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熊本魚(株)に対する件

独禁法第19条(旧一般指定第6項,第7項及び第11項)

 

昭和35年(勧)第1号

勧告審決

 

 

熊本市新町3丁目36番地
熊本魚株式会社
右代表者代表取締役社長 島本 利三郎
右代理人弁護士 山本 彦助

 当委員会は、昭和35年1月30日右の者に対し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号、以下私的独占禁止法という。)第48条第1項の規定にもとづき勧告を行なつたが、これに対し、右の者から右勧告を応諾する旨の文書が提出された。
よつて当委員会は、私的独占禁止法第48条第3項の規定により審判手続を経ないで、左のとおり勧告と同趣旨の審決をする。
主文
一、熊本魚株式会社は、買受人が他の卸売人と取引しないことを条件として買受人と取引することを直ちに取りやめ、この旨を熊本魚市場内に掲示して、同市場のすべての買受人に了知させるようにしなければならない。
二、同社は、その取引の相手方である買受人に、その落札した価格よりやすい価格で販売させて、その差額および口銭に該当する金額を提供するような行為をしてはならない。
三、同社は、熊本魚市場内において他の卸売人のせり場との間に設けた障壁を直ちに撤去しなければならない。
四、同社は、買受人に威圧を加えて他の卸売人と買受人との間の買受契約の成立を阻止する等、他の卸売人とこれと取引を希望する買受人との間の取引を妨害するような行為をしてはならない。
五、同社は、第1項および第3項にもとづいてとつた措置について、すみやかに当委員会に報告しなければならない。
事実
当委員会が認定した事実は次のとおりである。
一、熊本魚株式会社(以下熊本魚という。)は、肩書地に本店を置き、熊本魚市場内において、鮮魚介類の卸売を業とする事業者であり、昭和34年8月から同年11月にいたるまでのその取扱高は、同市場内における鮮魚介類の取扱高の約85%を占めている。
熊本魚市場内においては、34年8月にいたるまで、熊本魚類株式会社(以下熊本魚類という。)、大海水産株式会社(以下大海水産という。)ほか七社の卸売人が存在し、それぞれ鮮魚介類の卸売を業としていたが、33年末ごろから、卸売人を一に統合する計画が具体化し、大海水産を除く熊本魚類ほか七社の代表者らは、34年7月、協同して熊本魚を設立した。
また同年8月1日から8月10日に至る間に、大海水産を除く前記八社はそれぞれ臨時株主総会を開催し、その営業の全部を熊本魚に譲渡して、会社を解散することを決議した。熊本魚は、同年8月11日、これら八社から営業を譲り受け、同年8月14日から卸売の業務を開始した。
大海水産は、卸売人を一に統合する際の条件に反対して、熊本魚にその営業を譲渡せず、現在も熊本魚市場内で鮮魚介類の卸売を行なつている。
二、熊本県においては、魚市場内で鮮魚介類の卸売を業とする者は、熊本県魚市場条例により、買受人との間に文書による買受契約を締結しなければならないことになつており、熊本魚は、熊本魚市場に所属する買受人で自己と買受契約を締結した者をすべて自己とのみ取引させる方針(以下買受人専属制という。)のもとに、この趣旨を記載した「新魚市場営業概要」と題する文書を作成して買受人に手渡し、昭和34年8月10日ごろまでに大部分の買受人との間に買受契約を締結し、かつ8月中旬以降、大海水産がその買受人との間の買受契約を更新しようとするにあたり、これらの買受人らに威圧を加えて契約の更新を阻止し、また、熊本魚の役職員は、熊本魚市場に所属する買受人の組合(熊本県海産物仲買協同組合、熊本魚市買受人協同組合および熊本県カマボコ協同組合熊本支部)の理事長および支部長を訪問して、買受人専属制を完全に実施することを言明するとゝもに、さらにこれが徹底を期するため、11月はじめから約1週間にわたり、買受人専属制を実施する旨を拡声機を用いて市場内に放送した。買受人らは、同年10月末ごろ、その所属する組合ごとに、それぞれ組合総会または理事会を開催して、熊本魚および大海水産の双方から鮮魚介類を購入したい旨の希望を明らかにし、これを熊本魚に申し入れたが、熊本魚はこれを拒否したのみならず、大海水産と取引している買受人に対しては売り止めをする旨を申し渡した。
三、また、熊本魚は、昭和34年10月29日夜、大海水産のせり場の周囲に障壁を設け、また熊本魚の役職員らは、障壁の周囲を監視する等、買受人が大海水産のせりに参加することを妨害した。
四、さらに熊本魚は、大海水産の買受人を自己と取引するように誘引するため、昭和34年11月以降、仲買専業の買受人に対しては、落札価格よりやすく販売させて、その差額および口銭に該当する金額を提供した。
五、前記熊本魚の行為により大海水産のせりは妨げられ、もと大海水産と取引していた買受人約400名のうち、現に大海水産と公然と取引している者は10数名にすぎなくなつている。
法の適用
右の事実を法令に適用した結果は次のとおりである。
前記二の事実によれば、熊本魚は、その取引先である買受人が、正当な理由がないのに、大海水産と取引しないことを条件としてこれと取引しているものであつて、これは昭和28年公正取引委員会告示第11号(以下一般指定という。)の七に該当し、前記四の事実によれば、熊本魚は、買受人に対して正常な商慣習に照らして不当な利益を提供してこれを自己と取引するように誘引しているものであつて、これは一般指定の六に該当し、また、前記二および三の事実によれば、熊本魚は、大海水産と、その取引先である買受人との間の買受契約の成立を阻止し、その取引を不当に妨害するとともに熊本魚市場内に障壁を設け、買受人に威圧を加え、大海水産と買受人との間の取引を不当に妨害しているものであつて、これは一般指定の十一に該当し、いずれも私的独占禁止法第19条に違反するものである。
よつて主文のとおり審決する。

昭和35年02月09日

委員長 佐藤 基
委員 中村 清
委員 高坂 正雄
委員 鈴木 憲三
委員 入江 一郎

(注)
(一) 本件の受理 昭和34年10月19日申告
(二) 勧告書の送達 昭和35年1月30日

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