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独禁法第7条の2
令和06年(納)第26号
納付命令番号 | 納付義務者 | 納付すべき課徴金の額 (万円) |
備考 (関係審決) |
---|---|---|---|
令和6年(納)第26号 | 三井住友海上火災保険株式会社 東京都千代田区神田駿河台三丁目9番地 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ | 1億4505万円 | |
令和6年(納)第27号 | 損害保険ジャパン株式会社 東京都新宿区西新宿一丁目26番1号 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ | 5517万円 |
東京都千代田区神田駿河台三丁目9番地
三井住友海上火災保険株式会社
同代表者 代表取締役 《氏名》
公正取引委員会は、上記の者に対し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第7条の2第1項の規定に基づき、次のとおり命令する。
なお、理由中の用語のうち、別紙2「用語」欄に掲げるものの定義は、別紙2「定義」欄に記載のとおりである。
主 文
三井住友海上火災保険株式会社(以下「三井住友海上」という。)は、課徴金として金1億4505万円を令和7年6月2日までに国庫に納付しなければならない。
理 由
1 課徴金に係る違反行為
三井住友海上は、別添1令和6年(措)第13号排除措置命令書(写し)記載のとおり、他の事業者と共同して、別紙1記載の損害保険(以下「本件マリン保険」という。)について、各社の見積保険料を調整することによって保険料の水準を維持できるようにすることにより、公共の利益に反して、本件マリン保険の取引分野における競争を実質的に制限していたものであって、この行為は、独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当し、独占禁止法第3条の規定に違反するものであり、かつ、独占禁止法第7条の2第1項に規定する役務の対価に係るものである。
2 課徴金の計算の基礎
(1) ア 三井住友海上は、本件マリン保険の引受けを行う事業を営んでいた。
イ 三井住友海上が前記1の違反行為の実行としての事業活動を行った日は、本件マリン保険について三井住友海上が前記1の違反行為に基づき最初に参加した見積り合わせの見積提出日である令和2年8月28日であると認められる。また、三井住友海上は、令和5年7月31日以降、当該違反行為を行っておらず、同月30日にその実行としての事業活動はなくなっているものと認められる。
したがって、三井住友海上については
(ア) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第45号。以下「改正法」という。)附則第6条第2項の規定により変更して適用される改正法による改正前の独占禁止法(以下「改正前の独占禁止法」という。)第7条の2第1項の規定により、当該違反行為のうち改正法の施行の日(以下「改正法施行日」という。)である令和2年12月25日前に行われた部分に係る実行期間(以下「施行日前実行期間」という。)は、令和2年8月28日から同年12月24日まで
(イ) 独占禁止法第2条の2第13項の規定により、当該違反行為のうち改正法施行日以後に行われた部分に係る実行期間(以下「施行日以後実行期間」という。)は、令和2年12月25日から令和5年7月30日まで
となる。
ウ 施行日前実行期間及び施行日以後実行期間における本件マリン保険に係る三井住友海上の売上額は
(ア) 施行日前実行期間に係るものについては、改正法附則第6条第2項のなお従前の例によることとする規定により、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和2年政令第260号)による改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令第5条第1項の規定に基づき算定すべきところ、当該規定に基づき算定すると、8億9431万1091円
(イ) 施行日以後実行期間に係るものについては、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令第4条第1項の規定に基づき算定すべきところ、当該規定に基づき算定すると、20億680万8554円
である。
(2) 三井住友海上は、独占禁止法第7条の4第2項第2号の規定により、公正取引委員会による調査開始日である令和5年12月19日前に、課徴金の減免に係る事実の報告及び資料の提出に関する規則(令和2年公正取引委員会規則第3号。以下「課徴金減免規則」という。)第4条に定めるところにより、単独で、前記1の違反行為をした事業者のうち3番目に公正取引委員会に当該違反行為に係る事実の報告及び資料の提出を行った者であり、課徴金減免規則第5条に規定する提出期限までに、課徴金減免規則第6条及び第9条に定めるところにより、単独で、公正取引委員会に当該違反行為に係る事実の報告及び資料の提出を行った者である。また、三井住友海上は、公正取引委員会による調査開始日である令和5年12月19日以後において当該違反行為をしていた者でない。したがって、三井住友海上は、独占禁止法第7条の4第2項第2号及び第5号に該当する者であり、同項の規定の適用を受ける事業者であるから、三井住友海上が同項の規定により減額を受ける額は、減算前課徴金額に100分の10を乗じて得た額となる。
(3) 三井住友海上は、公正取引委員会との間で、独占禁止法第7条の5第1項の規定に基づき、別添2合意書(抜粋)のとおり合意し、同合意書第1条に掲げる行為を行った。したがって、三井住友海上が、独占禁止法第7条の5第3項の規定により、合意の内容に応じ、独占禁止法第7条の4第2項の規定により減額を受ける額に加えて減額を受ける額は、減算前課徴金額に100分の40を乗じて得た額となる。
(4) 三井住友海上が国庫に納付しなければならない課徴金の額は
ア 改正法附則第6条第2項の規定によりなお従前の例によることとされる改正前の独占禁止法第7条の2第1項の規定により、施行日前実行期間に係る売上額8億9431万1091円に100分の10を乗じて得た額
イ 独占禁止法第7条の2第1項の規定により、施行日以後実行期間に係る売上額20億680万8554円に100分の10を乗じて得た額
を合計した額から、独占禁止法第7条の4第2項及び第7条の5第3項の規定により当該額に100分の50を乗じて得た額を減額し、独占禁止法第7条の8第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算出された1億4505万円である。
よって、三井住友海上に対し、独占禁止法第7条の2第1項の規定に基づき、主文のとおり命令する。
令和6年10月31日
委員長 古 谷 一 之
委 員 三 村 晶 子
委 員 青 木 玲 子
委 員 𠮷 田 安 志
委 員 泉 水 文 雄