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(株)三共ほか10名に対する件

独禁法3条前段

 

平成9年(勧)第5号

勧告審決

 

 

群馬県桐生市境野町6丁目460番地
株式会社三共
右代表者 代表取締役 毒島 秀行
群馬県桐生市広沢町2丁目3,014番地の8
株式会社平和
右代表者 代表取締役 中島 権
名古屋市中村区烏森町3丁目56番地
株式会社ニューギン
右代表者 代表取締役 新井 悠司
名古屋市千種区今池3丁目9番21号
株式会社三洋物産
右代表者 代表取締役 金沢 要求
愛知県春日井市桃山町1丁目127番地
マルホン工業株式会社
右代表者 代表取締役 岸 勇夫
群馬県桐生市境野町7丁目201番地
株式会社ソフィア
右代表者 代表取締役 井置 定男
名古屋市中村区鴨付町1丁目22番地
株式会社大一商会
右代表者 代表取締役 市原 茂
名古屋市中村区長戸井町3丁目12番地
豊丸産業株式会社
右代表者 代表取締役 永野 裕豊
名古屋市中川区尾頭橋3丁目20番8号
京楽産業株式会社
右代表者 代表取締役 榎本 宏
名古屋市昭和区鶴舞2丁目2番18号
奥村遊機株式会社
右代表者 代表取締役 関山 敏男
名古屋市中村区畑江通2丁目17番地
株式会社日本遊技機特許運営連盟
右代表者 代表取締役 倉田 義男

 公正取引委員会は、平成9年6月20日、右の者らに対し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第48条第1項の規定に基づき勧告を行ったところ、右の者らがこれを応諾したので、同条第4項の規定に基づき、次のとおり当該勧告と同趣旨の審決をする。
主文
一 株式会社三共、株式会社平和、株式会社ニューギン、株式会社三洋物産、マルホン工業株式会社、株式会社ソフィア、株式会社大一商会、豊丸産業株式会社、京楽産業株式会社及び奥村遊機株式会社の10社並びに株式会社日本遊技機特許運営連盟は、共同して確認しているぱちんこ遊技機の製造分野への参入を排除する旨の方針を破棄しなければならない。
二 前記10社及び前記日本遊技機特許運営連盟は、同連盟が所有又は管理運営するぱちんこ遊技機の製造に関する特許権及び実用新案権の通常実施権の許諾に関して、前記一の方針に基づいて行った措置を撤回しなければならない。
三1 前記日本遊技機特許運営連盟は、同連盟が所有するぱちんこ遊技機の製造に関する特許権及び実用新案権の通常実施権の許諾を内容とする契約書中、当該契約の相手方の商号、標章、代表者及び役員の構成等を変更した場合は同連盟に届け出てその承認を得なければならない旨の条項及びこれに違反し又はその承認が得られない場合には当該契約を解除することができる旨の条項を削除しなければならない。
2 前記10社及び前記日本遊技機特許運営連盟は、同連盟が管理運営するぱちんこ遊技機の製造に関する特許権及び実用新案権の通常実施権の許諾を内容とする契約書中、当該契約の相手方の企業の構成及び営業状態を変更した場合は特許権又は実用新案権の所有者に届け出てその承認を得なければならない旨の条項及びその承認が得られない場合には当該契約は効力を失う旨の条項を削除しなければならない。
四 前記10社及び前記日本遊技機特許運営連盟は、次の事項をぱちんこ遊技機の製造をする者及び同遊技機の製造をしようとする者に周知徹底させなければならない。この周知徹底の方法については、あらかじめ当委員会の承認を得なければならない。
1 前三項に基づいて採った措置
2 今後、相互に、結合及び通謀をして、同連盟が所有又は管理運営する同遊技機の製造に関する特許権及び実用新案権の通常実施権の許諾をしないことにより、同遊技機を製造しようとする者の事業活動を排除しない旨
五 前記10社及び前記日本遊技機特許運営連盟は、今後、相互に、結合又は通謀をして、ぱちんこ遊技機の製造に関する特許権又は実用新案権の通常実施権の許諾をしないことにより、同遊技機の製造分野への参入を排除する行為を行ってはならない。
六 前記10社及び前記日本遊技機特許運営連盟は、第一項から第四項に基づいて採った措置を速やかに当委員会に報告しなければならない。
事実
当委員会が認定した事実は、次のとおりである。
一1 株式会社三共、株式会社平和、株式会社ニューギン、株式会社三洋物産、マルホン工業株式会社(以下「マルホン」という。)、株式会社ソフィア(以下「ソフィア」という。)、株式会社大一商会、豊丸産業株式会社、京楽産業株式会社及び奥村遊機株式会社の10社(以下「10社」という。)のうち、ソフィアを除く9社は、それぞれ、肩書地に本店を置き、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令(昭和59年政令第319号)第10条に規定するぱちんこ遊技機(以下「ぱちんこ機」という。)の製造販売業を営む者であり、また、ソフィアは、肩書地に本店を置き、ぱちんこ機の製造業を営む者であって、その製造するぱちんこ機のすべてを同製品の総発売元である株式会社西陣を通じて販売しており、10社は、国内において供給されるぱちんこ機のほとんどを供給している。
10社は、かねてから、ぱちんこ機の技術開発能力等に優れ、多くのぱちんこ機の製造に関する特許権及び実用新案権(以下「特許権等」という。)を所有し、これらの全部又は一部について、その通常実施権の許諾(以下「実施許諾」という。)の諾否、実施許諾の期間を1年とする実施許諾契約の締結事務、実施許諾を証する証紙の発行、実施許諾料の徴収等の業務(以下これらの業務を「管理運営業務」という。)を株式会社日本遊技機特許運営連盟(以下「遊技機特許連盟」という。)に委託するとともに当該特許権等の実施許諾の諾否等に実質的に関与してきている。
10社のうち、ソフィアを除く9社は、遊技機特許連盟の発行済株式の過半数を所有するとともに、右9社の役員が遊技機特許連盟の取締役の相当数を占めている。またソフィアは、前記株式会社西陣を介して遊技機特許連盟の株式を所有し、かつ、その役員が遊技機特許連盟の取締役に就任することにより、遊技機特許連盟の意思決定に加わっている。
2 遊技機特許連盟は、肩書地に本店を置き、遊技機等に関する工業所有権の取得、売買、実施権の設定及び許諾等に関する事業を営むことを目的として、昭和36年6月2日、遊技機製造業者である日本遊技機工業協同組合の組合員らにより設立された者である。
遊技機特許連盟は、設立以降、ぱちんこ機の製造に関する特許権等を取得し、対価を得て、日本遊技機工業組合(昭和38年2月4日に日本遊技機工業協同組合を改組して設立されたもの。以下「遊技機工組」という。)の組合員(以下「組合員」という。)に実施許諾の期間を1年として実施許諾するとともに、昭和54年6月ころ以降、10社が所有するぱちんこ機の製造に関する特許権等について、その委託を受けて、遊技機特許連盟の担当責任者及び10社の特許担当責任者等で構成し、遊技機特許連盟が主催する審査委員会と称する会合(以下「審査委員会」という。)において、毎年、10社が実施許諾の対象とする特許権等を選定しているほか、受託した特許権等に関する管理運営業務を行っている。
3 遊技機特許連盟が所有又は管理運営するぱちんこ機の製造に関する特許権等は、ぱちんこ機の製造を行う上で重要な権利であり、これらの実施許諾を受けることなく、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第20条第2項に規定する認定及び同条第4項に規定する検定に適合するぱちんこ機を製造することは困難な状況にあり、国内のぱちんこ機製造業者のほとんどすべてである組合員19社は、すべて遊技機特許連盟が所有又は管理運営する特許権等の実施許諾を受けてぱちんこ機を製造している。
4 ぱちんこ機の製造販売業界においては、組合員が製造販売するぱちんこ機について、昭和50年代半ばころ以降のいわゆる売手市場といわれる市場環境の中で、昭和58年6月ころ以降、遊技機特許連盟の所有又は管理運営する特許権等の実施許諾契約において、原価を割る乱売を禁止する旨の条項(以下「乱売禁止条項」という。)及び特許権等の実施許諾を証する証紙の貼付を義務付け、当該証紙の発給に際して事前に遊技機特許連盟の定める書類の提出を義務付ける旨の条項(以下「証紙に関する条項」という。)が設けられ、証紙に関する条項に基づき販売相手方との売買契約書を徴することにより販売価格の監視がなされるとともに、乱売禁止条項等を根拠に遊技機工組の会合等において組合員に対して安売りを行わないよう指導がなされてきたほか、昭和59年3月ころ以降、他の組合員が開発し、既に検定承認を受けている新機種と同等又は類似のぱちんこ機を製造し、販売するときは、事前に当該組合員の承諾を求めることとされ、さらに、昭和60年9月ころ以降、販売業者の遊技機工組への登録制が採られ、価格低落の契機となりやすいいわゆるグループ買い商社の遊技機工組への登録が認められていないなど既存のぱちんこ機製造業者間でのぱちんこ機製造販売分野における自由な競争は、長年にわたるぱちんこ機製造販売業界における協調的な取引慣行とあいまって著しく阻害されている状況にあった。
その後においても、さらに、昭和62年ころ以降、財団法人保安電子通信技術協会の行う型式試験に対する申請台数について、組合員ごとの同台数の上限枠の設定がなされることとなったほか、平成元年4月ころ以降、右のとおりぱちんこ機製造業者による販売価格の設定が制約されてきたことに加え、販売業者との取引を委託販売とし、販売業者によっても販売価格を自由に設定し得ない取引形態を採ることとされるなど既存のぱちんこ機製造業者間でのぱちんこ機製造販売分野における自由な競争が著しく阻害されている状況にある。
二1(一) 遊技機特許連盟は、既存のぱちんこ機製造業者である組合員の利益の確保を図るため、かねてから、ぱちんこ機の製造分野への参入を抑止する方針の下に、自己が所有又は管理運営するぱちんこ機の製造に関する特許権等の実施許諾に当たり、ぱちんこ機を製造している組合員以外の者に実施許諾を行わず、また、実施許諾契約においても、当該契約の相手方の商号、標章、代表者及び役員の構成の変更等営業状態を著しく変更した場合は当該契約を解除することができる旨の営業状態の変更に関する条項を設け、その実施を図ることにより、同分野への参入を抑止してきた。
昭和58年春ころ、いわゆるフィーバー機と称するぱちんこ機が登場し、ぱちんこ機の市場規模が大きく拡大して魅力あるものとなってきた中で、非組合員である回胴式遊技機の大手製造業者が既存のぱちんこ機製造業者である組合員の株式の取得を通じてぱちんこ機の製造分野に新規参入を図ろうとする動きが生じたこと等を契機として、10社のうちマルホンを除く当時ぱちんこ機の製造に関する重要な特許権等を所有していた9社(以下「9社」という。)及び遊技機特許連盟は、同年6月ころ行った遊技機特許連盟が管理運営する特許権等の実施許諾に当たり、遊技機特許連盟のほか、右特許権等の所有者も実施許諾契約の当事者に加えて三者契約の形を採ることとし、当該契約において、契約の相手方の企業の構成及び営業状態を変更した場合は特許権等の所有者に届け出てその承認を得なければならない旨及びその承認が得られない場合には当該契約は効力を失う旨の営業状態の変更に関する条項を定めて、買収等による参入の抑止策を強化した。
そのころ、右のとおり、ぱちんこ機の市場が魅力あるものとなる中で、右回胴式遊技機の大手製造業者のほか、アレンジボール遊技機の製造業者であり、従来遊技機特許連盟が管理運営する特許権等の実施許諾を認められていなかった組合員がぱちんこ機の製造を強く希望してその実施許諾を申し出るなどぱちんこ機の製造分野への進出の動きが活発化し、その一方で、当時、遊技機特許連盟が所有又は管理運営する特許権等は、その数が減少するなど参入に対する障壁が弱まりつつある状況にあり、新規参入希望者に対して遊技機特許連盟が所有又は管理運営する特許権等の実施許諾を行わないとするのみでは、新規参入希望者が遊技機特許連盟が所有又は管理運営する特許権等を回避したぱちんこ機の製造を開始して遊技機特許連盟と対抗する勢力を形成し、既存のぱちんこ機製造業者の市場占有率に重大な影響を及ぼすなど既存のぱちんこ機製造業者に大きな影響を与えることとなることから、新規参入希望者に対しては例外的に実施許諾することも考慮せざるを得なくなるなど、ぱちんこ機の製造分野への参入を抑止しつつ、既存のぱちんこ機製造業者間において価格競争等を回避してきた従来の体制が崩壊し、既存のぱちんこ機製造業者の利益が大きく損なわれることが危惧される状況となった。
(二) このため、9社及び遊技機特許連盟は、既存のぱちんこ機製造業者の市場占有率を確保し、当該製造業者間での価格競争等を回避してきた体制を維持する目的で、9社の経営責任者級の者で構成し、新規参入問題等に関する対策を審議する権利者会議と称する会合(以下「権利者会議」という。)、遊技機特許連盟の取締役会、遊技機特許連盟及び遊技機工組の合同役員会等を開催するなどして、遅くとも昭和60年秋ころまでに、遊技機特許連盟が所有又は管理運営する特許権等の実施許諾契約の右営業状態の変更に関する条項を実施することによって買収等による第三者の参入を抑止し、さらに、特許権等の集積により参入の障壁を高くしておくことが参入を抑止する手段として有効であるため、9社及び遊技機特許連盟において新たに特許権等を取得し、遊技機特許連盟が所有又は管理運営する特許権等の集積に努めて参入に対する障壁を強化することとした上、参入希望者に対しては当該特許権等の実施許諾を行わないこととし、もってぱちんこ機の製造分野への参入を排除する旨の方針を確認し、その後、この方針に基づき、参入を排除してきている。
なお、10社のうちマルホンは、遅くとも平成5年秋ころまでに右方針を了承した上、平成5年度から審査委員会の構成員となり、平成5年9月20日ころ開催された権利者会議に出席し、新規参入問題の検討に加わるなど9社及び遊技機特許連盟と行動を共にしている。
2(一) 10社及び遊技機特許連盟は、前記1(二)の方針に基づき、遊技機特許連盟が所有又は管理運営する特許権等の実施許諾契約の右営業状態の変更に関する条項を実施するとともに、遊技機特許連盟が所有又は管理運営する特許権等の集積を図り、既存のぱちんこ機製造業者である組合員以外の者に対しては当該特許権等の実施許諾を行わないことにより、参入を排除してきているところ、その具体的な行為を示すと次のとおりである。
(1) 東京都港区所在の非組合員である回胴式遊技機の大手製造業者は、昭和58年ころ以降、名古屋市西区所在の既存のぱちんこ機製造業者である組合員の発行済株式の過半数を取得することを通じてぱちんこ機の製造分野に参入を図ろうとしたが、遊技機特許連盟が所有又は管理運営する特許権等の右組合員に対する実施許諾を継続すると第三者である回胴式遊技機の大手製造業者の新規参入を許すこととなり、既存のぱちんこ機製造業者に大きな影響を与え、その利益が損なわれるおそれがあることなどを理由に、9社及び遊技機特許連盟が右方針に基づき昭和60年秋ころ以降、同年5月末をもって終了していた右組合員との実施許諾契約の更新を拒絶し続けることとしたため、右組合員を介してぱちんこ機の製造をすることができなくなった。
(2) 東京都台東区所在の非組合員であるいわゆるぱちんこ球補給機の大手製造業者は平成4年7月ころ以降、同年1月ころに自主的に遊技機工組を脱退した名古屋市西区所在の元組合員は平成7年3月ころ以降、それぞれ、ぱちんこ機を製造しようとし、遊技機特許連盟が所有又は管理運営する特許権等の実施許諾を申し出ているが、当該申出を認めると既存のぱちんこ機製造業者に大きな影響を与え、その利益が損なわれるおそれがあることなどを理由に、10社及び遊技機特許連盟が右方針に基づき平成5年9月20日ころに当該実施許諾の見送りを決定するなど、現在に至るまで、これらの申出を拒絶しているため、両者はぱちんこ機の製造を開始できないでいる。
(二) また、ぱちんこ機の製造販売を希望し、その開発に努めてきた事業者は、遊技機特許連盟が所有又は管理運営する特許権等の実施許諾を受けなければぱちんこ機を製造することが困難であることからその実施許諾を希望しているものの、10社及び遊技機特許連盟の前記1(二)の方針により、既存のぱちんこ機製造業者以外の者が当該特許権等の実施許諾を受けることは困難であるとの認識から、正式に実施許諾を申し出るには至っておらず、ぱちんこ機の製造を断念している状況にある。
法令の適用
右の事実に法令を適用した結果は、次のとおりである。
10社及び遊技機特許連盟は、結合及び通謀をして、参入を排除する旨の方針の下に、遊技機特許連盟が所有又は管理運営する特許権等の実施許諾を拒絶することによって、ぱちんこ機を製造しようとする者の事業活動を排除することにより、公共の利益に反して、我が国におけるぱちんこ機の製造分野における競争を実質的に制限しているものであって、これは、特許法(昭和34年法律第121号)又は実用新案法(昭和34年法律第123号)による権利の行使とは認められないものであり、独占禁止法第2条第5項に規定する私的独占に該当し、独占禁止法第3条の規定に違反するものである。
よって、主文のとおり審決する。

平成09年08月06日

委員長 根來 泰周
委員 植松 敏
委員 柴田 章平
委員 糸田 省吾
委員 黒河内 久美


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