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ハードディスクドライブ用サスペンションの製造販売業者に対する件

3条後段

平成30年(措)第5号

排除措置命令

平成30年(措)第5号     
排 除 措 置 命 令 書

横浜市金沢区福浦三丁目10番地
日本発條株式会社
同代表者 代表取締役 《 氏  名 》

中華人民共和国香港特別行政区 クーロン カントンロード33 チャイナホンコンシティー タワー3 ナインスフロア スイートナンバー15B-17
ナット・ペリフェラル(ホンコン)・カンパニー・リミテッド
同代表者 《 氏  名 》

公正取引委員会は,上記の者らに対し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第7条第2項の規定に基づき,次のとおり命令する。
なお,主文及び理由中の用語のうち,別紙「用語」欄に掲げるものの定義は,別紙「定義」欄に記載のとおりである。

主    文
1 日本発條株式会社(以下「日本発條」という。)及びナット・ペリフェラル(ホンコン)・カンパニー・リミテッド(以下「NAT」という。)の2社(以下「日本発條2社」という。)は,それぞれ,次の事項を,取締役会において決議しなければならない。
(1) 我が国のハードディスクドライブ(以下「HDD」という。)製造販売業者向けサスペンションについて,遅くとも平成25年4月頃以降,日本発條2社及び別表記載の3社(以下「TDK3社」といい,日本発條2社と併せて「5社」という。)が共同して行っていた,相互に協調し,販売価格を維持する旨の合意が消滅していることを確認すること。
(2) 今後,他の事業者(日本発條にあってはNATを,NATにあっては日本発條を除く。以下同じ。)と共同して,我が国のHDD製造販売業者向けサスペンションの販売価格を決定せず,自主的に決めること。
(3) 今後,他の事業者と,我が国のHDD製造販売業者向けサスペンションの販売価格に関して情報交換を行わないこと。
2 日本発條2社は,それぞれ,前項に基づいて採った措置を,TDK3社に通知するとともに,我が国のHDD製造販売業者に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。これらの通知及び周知徹底の方法については,あらかじめ,公正取引委員会の承認を受けなければならない。
3 日本発條2社は,今後,それぞれ,他の事業者と共同して,我が国のHDD製造販売業者向けサスペンションの販売価格を決定してはならない。
4 日本発條2社は,今後,それぞれ,他の事業者と,我が国のHDD製造販売業者向けサスペンションの販売価格に関する情報交換を行ってはならない。
5 日本発條は,サスペンションの販売活動に関する独占禁止法の遵守について,サスペンションの営業に関わる自社の役員及び従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査を行うために必要な措置を講じなければならない。この措置の内容については,前2項で命じた措置が遵守されるために十分なものでなければならず,かつ,あらかじめ,公正取引委員会の承認を受けなければならない。
6 日本発條は第1項,第2項及び前項に基づいて採った措置を,NATは第1項及び第2項に基づいて採った措置を,それぞれ,速やかに公正取引委員会に報告しなければならない。

理    由
第1 事実
1 関連事実
(1) 名宛人等の概要
ア(ア) 日本発條は,肩書地に本店を置き,サスペンションの製造販売業を営む者である。また,子会社が行うサスペンションの製造販売についての事業方針を定め,当該事業方針に基づき子会社にサスペンションの製造販売を行わせている。
(イ) NATは,日本発條の子会社であり,肩書地に本店を置き,日本発條が定める事業方針に従って,サスペンションの製造販売業を営む者である。NATは,日本発條の指示に基づき,HDD製造販売業者に対してサスペンションを販売している。
なお,NATは,日本発條が81パーセントを,後記イ(イ)のエスエーイー・マグネティクス(ホンコン)・リミテッド(以下「SAE」という。)が19パーセントを,それぞれ出資することにより設立されたところ,平成27年4月10日,日本発條がSAEからNATの議決権を譲り受け,NATの議決権の全てを保有することとなった。
イ(ア) 名宛人以外の別表記載のTDK株式会社(以下「TDK」という。)は,「本店の所在地」欄記載の地に本店を置き,HDDヘッド事業(自社の子会社が行うヘッドジンバルアセンブリ(以下「HGA」という。)及びサスペンションの製造販売についての事業方針を定め,当該事業方針に基づき子会社にHGA及びサスペンションの製造販売を行わせる事業をいう。以下同じ。)を営む者である。
(イ) 名宛人以外の別表記載のSAEは,TDKの子会社であり,「本店の所在地」欄記載の地に本店を置き,TDKが定める事業方針に従って,HGA及びサスペンションの製造販売業を営む者である。
(ウ) 名宛人以外の別表記載のマグネコンプ・プレシジョン・テクノロジー・パブリック・カンパニー・リミテッド(以下「MPT」という。)は,「本店の所在地」欄記載の地に本店を置き,サスペンションの製造販売業を営む者である。MPTは,平成19年11月頃,TDKが議決権の大部分を取得したことによりTDKの子会社となり,TDKが定める事業方針に従って,サスペンションの製造販売を行っている。
(エ) TDKは,自社の事業部門である磁気ヘッド&センサビジネスカンパニー(平成27年3月以前にあってはヘッドビジネスグループをいう。)においてHDDヘッド事業を営んでいたところ,SAE及びMPTの代表者を,それぞれ,同カンパニーのHGA部門及びサスペンション部門の責任者として兼務させていた。
(2) 我が国のHDD製造販売業者の概要
ア 平成25年4月頃から平成28年5月頃までの間,我が国のHDD製造販売業者は,《HDD製造販売業者A》(以下「《製造販売業者A》」という。)のみであった。
イ 《製造販売業者A》は,自社のHDDに用いるサスペンションの仕様を定め,サスペンション製造販売業者との間で直接交渉を行って当該サスペンションを調達する際の価格を決定し,SAEに指示して当該サスペンションを当該価格で購入させてHGAを製造させ,当該HGAを購入してHDDの製造販売を行っていた。
ウ 《製造販売業者A》は,平成21年3月以前においては,国外のサスペンション製造販売業者(NAT,SAE及びMPT以外の者をいう。以下同じ。)から自社のHDDに用いるサスペンションの全量を調達していたが,SAEからは平成21年4月頃に,日本発條からは平成21年10月頃に,MPTからは平成21年11月頃に,NATからは平成23年4月頃に,それぞれ,サスペンションの調達を開始した。
エ 《製造販売業者A》は,日本発條2社が製造するサスペンションについては日本発條と,SAE及びMPTが製造するサスペンションについてはMPTと,それぞれ交渉し,前記イの価格を決定していた。
オ 平成25年4月頃から平成28年5月頃までの間,《製造販売業者A》における日本発條2社,SAE及びMPTからのサスペンションの調達数量は,《製造販売業者A》の全調達数量の大部分を占めていた。
2 合意の存在等
(1)ア TDKは,かねてから,SAEが日本発條からサスペンションを購入し,また,SAEがNATに出資していたなど,日本発條と協力関係にあったところ,平成19年8月頃,TDKがMPTの議決権の取得を計画したことにより,サスペンションの販売分野において日本発條2社と競合することが見込まれる状況となった。
イ 日本発條2社及びTDKは,平成19年8月31日から平成21年1月28日までの間,営業責任者による会合を複数回にわたり開催し,サスペンションの販売分野において,共同して,国外のサスペンション製造販売業者に対抗し,日本発條2社とTDK3社がそれぞれの市場シェア及び利益を確保するため,相互に協調し,サスペンションの販売価格を維持する旨の認識を相互に確認した。
ウ TDKは,SAE及びMPTに対し,前記イの認識を伝達し,サスペンションの販売分野において日本発條2社と協調するよう指示した。
(2) 5社は,前記(1)イの確認を行った以降,我が国のHDD製造販売業者向けサスペンションの販売分野における市場シェアを拡大するために協力するとともに,HDD製造販売業者に対するサスペンションの販売価格,市場シェア等について情報交換を行っていたところ,遅くとも平成25年4月頃以降,我が国のHDD製造販売業者向けのサスペンションについて,日本発條2社とTDK3社がそれぞれの市場シェア及び利益を確保するため,相互に協調し,販売価格を維持する旨を合意していた。
3 実施状況
5社は,前記2(2)の合意の実効を確保するため,次の行為を行っていた。
(1) 我が国のHDD製造販売業者向けのサスペンションについて我が国のHDD製造販売業者から見積依頼があった際に提示する見積価格及び販売価格の確認
(2) 日本発條2社とMPT等の間で開催した営業責任者の会合等におけるサスペンションの需要見通し,販売価格,国外のHDD製造販売業者から見積依頼があった際に提示する見積価格についての情報交換
(3) 国外のサスペンション製造販売業者による低価格販売への対抗策についての情報交換
4 合意の消滅
TDK3社は,平成28年5月6日,課徴金の減免に係る報告及び資料の提出に関する規則(平成17年公正取引委員会規則第7号)第1条第1項及び第6条の2の規定に基づき,共同して,公正取引委員会に対して様式第1号による報告書を提出するとともに,各社のサスペンションの営業責任者等に対して前記2(2)の合意を実施しない旨の指示を行い,同日以降,同合意を実施していない。このため,同日以降,同合意は事実上消滅しているものと認められる。
第2 法令の適用
前記事実によれば,5社は,共同して,我が国のHDD製造販売業者向けサスペンションについて,相互に協調し,販売価格を維持する旨を合意することにより,公共の利益に反して,我が国におけるサスペンションの販売分野における競争を実質的に制限していたものであって,この行為は,独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当し,独占禁止法第3条の規定に違反するものである。
また,前記の違反行為は既になくなっているが,5社は,いずれも,独占禁止法第7条第2項第1号に該当する者であり,日本発條2社については,長期にわたり違反行為を継続していたこと,違反行為が自主的に取りやめられたものではないこと等の諸事情を総合的に勘案すれば,特に排除措置を命ずる必要があると認められる。
よって,日本発條2社に対し,独占禁止法第7条第2項の規定に基づき,主文のとおり命令する。

平成30年2月9日

委員長 杉  本  和  行
委 員 山  本  和  史
委 員 三  村  晶  子
委 員 青  木  玲  子
委 員 小  島  吉  晴

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