公正取引委員会審決等データベース

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機械式駐車装置メーカーらに対する件

独禁法第7条の2第1項

令和07年(納)第4号

課徴金納付命令

納付命令番号 納付義務者 納付すべき課徴金の額
(万円)
備考
(関係審決)
令和7年(納)第4号 日精株式会社 東京都港区西新橋一丁目18番17号 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ 2億6733万円
令和7年(納)第5号 住友重機械搬送システム株式会社 東京都品川区西品川一丁目1番1号 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ 1億9995万円
令和7年(納)第6号 フジパスク株式会社 東京都世田谷区上馬四丁目2番5号 代表取締役 ≪ 氏 名 ≫ 298万円

東京都港区西新橋一丁目18番17号 
日精株式会社        
同代表者 代表取締役 《氏 名》

公正取引委員会は、上記の者に対し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第7条の2第1項の規定に基づき、次のとおり命令する。
なお、理由、別紙1及び別紙2中の用語のうち、別紙2「用語」欄に掲げるものの定義は、別紙2「定義」欄に記載のとおりである。

主    文
日精株式会社(以下「日精」という。)は、課徴金として金2億6733万円を令和7年10月27日までに国庫に納付しなければならない。

理    由
1 課徴金に係る違反行為
日精は、別添1令和7年(措)第3号排除措置命令書(写し)記載のとおり、他の事業者と共同して、別紙1記載の水平循環方式分離式の機械式駐車装置の設置工事(以下「特定地下式PS設置工事」という。)について、供給すべき者(以下「供給予定者」という。)を決定し、供給予定者が供給できるようにすることにより、公共の利益に反して、特定地下式PS設置工事の取引分野における競争を実質的に制限していたものであって、この行為は、独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当し、独占禁止法第3条の規定に違反するものであり、かつ、独占禁止法第7条の2第1項に規定する役務の対価に係るものである。
2 課徴金の計算の基礎
(1)ア 日精は、特定地下式PS設置工事を請け負う事業を営んでいた。
イ 日精が前記1の違反行為の実行としての事業活動を行った日は、平成29年12月24日以前であると認められる。また、日精は、令和5年9月12日以降、当該違反行為を取りやめており、同月11日にその実行としての事業活動はなくなっているものと認められる。
したがって、日精については
(ア) 当該違反行為の実行としての事業活動を行った日が、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第45号。以下「改正法」という。)の施行の日(以下「改正法施行日」という。)である令和2年12月25日の3年前の日前であるため、改正法附則第6条第2項の規定により変更して適用される改正法による改正前の独占禁止法(以下「改正前の独占禁止法」という。)第7条の2第1項の規定により、当該違反行為のうち改正法施行日前に行われた部分に係る実行期間(以下「施行日前実行期間」という。)は、改正法施行日の3年前の日である平成29年12月25日から改正法施行日の前日である令和2年12月24日まで
(イ) 独占禁止法第2条の2第13項の規定により、当該違反行為のうち改正法施行日以後に行われた部分に係る実行期間(以下「施行日以後実行期間」という。)は、令和2年12月25日から令和5年9月11日まで
となる。
ウ 施行日前実行期間及び施行日以後実行期間における特定地下式PS設置工事に係る日精の売上額は
(ア) 施行日前実行期間に係るものについては、改正法附則第6条第2項のなお従前の例によることとする規定により、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和2年政令第260号)による改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令第6条第1項の規定に基づき算定すべきところ、当該規定に基づき算定すると、別紙3記載の物件のうち令和2年12月25日前に係るものについては10億6688万8165円
(イ) 施行日以後実行期間に係るものについては、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令(昭和52年政令第317号)第4条第2項の規定に基づき算定すべきところ、当該規定に基づき算定すると、別紙3記載の物件のうち令和2年12月25日以後に係るものについては27億5214万7136円
である。
(2) 日精は、独占禁止法第7条の4第3項第1号の規定により、公正取引委員会による調査開始日である令和5年9月12日以後、課徴金の減免に係る事実の報告及び資料の提出に関する規則(令和2年公正取引委員会規則第3号。以下「課徴金減免規則」という。)第8条に規定する期日までに、課徴金減免規則第7条及び第9条に定めるところにより、単独で、公正取引委員会に前記1の違反行為に係る事実の報告及び資料の提出(既に公正取引委員会によって把握されている事実に係るものを除く。)を行っている。また、日精は、当該事実の報告及び資料の提出を行った日以後において当該違反行為をしていた者でない。また、当該違反行為について、独占禁止法第7条の4第1項第1号又は第2項第1号から第3号までの規定による事実の報告及び資料の提出を行った者の数は5に満たないところ、これらの規定による事実の報告及び資料の提出を行った者の数と、同条第3項第1号の規定による事実の報告及び資料の提出を行った者(以下「調査開始日以後の申請事業者」という。)であって日精より先に課徴金減免規則第7条第1項に規定する報告書の提出を行った者の数を合計した数は5に満たず、かつ、調査開始日以後の申請事業者であって日精より先に同項に規定する報告書の提出を行った者の数を合計した数は3に満たない。したがって、日精は、独占禁止法第7条の4第3項第1号及び第3号に該当する者であり、同項の規定の適用を受ける事業者であるから、日精が同項の規定により減額を受ける額は、減算前課徴金額に100分の10を乗じて得た額となる。
(3) 日精は、公正取引委員会との間で、独占禁止法第7条の5第1項の規定に基づき、別添2合意書(抜粋)のとおり合意し、同合意書第1条に掲げる行為を行った。したがって、日精が、独占禁止法第7条の5第3項の規定により、合意の内容に応じ、独占禁止法第7条の4第3項の規定により減額を受ける額に加えて減額を受ける額は、減算前課徴金額に100分の20を乗じて得た額となる。
(4) 日精が国庫に納付しなければならない課徴金の額は
ア 改正法附則第6条第2項の規定によりなお従前の例によることとされる改正前の独占禁止法第7条の2第1項の規定により、施行日前実行期間に係る売上額10億6688万8165円に100分の10を乗じて得た額
イ 独占禁止法第7条の2第1項の規定により、施行日以後実行期間に係る売上額27億5214万7136円に100分の10を乗じて得た額
を合計した額から、独占禁止法第7条の4第3項及び第7条の5第3項の規定により当該額に100分の30を乗じて得た額を減額し、独占禁止法第7条の8第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算出された2億6733万円である。

よって、日精に対し、独占禁止法第7条の2第1項の規定に基づき、主文のとおり命令する。

令和7年3月24日

委員長  古  谷  一  之
委 員  三  村  晶  子
委 員  青  木  玲  子
委 員  𠮷  田  安  志
委 員  泉  水  文  雄

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