公正取引委員会審決等データベース

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旧一般電気事業者らに対する件

独禁法第7条の2

令和05年(納)第9号

課徴金納付命令

納付命令番号 納付義務者 納付すべき課徴金の額
(万円)
備考
(関係審決)
令和5年(納)第9号 九州電力株式会社 福岡市中央区渡辺通二丁目1番82号 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ 27億6223万円

福岡市中央区渡辺通二丁目1番82号
九州電力株式会社
同代表者 代表取締役 《 氏   名 》

公正取引委員会は、上記の者に対し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第7条の2第1項の規定に基づき、次のとおり命令する。
なお、理由及び別紙中の用語のうち、別紙「用語」欄に掲げるものの定義は、別紙「定義」欄に記載のとおりである。

主    文
九州電力株式会社(以下「九州電力」という。)は、課徴金として金27億6223万円を令和5年10月31日までに国庫に納付しなければならない。

理    由
1  課徴金に係る違反行為
九州電力は、別添1令和5年(措)第4号排除措置命令書(写し)記載のとおり、他の事業者と共同して、九州電力管内又は関西電力管内(以下「2地区」という。)に所在する官公庁等(競争入札等により自らが使用する電気の供給者を決定する者に限る。以下同じ。)に対して小売供給を行う電気について、互いに、相手方の供給区域において平成30年10月12日以降順次実施される官公庁入札等で安値による電気料金の提示を制限することを合意することにより、公共の利益に反して、2地区に所在する官公庁等に対して小売供給を行う電気の取引分野における競争を実質的に制限していたものであって、この行為は、独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当し、独占禁止法第3条の規定に違反するものであり、かつ、独占禁止法第7条の2第1項に規定する商品の対価に係るものである。
2  課徴金の計算の基礎
(1) ア 九州電力は、2地区に所在する官公庁等に対して小売供給を行う電気(平成30年10月12日以降順次実施される官公庁入札等に係るものに限る。以下同じ。)の発電事業を営んでいた。
イ 九州電力が前記1の違反行為の実行としての事業活動を行った日は、前記1記載の合意の日以降最初に、九州電力が九州電力管内に所在する官公庁等が実施する官公庁入札等において入札した日である平成30年10月16日であると認められる。また、九州電力は、令和2年10月29日以降、当該違反行為を行っておらず、同月28日にその実行としての事業活動はなくなっているものと認められる。したがって、九州電力については、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第45号。以下「改正法」という。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる改正法による改正前の独占禁止法(以下「改正前の独占禁止法」という。)第7条の2第1項の規定により、実行期間は、平成30年10月16日から令和2年10月28日までとなる。
ウ 前記実行期間における2地区に所在する官公庁等に対して小売供給を行う電気に係る九州電力の売上額は、改正法附則第6条第1項のなお従前の例によることとする規定により、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和2年政令第260号)による改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令第5条第1項の規定に基づき算定すべきところ、当該規定に基づき算定すると、394億6050万2384円である。
(2) 九州電力は、独占禁止法第7条の4第3項第1号及び第4項の規定により、公正取引委員会による調査開始日である令和3年7月13日以後、課徴金の減免に係る事実の報告及び資料の提出に関する規則(令和2年公正取引委員会規則第3号。以下「課徴金減免規則」という。)第8条に規定する期日までに、課徴金減免規則第7条、第9条及び第10条に定めるところにより、九電みらいエナジー株式会社(以下「九電みらいエナジー」という。)と共同して、公正取引委員会に前記1の違反行為に係る事実の報告及び資料の提出(既に公正取引委員会によって把握されている事実に係るものを除く。)を行っている。また、九州電力及び九電みらいエナジーは、当該事実の報告及び資料の提出の時において、並びに、共同して当該違反行為をした全期間において、相互に独占禁止法第2条の2第2項に規定する子会社等の関係にあったことから、独占禁止法第7条の4第4項第1号及び第2号に該当する。したがって、当該事実の報告及び資料の提出は、独占禁止法第7条の4第4項の規定により、単独で行ったものとみなされる。また、九州電力及び九電みらいエナジーは、いずれも、当該事実の報告及び資料の提出を行った日以後において当該違反行為をしていた者でない。また、当該違反行為について、独占禁止法第7条の4第1項第1号又は第2項第1号から第3号までの規定による事実の報告及び資料の提出を行った者の数は5に満たないところ、これらの規定による事実の報告及び資料の提出を行った者の数と、同条第3項第1号の規定による事実の報告及び資料の提出を行った者(以下「調査開始日以後の申請事業者」という。)であって九州電力及び九電みらいエナジーより先に課徴金減免規則第7条第1項に規定する報告書の提出を行った者の数を合計した数は5に満たず、かつ、調査開始日以後の申請事業者であって九州電力及び九電みらいエナジーより先に同項に規定する報告書の提出を行った者の数を合計した数は3に満たない。したがって、九州電力は、独占禁止法第7条の4第3項第1号及び第3号に該当する者であり、同項の規定の適用を受ける事業者であるから、九州電力が同項の規定により減額を受ける額は、減算前課徴金額に100分の10を乗じて得た額となる。
(3) 九州電力は、公正取引委員会との間で、独占禁止法第7条の5第1項の規定に基づき、別添2合意書(抜粋)のとおり合意し、同合意書第1条に掲げる行為を行った。したがって、九州電力が、独占禁止法第7条の5第3項の規定により、合意の内容に応じ、独占禁止法第7条の4第3項の規定により減額を受ける額に加えて減額を受ける額は、減算前課徴金額に100分の20を乗じて得た額となる。
(4) 九州電力が国庫に納付しなければならない課徴金の額は、改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる改正前の独占禁止法第7条の2第1項の規定により、前記394億6050万2384円に100分の10を乗じて得た額から、独占禁止法第7条の4第3項及び第7条の5第3項の規定により当該額に100分の30を乗じて得た額を減額し、独占禁止法第7条の8第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算出された27億6223万円である。

よって、九州電力に対し、独占禁止法第7条の2第1項の規定に基づき、主文のとおり命令する。

令和5年3月30日

委員長  古  谷  一  之
委 員  山  本  和  史
委 員  三  村  晶  子
委 員  青  木  玲  子
委 員  𠮷  田  安  志

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