公正取引委員会審決等データベース

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東邦瓦斯供給区域に所在する大口需要家が発注する都市ガスの見積り合わせ等の参加業者に対する件

独禁法第7条の2

令和06年(納)第1号

課徴金納付命令

納付命令番号 納付義務者 納付すべき課徴金の額
(万円)
備考
(関係審決)
令和6年(納)第1号 中部電力株式会社 名古屋市東区東新町1番地 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ 1933万円
令和6年(納)第2号 中部電力ミライズ株式会社 名古屋市東区東新町1番地 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ 745万円

名古屋市東区東新町1番地
中部電力株式会社
同代表者 代表取締役 《 氏  名 》

公正取引委員会は、上記の者に対し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第7条の2第1項の規定に基づき、次のとおり命令する。
なお、理由、別紙1、別紙2及び別紙3中の用語のうち、別紙3「用語」欄に掲げるものの定義は、別紙3「定義」欄に記載のとおりである。

主    文
中部電力株式会社(以下「中部電力」という。)は、課徴金として金1933万円を令和6年10月7日までに国庫に納付しなければならない。

理    由
1 課徴金に係る違反行為
中部電力は、別紙1記載のとおり、他の事業者と共同して、別紙2記載の都市ガス(以下「特定大口都市ガス」という。)について、受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定し、受注予定者が受注できるようにすることにより、公共の利益に反して、特定大口都市ガスの取引分野における競争を実質的に制限していたものであって、この行為は、独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当し、独占禁止法第3条の規定に違反するものであり、かつ、独占禁止法第7条の2第1項に規定する商品の対価に係るものである。
2 課徴金の計算の基礎
⑴ア 中部電力は、特定大口都市ガスの卸売業を営んでいた者であるが、令和2年4月1日付けで、中部電力ミライズ株式会社(以下「中部電力ミライズ」という。)に対し、吸収分割により同事業を承継させ、同日以降、同事業を営んでいない。
イ 中部電力が前記1の違反行為の実行としての事業活動を行った日は、平成29年3月31日以前であると認められる。また、中部電力は、令和2年4月1日以降、当該違反行為を行っておらず、同年3月31日にその実行としての事業活動はなくなっているものと認められる。したがって、中部電力については、当該違反行為の実行としての事業活動を行った日から当該違反行為の実行としての事業活動がなくなる日までの期間が3年を超えるため、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第45号。以下「改正法」という。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる改正法による改正前の独占禁止法(以下「改正前の独占禁止法」という。)第7条の2第1項の規定により、実行期間は、平成29年4月1日から令和2年3月31日までの3年間となる。
ウ 前記実行期間における特定大口都市ガスに係る中部電力の売上額は、改正法附則第6条第1項のなお従前の例によることとする規定により、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和2年政令第260号)による改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令第5条第1項の規定に基づき算定すべきところ、当該規定に基づき算定すると、別紙4記載の物件に係る13億8092万6555円である。
⑵ 中部電力は、独占禁止法第7条の4第3項第1号及び第4項の規定により、公正取引委員会による調査開始日である令和3年10月5日以後、課徴金の減免に係る事実の報告及び資料の提出に関する規則(令和2年公正取引委員会規則第3号。以下「課徴金減免規則」という。)第8条に規定する期日までに、課徴金減免規則第7条、第9条及び第10条に定めるところにより、中部電力ミライズと共同して、公正取引委員会に前記1の違反行為に係る事実の報告及び資料の提出(既に公正取引委員会によって把握されている事実に係るものを除く。)を行っている。また、中部電力及び中部電力ミライズは、当該事実の報告及び資料の提出の時において、相互に独占禁止法第2条の2第2項に規定する子会社等の関係にあり、中部電力は中部電力ミライズと共同して前記1の違反行為をしたものではないところ、中部電力は、中部電力ミライズに対して吸収分割により当該違反行為に係る事業を承継させ、かつ、中部電力ミライズが当該分割の日から当該違反行為を開始したことから、独占禁止法第7条の4第4項第1号及び第3号イに該当する。したがって、当該事実の報告及び資料の提出は、独占禁止法第7条の4第4項の規定により、単独で行ったものとみなされる。また、中部電力及び中部電力ミライズは、いずれも、当該事実の報告及び資料の提出を行った日以後において当該違反行為をしていた者でない。また、当該違反行為について、独占禁止法第7条の4第1項第1号又は第2項第1号から第3号までの規定による事実の報告及び資料の提出を行った者の数は5に満たないところ、これらの規定による事実の報告及び資料の提出を行った者の数と、同条第3項第1号の規定による事実の報告及び資料の提出を行った者(以下「調査開始日以後の申請事業者」という。)であって中部電力及び中部電力ミライズより先に課徴金減免規則第7条第1項に規定する報告書の提出を行った者の数を合計した数は5に満たず、かつ、調査開始日以後の申請事業者であって中部電力及び中部電力ミライズより先に同項に規定する報告書の提出を行った者の数を合計した数は3に満たない。したがって、中部電力は、独占禁止法第7条の4第3項第1号及び第3号に該当する者であり、同項の規定の適用を受ける事業者であるから、中部電力が同項の規定により減額を受ける額は、減算前課徴金額に100分の10を乗じて得た額となる。
⑶ 中部電力は、公正取引委員会との間で、独占禁止法第7条の5第1項の規定に基づき、別添合意書(抜粋)のとおり合意し、同合意書第1条に掲げる行為を行った。したがって、中部電力が、独占禁止法第7条の5第3項の規定により、合意の内容に応じ、独占禁止法第7条の4第3項の規定により減額を受ける額に加えて減額を受ける額は、減算前課徴金額に100分の20を乗じて得た額となる。
⑷ 中部電力が国庫に納付しなければならない課徴金の額は、改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる改正前の独占禁止法第7条の2第1項の規定により、前記13億8092万6555円に100分の2を乗じて得た額から、独占禁止法第7条の4第3項及び第7条の5第3項の規定により当該額に100分の30を乗じて得た額を減額し、独占禁止法第7条の8第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算出された1933万円である。

よって、中部電力に対し、独占禁止法第7条の2第1項の規定に基づき、主文のとおり命令する。

令和6年3月4日

委員長 古  谷  一  之
委 員 三  村  晶  子
委 員 青  木  玲  子
委 員 𠮷  田  安  志
委 員 泉  水  文  雄

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