谷  一  之
委 員  山  本  和  史
委 員  三  村  晶  子
委 員  青  木  玲  子
委 員  𠮷  田  安  志

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