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独禁法3条後段
令和06年(措)第6号
名古屋市中区千代田五丁目7番5号
日本ゼネラルフード株式会社
同代表者 代表取締役 《 氏 名 》
大阪市中央区道修町一丁目6番19号
株式会社魚国総本社
同代表者 代表取締役 《 氏 名 》
名古屋市守山区下志段味三丁目2302番地
メーキュー株式会社
同代表者 代表取締役 《 氏 名 》
名古屋市熱田区新尾頭三丁目4番25号
株式会社ミツオ
同代表者 代表取締役 《 氏 名 》
名古屋市中村区椿町5番17号
株式会社松浦商店
同代表者 代表取締役 《 氏 名 》
東京都港区芝四丁目13-3PMO田町東10F
葉󠄃隠勇進株式会社
同代表者 代表取締役 《 氏 名 》
公正取引委員会は、上記の者らに対し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第7条第2項の規定に基づき、次のとおり命令する。
なお、理由及び別紙1中の用語のうち、別紙2「用語」欄に掲げるものの定義は、別紙2「定義」欄に記載のとおりである。
主 文
1 日本ゼネラルフード株式会社、株式会社魚国総本社(以下「魚国総本社」という。)、メーキュー株式会社、株式会社ミツオ、株式会社松浦商店及び葉󠄃隠勇進株式会社(以下「葉󠄃隠勇進」という。)の6社(以下「6社」という。)は、それぞれ、次の事項を、取締役会において決議しなければならない。
(1) 別紙1記載の業務(以下「中学校スクールランチ調理等業務」という。)について、6社、サンフード株式会社(以下「サンフード」という。)及びコンパスグループ・ジャパン株式会社(以下「コンパスグループ・ジャパン」という。)の8社(以下「8社」という。)が、遅くとも平成29年2月7日以降(サンフードにあっては令和2年3月31日までの間、コンパスグループ・ジャパンにあっては同年4月1日以降)共同して行っていた、受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定し、受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認すること。
(2) 今後、相互の間において、又は他の事業者と共同して、中学校スクールランチ調理等業務について、受注予定者を決定せず、自主的に受注活動を行うこと。
2 6社は、それぞれ、前項に基づいて採った措置を、自社を除く5社及び名古屋市に通知し、かつ、自社の従業員に周知徹底しなければならない。これらの通知及び周知徹底の方法については、あらかじめ、公正取引委員会の承認を受けなければならない。
3 6社は、今後、それぞれ、相互の間において、又は他の事業者と共同して、中学校スクールランチ調理等業務について、受注予定者を決定してはならない。
4 6社は、次の⑴及び⑵の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。この措置の内容については、前項で命じた措置が遵守されるために十分なものでなければならず、かつ、あらかじめ、公正取引委員会の承認を受けなければならない。
(1) 官公需の受注に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成並びに自社の役員及び従業員に対する周知徹底(魚国総本社及び葉󠄃隠勇進にあっては当該行動指針の自社の役員及び従業員に対する周知徹底)
(2) 官公需の受注に関する独占禁止法の遵守についての、中学校スクールランチ調理等業務の営業に関わる役員及び従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者等による定期的な監査
5 6社は、それぞれ、第1項、第2項及び前項に基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告しなければならない。
理 由
第1 事実
1 関連事実
(1) 名宛人等の概要
ア 6社は、それぞれ、肩書地に本店を置き、名古屋市の区域において中学校スクールランチ調理等業務の受託事業を営む者である。
なお、6社のうち葉󠄃隠勇進は、平成30年7月2日、商号を大一食品株式会社から現商号に変更したものである。
イ 名宛人以外のコンパスグループ・ジャパンは、東京都中央区築地五丁目5番12号に本店を置き、名古屋市の区域において中学校スクールランチ調理等業務の受託事業を営む者である。
なお、コンパスグループ・ジャパンは、令和3年4月1日、商号を西洋フード・コンパスグループ株式会社(以下「西洋フード・コンパスグループ」という。)から現商号に変更したものである。
ウ 名宛人以外のサンフードは、名古屋市昭和区車田町一丁目14番2号に本店を置き、名古屋市の区域において中学校スクールランチ調理等業務の受託事業を営んでいた者であるが、令和2年4月1日、西洋フード・コンパスグループに吸収合併されたことにより消滅した。
(2) 中学校スクールランチ調理等業務の発注方法
名古屋市は、中学校スクールランチ調理等業務について、別表記載のとおり、18のブロックに分割し、競争入札の方法により発注していた。
2 合意及び実施方法
8社は、遅くとも平成29年2月7日以降(コンパスグループ・ジャパンにあっては令和2年4月1日以降)、中学校スクールランチ調理等業務について、受注価格の低落防止等を図るため
(1) ア 受注予定者を決定する
イ 受注予定者以外の者は、受注予定者が受注できるように協力する
旨の合意の下に
(2) ア(ア) 原則として、ブロックごとに既存業者(競争入札が行われる時点で当該ブロックの中学校スクールランチ調理等業務を受託している者をいう。以下同じ。)を受注予定者とする
(イ) 既存業者が受注を希望しなかった場合には、他の入札参加者のいずれかを受注予定者とする
イ 受注予定者以外の者は、受注予定者が定めた価格より高い価格で入札価格を提示する又は入札を辞退する
などにより、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにしていた。
3 実施状況
8社は、前記2により、中学校スクールランチ調理等業務の全てを受注していた。
4 前記2の行為の取りやめ
(1) サンフードは、前記1⑴ウ記載のとおり、令和2年4月1日、西洋フード・コンパスグループに吸収合併されたことにより消滅したため、同日以降、前記2⑴の合意に基づき受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにする行為を行っていない。
(2) 令和5年1月17日、本件について、公正取引委員会が独占禁止法第47条第1項第4号の規定に基づく立入検査を行ったところ、同日以降、前記2⑴の合意に基づき受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにする行為は取りやめられている。
第2 法令の適用
前記事実によれば、8社は、共同して、中学校スクールランチ調理等業務について、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにすることにより、公共の利益に反して、中学校スクールランチ調理等業務の取引分野における競争を実質的に制限していたものであって、この行為は、独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当し、独占禁止法第3条の規定に違反するものである。
また、前記の違反行為は既になくなっているが、6社は、いずれも、独占禁止法第7条第2項第1号に該当する者であり、違反行為が長期間にわたって行われていたこと、違反行為の取りやめが公正取引委員会の立入検査を契機としたものであること等の諸事情を総合的に勘案すれば、特に排除措置を命ずる必要があると認められる。
よって、6社に対し、独占禁止法第7条第2項の規定に基づき、主文のとおり命令する。
令和6年5月22日
委員長 古 谷 一 之
委 員 三 村 晶 子
委 員 青 木 玲 子
委 員 𠮷 田 安 志
委 員 泉 水 文 雄