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奈良県生コンクリ−ト協同組合に対する件

独禁法19条(一般指定15項)

 

平成13年(勧)第1号

勧告審決

 

 

奈良県磯城郡川西町結崎785番地の4 奈良県生コンクリート協同組合 代表理事 稲川 隆彦

公正取引委員会は,上記の者に対し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第48条第2項の規定に基づき,次のとおり勧告する。
主文
1(1)奈良県生コンクリート協同組合は,平成10年5月28日ころ開催した理事会におけるニッコー産業株式会社の休止していた製造設備等による生コンクリートの製造販売を阻止する旨の決定を破棄したことを確認すること。
(2) 奈良県生コンクリート協同組合は,前記決定に基づき,平成10年5月29日ころ,同年7月16日ころ及び平成11年1月28日ころセメント製造業者らに対して行ったセメントの供給停止に関する要請並びに平成10年6月5日ころ,同年7月10日ころ及び平成11年1月29日ころセメント販売業者に対して行った同様の要請をそれぞれ撤回すること。
2 奈良県生コンクリート協同組合は,次の事項を前記のセメント製造業者ら及びセメント販売業者に通知すること。この通知の方法については,あらかじめ,当委員会の承認を受けること。
(1) 前項に基づいて採った措置
(2) 今後,株式会社サンコーレミテックによる生コンクリートの製造販売を阻止するため,同社に対しセメントを供給しないようにさせていた行為と同様の行為を行わない旨
3 奈良県生コンクリート協同組合は,今後,同組合の組合員でない生コンクリート製造販売業者のセメントの購入を不当に妨害する行為を行わないこと。
4 奈良県生コンクリート協同組合は,前3項に基づいて採った措置を速やかに当委員会に報告すること。
理由
第1 事実
1(1)奈良県生コンクリート協同組合(以下「奈良生コン協組」という。)は,肩書地に事務所を置き,奈良県(吉野郡十津川村,上北山村及び下北山村を除く。)の区域(以下「奈良地区」という。)を地区とし,地区内において生コンクリート(以下「生コン」という。)の製造販売業を営む者を組合員として,昭和45年6月18日,中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)に基づき,組合員の製造する生コンの共同販売事業を行うこと等を目的として設立された事業協同組合であり,意思決定機関として総会及び理事会を置き,その組合員数は,平成12年10月1日現在,26名である。
奈良生コン協組は,組合員から生コンを買い受けて,その取引先販売業者として登録している販売店(以下「登録販売店」という。)等を通じて販売しており,その販売量は,奈良地区における生コンの供給量の大部分を占めている。
(2) 住友大阪セメント株式会社(以下「住友大阪セメント」という。),宇部三菱セメント株式会社(宇部興産株式会社及び三菱マテリアル株式会社の製造に係るセメントについて,平成10年10月1日以降,その総供給元となっているもの)及び太平洋セメント株式会社(秩父小野田株式会社と日本セメント株式会社が平成10年10月1日に合併したもの)の3社は,セメントの製造業又は販売業を営む者であり,奈良地区において生コンの製造販売業者が使用するセメントをセメント販売業者を通じて供給しており,これら3社のセメントの供給量の合計は,奈良地区における生コンの製造販売業者向けセメント供給量の大部分を占めている。
奈良地区におけるセメント販売業者のうち17社(以下「セメント販売業者17社」という。)は,奈良生コン協組の登録販売店でもあって,奈良生コン協組から購入した生コンの販売を行っている。
(3) セメント販売業者17社のうち山形建材株式会社(以下「山形建材」という。)は,住友大阪セメントの製造に係るセメントの奈良地区における主要な販売業者である。
(4) 徳本砕石工業株式会社(以下「徳本砕石」という。)は,骨材の製造業者であり,奈良地区において,生コンの製造販売業者が使用する骨材の供給を行っている。
(5) 株式会社サンコーレミテック(以下「サンコーレミテック」という。)は,徳本砕石の役員の全額出資により平成10年7月1日に設立され,奈良県吉野郡吉野町に所在する生コンの製造販売業者であるニッコー産業株式会社の休止していた製造設備等(以下「ニッコー産業の製造設備等」という。)を,同社から平成10年9月1日に譲り受け,生コンの製造販売業を営む者である。
2(1)奈良生コン協組は,かねてから,奈良地区における生コンの需要量の減少傾向への対応策について検討してきたところ,徳本砕石がニッコー産業の製造設備等により生コンの製造販売を行う計画であるとの情報に接し,その対応策に影響が生じるとして,平成10年5月28日ころ開催した理事会において,ニッコー産業の製造設備等により操業を再開し生コンの製造販売を行うこと(以下「ニッコー産業の製造設備等による操業再開」という。)を阻止することを決定し,それに取り組んで行くこととした。
(2) 奈良生コン協組は,前記(1)の決定に基づいて,セメント製造業者等に対し,次のとおり要請を行った。
ア 奈良生コン協組は,平成10年5月29日ころ,奈良地区においてセメントを供給しているすべてのセメント製造業者に対し,また,平成10年6月5日ころ,セメント販売業者17社に対し,それぞれ,ニッコー産業の製造設備等による操業再開に向けてセメントの供給等をしないよう,文書で要請した。
イ 奈良生コン協組は,平成10年7月10日ころ,セメント販売業者17社に対し,サンコーレミテックにセメントを供給しないよう,文書で要請した。
ウ 奈良生コン協組は,平成10年7月16日ころ,前記のニッコー産業の製造設備等による操業再開が具体化してきたことから,住友大阪セメント,宇部興産株式会社及び秩父小野田株式会社の担当者を奈良生コン協組の事務所に招致し,また,三菱マテリアル株式会社の担当者に架電し,それぞれ,サンコーレミテックに対しセメントを供給しないよう要請したところ,これらの4社は,同要請を承諾した。
エ その後,奈良生コン協組は,ニッコー産業の製造設備等の稼動等の状況を監視してきたところ,サンコーレミテックがニッコー産業の製造設備等による操業再開をしている事実を確認したことから,平成11年1月28日ころ,住友大阪セメント,宇部三菱セメント株式会社及び太平洋セメント株式会社の担当者を奈良生コン協組の事務所に招致した上,サンコーレミテックへのセメントの供給の有無について問いただし,引き続き,サンコーレミテックに対しセメントを供給しないよう強く要請した。
住友大阪セメントの担当者は,奈良生コン協組に対し,山形建材がサンコーレミテックにセメントを供給していたことを申し出て,今後は,山形建材に供給させないようにすることを確約するとともに,山形建材に対し,サンコーレミテックにセメントを供給しないよう指示した。
オ さらに,奈良生コン協組は,平成11年1月29日ころ,山形建材の代表者を奈良生コン協組の事務所に招致し,登録販売店の登録を抹消すること等を示唆して,サンコーレミテックにセメントを供給しないよう要請した。
この結果,山形建材は,同要請を拒否した場合,奈良生コン協組との生コンの取引が行えなくなることが懸念されたこと等から同要請を承諾し,平成11年1月29日以降,サンコーレミテックに対するセメントの供給を停止した。
3 本件について,当委員会が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したところ,奈良生コン協組は,平成12年10月3日ころ開催した理事会において,平成10年5月28日ころ開催した理事会におけるニッコー産業の製造設備等による操業再開を阻止する旨の決定を破棄し,サンコーレミテックにセメントを供給しないようにさせていた行為を取りやめている。
第2 法令の適用
前記事実によれば,奈良生コン協組は,自己と奈良地区において競争関係にあるサンコーレミテックとセメントの製造業者又は販売業者との取引を不当に妨害していたものであって,これは,不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)の第15項に該当し,独占禁止法第19条の規定に違反するものである。

平成13年02月20日

委員長 根來 泰周
委員 柴田 章平
委員 糸田 省吾
委員 本間 忠良
委員 小林 惇


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